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11話。?な女ども

ようやく豚野郎以外のキャラが……

中の人のネタがあります(今更)

嫌いな人は読み飛ばしでお願いします。

おう。俺だ。ベシータ様だ。


あれから二つほど集落を潰したんで、今の俺様のBPは22000を超えたぞ。そう、初登場時のベシータ様どころか、トドリアの野郎を超えてやったんだ。


まぁ公式だとトドリアの野郎の戦闘力は『大体22000くらい』らしいから実際は互角程度だろうが、それでも最初に比べたら雲泥の差ってやつだろう。


この調子でさっさとザーポンの野郎を超えてやるぜ! と意気込んでいたんだが、予定を変更せざるを得なくなっちまった。


別に豚肉を食い過ぎて腹を壊したとか、栄養が偏って体調がおかしくなったとかじゃねぇぞ。予定外の出来事が起こったんだ。


それが何かっつーとだな。


―――


「まったく、面倒を掛けやがって。いい加減諦めてくれんかね?」


「お嬢様には指一本触れさせませんッ!」


「サキッ!」


「おーおー。お嬢様も元気なこって。その元気がいつまで持ちますかねぇ」


「貴方たち! お嬢様に向かってなんという……それがブルマリア侯爵家に仕える騎士の態度ですか!」


「何を言うかと思えば。侯爵家に仕える騎士の態度、だと? おいおい俺らは侯爵様の命令でお嬢様を討つんだぞ? それで言えばブルマリア侯爵家に逆らっているのはラングレイ、お前じゃないか」


「何が侯爵様ですか! 先代様の遺言を偽造したクトニオス卿に大義はありません!」


「偽造、ねぇ。その証拠がどこにある? 思い込みで侯爵様を侮辱するのは不敬だぞ?」


「くっ!」


―――


おわかりいただけただろうか。


朝起きて、飯食って、スカウターを付けて、さぁて今日はどこの集落を狙ってやろうか? なんて考えていたら、なんか遠くに見たこともない反応が出てたんで、気になって見に来たら貴族の令嬢っぽいのとそのお付きのメイドっぽいのが乗った馬車が馬に乗った8人の男に追われていたんだ。


で、少し見てたら男の一人が投げ槍っぽいので馬車の車輪を破壊し、馬車が立ち往生。


それから御者をしていたメイドっぽいのが立ち上がって自分たちを囲んでいる男たちに対して弾劾をしはじめたってのが現状だな。


この状況を一言で言い表すなら、異世界あるあるイベントの一つ『貴族令嬢とのエンカウント』だろう。


普通なら異世界にきてすぐに遭遇するイベントなはずなんだが、まぁ豚野郎にも勝てなかったときに遭遇しても何もできなかったからな。今でよかったと思おう。


問題は今、この状況をどう見るか。


まずはメイドから。


見た感じの特徴としては、腰まで届く黒髪と豊満な胸部装甲を隠さない、むしろ際立たせるかのようなメイド服を装備していやがる。それだけならザ・メイドで済むんだが、当然あのメイドの特徴はそれだけじゃない。


「あのメイド、両手に短剣を持っていやがる。それもかなり慣れている感じだな」


武術については詳しくねぇから細かいことはわからんが、おそらくあの腰を落とした構えは全方位を警戒しているんだろう。


ついでに言えば、さっきからやってる会話についても、な。会話でひるむくらいなら最初から襲わねーよ。とツッコミが入るかもしれないが、あれは本気で叛意をさせるための説得ではない。時間稼ぎだ。


時間を稼いで馬車の中にいるお嬢様の安否の確認と、自分の怪我の状況なんかを確認しているってわけだ。この状況で落ち着いてそれができる精神力は純粋にすげぇと思うぜ。


で、追手らしき連中がわざわざその時間稼ぎに乗ってやってるのは、獲物を前に舌なめずりをしている……わけではなく、追手は追手でメイドを警戒しているからだろう。


8対2、いや、お嬢様は戦えないだろうから実質8対1。それも騎士が8人でメイドが1人と考えれば騎士に警戒する必要があるのかどうか疑問にと思うかもしれんが、実際問題警戒の必要は、ある。


「なにせ騎士どものBPが140から250なのに対して、メイドも200近くあるからな。多勢に無勢とはいえ、無理に戦えば騎士側にも犠牲が出る可能性が高い」


もちろん損害を恐れなければ十分倒せるんだが、勝ち戦で怪我を負いたくないのは誰だって一緒だからな。隊長ぽいやつだって部下に損害が出れば評価に響くだろうし、できるだけ無傷でことを収めたいと考えるのは当然のことだ。


さらに騎士の方は見張り役として二人を別行動させていやがる。こいつらがいるせいで豚野郎やら野生動物の乱入は難しい状態になっている。騎士の方は万全の構えってわけだ。


ここまで見て疑問に思ったんだが……。


「これほどまでに周到な準備をできる野郎どもが、なんであのメイドと令嬢が乗る馬車をここまで連れてきたんだ?」


当たり前の話だが、荷台をけん引している馬車と兵を載せているだけの騎兵だと圧倒的に騎兵の方が早い。さらに騎士のほうに車輪を狙って破壊するだけの技量がある。であれば、この森に入る前にいくらでも同じことができたはず。


人の手が入ってない森なんて不確要素の塊だろう? 

しかもここはBP100前後の豚野郎が大量にいる森だぞ?

狩りに出ている連中に至っては200~500だっているんだぞ。

そんな森にあの程度の実力しかない連中が入ってきた理由はなんだ?


「可能性があるとすれば、大っぴらに貴族の令嬢を暗殺するのが難しいから? それともメイドを警戒した結果ここまで引きずられた?」


向こうにいたとき『人を殺すのは小学生でも可能だが、問題は後始末だ』って聞いたことがある。


相手が一般人ならまだしも、貴族の令嬢の場合いろんな背景があるだろうからな。


声しか聴いてねぇが若い感じだったし、婚約者とかもいたかもしれん。


そうなると死亡した経緯とか死体の検分とかもされる可能性もある。そんな相手を暗殺するとしたら、どこで実行する?


「考えるまでもない。他人の手が届かない自分の屋敷の中か、人の手が入らない場所だ」


前者はあのメイドが阻止した? 家の中で殺せなかったから森で殺そうとした? 


「どっちもありそうだな。それにメイドを警戒したって線も濃いような気がする」


なにせあのメイド、何日逃亡生活を送ってきたかしらんが、それでも現時点でBPが200もあるからな。疲労していなかったらもっと強かった可能性がある。周りの騎士たちがメイドの『もっと強かったとき』を知っているなら警戒するのは当然のことだ。


で、騎士の思惑の次はメイドの思惑だな。

メイドからしたら向こうのテリトリーである屋敷は危険。

町中も誰が敵で誰が味方かわからない。

味方がいるところへ逃げようとしたが追手がきた。

追手を撒くために森を目指したがここで捕まった。


実際聞いてみねぇとわからねぇが、こんなところじゃねぇかな? 

なんにせよ全部妄想だから何が正解かはわからねぇが、それはそれでヨシ!


「妄想しただけで結構楽しめたからな。そこは感謝してやるぜ」


なにせ今まで聞いた言葉と言えば豚野郎が発する『ブモブモ』って音だけだったしな。異世界の言語を理解する能力を貰ったはずだが、さすがにあれは理解できなかったし、する気もなかった。


結果として一人で豚野郎を倒して一人で考察と感想を言っていたわけだが、正直会話に飢えていたところはあったんだ。そこに来てこれだろ? 状況も相まって捗る捗る。


「礼と言ってはなんだが、助けてやるぜ」


もちろんメイドと令嬢の方をな。


いや、下心とかじゃなくて。純粋な利益の話だ。


だってこの状況で男どもに加勢したところで男どもは喜ぶどころか「分け前が減る」って思うだろ? それか「見たからには死んでもらう」って感じになる可能性が高い。


対してメイドと令嬢は今が絶体絶命のピンチだって自覚しているはずだからな。


暇つぶしができた礼をするついでに恩を売っていろんな情報を貰うと考えれば、騎士よりもメイドどもを助けた方がリターンは大きいって寸法だ。それが下心と言えばその通りなんだが、世の中はギブアンドテイクが基本だからな。それくらいの旨味はあってもいいだろ。


懸念があるとすれば侯爵家の家督争いに巻き込まれる可能性があるってことだが、まぁ、な。


「ぶっちゃけ弱すぎる」


思った以上に人間が弱い。あれが一般人なら少しは警戒したんだろうが、連中って家督争いに関係している令嬢を暗殺するために派遣された精鋭だろ? それがあの程度ではなぁ。


今の俺様ならBP200とかの奴らが何人きても瞬殺できるぞ。多分食事に毒を盛られたりしない限りは大丈夫なんじゃねぇか?


結局のところ、自分に余裕があるからこそ助ける。

それだけの話だ。ま、当然のことだな。


ついでに、そう、ついでにあの二人を助ける理由がある。


「……あの令嬢め、()()()リア侯爵家ってなんだよ。令嬢のくせにリ〇・インバースみてぇな声しやがって。詠唱させるぞ」


ブルマの名を冠する娘を見殺しにしたら俺の中のベシータ様に殺されるわ! あとメイド!


「名前がサキでラングレイ? あんたは馬鹿か。そこまでやったら茶髪にしろよ! それになにより……声が鶴さんじゃねぇか! 主従揃っていろいろ混ぜやがって」


アレを見捨てたら寝覚めが悪いどころの話じゃねぇぞ。

……あの白い部屋の野郎。ピンポイントで狙っていやがるんじゃねぇだろうなぁ?


「いや、誰が介入していようと関係ねぇ」


結局のところ俺は、俺が俺であるためにあのメイドと令嬢を助けることに決めたのだ。

騎士? 千葉声なら少しは考慮してやったが、ただのオッサンなんざ知らん。邪魔をするなら死ね。指先一つで死ね。


「差し当たっては見張りから片づける必要があるな、それに今気付いたんだが、俺って豚野郎以外で人型を殺るのはこれが初めてだな」


上手くできるかどうか……今更か。


気合を入れて物理で殴る。うだうだ考えるのはそれからだ!


「ベシータ。吶喊するぞ!」



簡単な用語解説


トドリア――フルーザの側近 なんであの程度の野郎が側近になれたのかは不明。有名なんだが特徴が外見以外にねぇからモノマネをするのが面倒なキャラだぜ。BPは大体22000くらい。これが公式ってなんだよ。


ザーポン――同じくフルーザの側近。こっちはまだ知的労働ができる感じだったからまだわかる。変身能力がある。キャラがブレるからモノマネをするのが難しいキャラだ。BPは23000-25000。変身後は30000くらいと言われている。


リ〇・インバースみたいな声――女ら◯まと綾◯レイと灰◯哀を足して3で割ったような声だ。知り合いの小娘がたまに声真似をしているぞ。


鶴さんみたいな声――某仙人……ではなく、ブル◯とド◯ンちゃんと◯神令子さんとジ◯ネさんを足して4で割ったような声だ。声を聞いただけでベシータとしてもジャルおじさんとしても(ついでに横島としても瞬としても)無下に扱えない感じになるぜ。


メイドの名前――説明不要。混ぜるな危険。



―――


閲覧ありがとうございます。



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