第二十五章 早めの再会
コンには覚える事が沢山ある
だがその分 『出会い』と『発見』が出迎えてくれるのであった
「わぁー・・・
これ全部、お店なんですか?」
「そうだよ、此処は王都でも有数の『華道』なんだ。」
「・・・『華道』??」
「『華道』っていうのは、『華やか』な『道』っていう事。つまり、賑わっている通りを指す言葉だ
よ。」
店だけじゃなくて、道にまでしっかりとした意味のある名前があるんだ。・・・全部覚えられる気がしないんですけどぉ・・・
トゥーソさんが店員として働いている店は、この華道に連なる店の一店舗なんだとか。
此処は城からそこまで距離が離れていない為、貴族や王族が立ち寄る事もあるそう。だからなのか、店の佇まいが、どの店もかなり立派だ。
露天が並んでいた通りとは違い、お洒落で風情のある店舗が並んでいる光景は、圧巻だった。
その上、華道を歩いている人々も、何だかお洒落に見える。この人達も、貴族には届かないけど、資産家や実業家なのかな?
まさに此処は、『エリート通り』だ。前世で例えると、『オフィス街』・・・みたいな?
ちょっと違うかな??
・・・で、馬車使いさんはこの通りに並ぶ店が何のお店なのか。経営しているのは誰なのか、従業員が誰なのかも、正確に記憶しているんだとか。
「よく貴族や王族をこの華道まで運んでいますからね、嫌でも詳しくなってしまいますよ。」
確かに、道を歩く人々は、馬車を見てもそれほど反応しない。昨日、私が初めて王都に来た時は、野次馬がずっと離れなかった。
同じ街に住んでいても、認知の差がここまで開いてしまうんだ。でもそれは、前世の世界でも同じ事があったな。
・・・ほら、『ネットで情報を集める』方法と、『テレビで情報を集める』方法では、若干差が出てしまう・・・みたいな?
同じ国、同じ地域に住んでいたとしても、人である以上、情報に差が生まれてしまうのは当然。貴族や王族にとって、当たり前に思える『馬車』でも、かつての私のような平民にとっては、『滅多に見る事ができない存在』
私もついこの前までは、そっち側にいたんだよなぁ。それが突然、貴族や王族側の存在になってしまうなんて、今になっても信じきれない。
・・・でもこれからは、馬車に乗らないと何処も行かせてもらえないんだろうな。せっかくならのんびり王都内を散歩したかったけど・・・




