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第二殺

 ――出てきたのは一匹の黒いキツネだった。




「なるほど……。確かにお前は俺のパートナーにぴったりだよ」




 キツネと一緒に出てきたキツネのステータス画面。それと一緒にこいつの名前を決める画面も出てくる。名前は……こいつに性別とかあるのか? まあどっちでもいいような名前でいいか。黒いし……[ノワール]とかどうだろうか?まあこれでいいだろう。


 入力画面にノワールと入力して改めてステータス画面を見た。


Name: ノワール


Lv : 1


HP: 130


MP: 350


STR: 30


VIT: 30


INT: 150


DEF: 20


DEX: 70


AGI: 100


LUK: 20


【スキル】


《黒魔法Lv:1》《狐火Lv:1》《天眼Lv:1》《潜伏Lv:1》




 こんな感じで魔力特化のステータス割り振りに、デバフや幻術などの邪魔系魔法の黒魔法が使える。俺のサポートとしては最高だと思う。


 精霊も確認できたので次の項目へ。おそらくこれが最後の項目だろう。最後は俺の名前と防具の見た目選択。初期装備の見た目を選べる。性能は変わらない。初期装備の見た目は変えないが、装備とは別枠にある頭の項目に触れて内容を確認する。装備とは別の眼鏡なんかのアクセサリー類がある。そこで顔を隠す仮面はないものかと探してみる。




「仮面は……っと。あったあった。お、しかも狐の仮面じゃん。名前はいつも通りっと」




 他にも仮面はあったがこれが一番いいと思った。ノワールが狐だし。名前はいろんなゲームで使ってる名前[シャロード]を入力。ちなみにこの名前にしたのは俺の名前である影道を英語にしてシャドウロードはさすがに恥ずかしいと思って少し削って[シャロード]になった。ちなみに仮面もどのゲームでもしている。これは前世からの癖みたいなもんで顔を見せることにどうしても抵抗があったからだ。現実でも年中マスクをしてる最近だとよくいるやつになっている。




『これでキャラメイクは終了です。チュートリアルを受けますか?チュートリアルはいつでもメニュー画面から受けることが可能です』




「今は受けない」




 本当はチュートリアルを飛ばすのはよくないかもしれないがMMORPG好きの真桜がいるし、さすがの俺もこの手のゲームをしたことはないわけではないので今は早く始めることを優先する。




『それではエレメンタル・ファンタジーをお楽しみください。始まりの街[ファーストリクス]へ転送します』




 ガイドアナウンスが転送することを言って目の前に五秒カウントが見える。その数字がゼロになり目の前の景色が変わる。そこはとにかく大きい広場だ。いったい何人のプレイヤーが入るかわからないほどだ。


 それはともかく、まずは真桜にフレンドチャットを送らなければ。真桜は俺よりも早くにキャラクリ終わってるだろうし。メニューを開いてフレンドの項目を押してVR本体のフレンド欄からチャットを送る。




シャロード:今、広場についたぞ


トゥルム:広場の真ん中にいるよー


シャロード:わかった




 広場の真ん中を見ると、真桜がいた。結構わかりやすかったな。ちなみに真桜のPN(プレイヤーネーム)のつけ方は俺と同じで真桜を英語にしたトゥルーブロッサムを削ってトゥルムだ。真桜も俺と同じく顔と体格はいじっていない。髪の毛の色だけ桜色になっているが。広場の真ん中にいる真桜に近づいて声をかける。




「トゥルム。待ったか?」




「いや?私はちょっと前に終わったからそんなに待ってはない。あ、今回は狐なんだ」




 ならよかった。待たせすぎると何か奢ってとせがまれるかもしれないからな。




「それじゃあ早速フィールドに出よう!」




 いつもよりも幾分も高いテンションで言う。




「いつも通りの純魔か?」




「そうだよ。シャロはどうせアサシンロールのAGIとSTR特化でしょ?」




 トゥルムのスピードに合わせて走り、ステータス振りについて聞く。トゥルムは一緒にやったMMORPGではすべてが純魔法使い、つまりは純魔を好んで使う。ちなみにシャロというのは単純に俺のPNを略しただけだ。




「それで、精霊はどう?あたりだった?」




 それはもう気になるといった様子で聞いてくる。




「ああ。当たりだった。そっちは?」




 能力的にはノワールはあたりだと思う。まあ、プレイヤーの能力を参照しているらしいからよほどのことがない限りは外れはないのではなかろうか。




「私の精霊は私と同じ魔法全振りみたいな精霊だったよ」




 それはトゥルムにとっては大当たりだろうな。


 そんなこんなで話しながらフィールドに向かっているとすぐに到着した。このフィールドは最初のフィールドとしてはありふれた平原タイプのフィールドだ。見渡せばたくさん湧いているモンスターを狩っているプレイヤーが見える。




「やっぱり最初はスライムでしょ!」




 そう言ってトゥルムは近くにいたスライムに向かって杖を構える。俺もインベントリから剣を取り出して準備しておく。剣を取り出すと一緒に腰の部分に鞘も出てきた。




「やっぱり最初の魔法と言えばこれ!【ファイアボール】」




 トゥルムはスライムに向けて杖を構えて魔法を使う。杖の先から放たれた魔法は一直線にスライムに向かって行って直撃。そしてスライムが死んだ。……死んだ。大事なことなので二回言った。




「お前、INTは?」




 ふつうは最弱キャラとは言えレベル一の魔法で一撃なんてのはおそらくないはずだ。




「えっと、こんな感じ」




 そう言ってトゥルムはメニューを開いて俺に見せてくれる。




Name: トゥルム


Lv : 1


HP: 150


MP: 60


STR: 50


VIT: 50


INT: 400


DEF: 50


DEX: 50


AGI: 50


LUK: 50


【スキル】


《赤魔法Lv:1》《白魔法Lv:1》《青魔法Lv:1》《危機察知Lv:1》《料理Lv:1》《MP自動回復促進Lv:-》《炎ダメージアップLv:-》




 ……なるほど。俺が言えたことではないがとりあえず一言。尖りすぎだろっ!!いつもはこんな尖ったのではなくもっとバランスよく割り振るのに、珍しい。




「今回はかなり尖ってるな」




「そうだね。今回は私も少し尖らせてみようと思ってちょっと考えてたらこうなっちゃった」




 まあ、俺が言えたことではないのでこれ以上は何も言うまい。




「それにしても料理スキルはとったんだな」




 まあ、満腹度がある以上腐ることはないスキルではあるが、NPCから買うプレイヤーがほとんどだろう。




「うん!シャロにちゃんとしたご飯作ってあげなくちゃ」




「そうか。ありがとうな。次は俺だな」




 トゥルムの頭を撫でて次のスライムが近づいてきているので剣を抜く。


 スライムの弱点は体の中にある核だと《弱点感知》でわかる。まあ見るからに弱点だしな。ちなみにこの弱点感知はパッシブスキルでモンスターに対しての弱点は分かるがPvPでは何の役にも立たないスキルだ。プレイヤーの弱点なんて頭や首くらいしかないのは誰でも知っている。


 接近してきたスライムが俺に向かって飛び跳ねて攻撃してきた。飛び上がってくれればこちらとしてもありがたい。飛び上がったスライムの核に向かって突きあげる。そうすれば当然スライムは貫通して剣に串刺し状態になる。傷口からは薄い赤色のポリゴンが出てきている。当然俺もトゥルムほどではないにしろ攻撃力は高いので剣が刺さっているのはポリゴンとなって消えていった。




「それじゃあ、この調子でどんどん狩って行こう!」




 このまま一時間くらいはスライムとRPGの定番ゴブリンさんを倒してレベルを上げた。

読んでくれてありがとう。

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