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第5話 聖なる剣
「ローレンス伯爵が禁書を持ち出したことを気づけず、このような事態を招いた結果を深くお詫び申し上げます。すべての罪は、このユーグにあります。その罪、万死に値いたしますが、ですが形を執行される前に贖罪の機会を頂きたく……」
ユーグは大都市アルデナークの大司教からの赦免状を捧げる。
私財のすべてを妖魔と戦う兵士たちと難民に譲渡すること、妖魔の軍勢との戦いにおもむくことなどを条件に、一時的に刑罰を止めるというものであった。大司教直々の嘆願とあっては、聖軍としても断ることなどできない。
だがルミナを喜ばせたのは、ユーグが持参した聖なる剣である。
「死の魔王を討伐するために鍛えられた一振りです。残念ながら英雄は使命を果たすことができませんでしたが、その力は一欠けらも弱まっておりません。報告にありました不死性も無効にできるやもしれませぬ」
ユーグの言葉を聞きながら、ルミナは聖なる剣を手にする。
「素晴らしい剣だ」
光に魅入られる姿を、ユーグは暗い瞳で見続けた。




