第7話 反逆者の最後
「虫けらどもが……、この私に挑むとは愚かにも程がある!」
ローレンスは冷笑し、突撃してくる軍勢を始末するように、悪魔の群れをけしかける。
神聖なる加護を得てもなお、多くの兵士たちが悪魔の猛攻に倒れていく。しかし、ついにルミナはローレンスに刃の届く距離にまで迫る。
「あなたを止めるために、私はここにいる! 神の裁きを受けるがいい!」
あまりの剣幕にローレンスは一瞬怯んだが、すぐに自身の不死性を思い出して不敵な笑みを浮かべる。しかし、反逆者の笑みはすぐに消えることになった。ルミナが振るった剣が彼の防御を貫き、闇の守護を受けた命を脅かしたのだ。
「バカな! こんなことで私が滅びるはずがない!」
あらためて命の危機を感じると、彼は混乱のあまり妖魔たちを支配する王冠を投げつけて、無様に逃げ回る。
まさか唐突に切り札を捨てるとは思わず、ルミナの剣先はローレンスの命を絶つまでには至らない。追いかけるよりも先に、彼女は落ちた妖魔の王冠を手にすると激しく戦っている妖魔に向けて、戦いをやめるように命じた。
戦場を支配する怒号が鳴りやみ始める。ほとんどの妖魔たちは武器を捨てて戦場から逃げ出した。
その混乱に乗じて、ローレンスも必死に駆けていたが、追撃の手が緩むことなどない。
「逃げなければ……、私は、私は……、死にたくないぃ!」
彼は最後の手段として、悪魔に命じた。
「私を奴らの手の届かない場所に逃がせ!」
悪魔はローレンスの命令を応える。
彼を魔界へと強制的に連れ去った。ローレンスは叫び声を上げながら消え去り、その姿は二度と地上に現れることはなかった。




