ウルシは 負け続けていた
・・・あぁ、そうだ。すっかり自分が城内を見回っていた事を忘れていた。
1人で歩くのは心細いけど、付き添ってくれる人が2人も一緒なら、足取りも軽くなる。それに、各箇所で分かりやすい説明付き。
城内は、王都とはまた違った、『一つの国』として成り立っていた。それぐらい、多くの施設が詰め込まれている場所だ。
ドレスや装飾品等が保管してある『装飾の間』
非常時の水や食料が保管してある『保水食の蔵』
王族の人間しか入る事が許されない部屋・・・等。今日だけで全部覚えられるか不安な程、多くの部屋が連なっていた。
見応えがあるのは城内だけではない。中庭にある大きな噴水は、1時間経つと水の出方が変わるという、面白い工夫まで施されている。
城から若干離れた場所には、ステンドグラスがびっしりと張り巡らされた『教会』がある。
此処では時折牧師を呼んで、色々な行事を行うんだとか。その教会の奥には、楽器等が保管されている『楽器の間』まである。
その上、裏庭の方には馬車と馬が滞在できる『馬の宿』まである。もうどこまでも至れり尽くせりだ。
自分達が今寝泊まりしている城の一階部分は、本来メイドや召使いが働きながら寝泊まりできる『根』
二階が貴族の住んでいる『茎』
三階が王族の住んでいる『花弁』
四階が殿下や陛下が住んできる『大輪』
「もっと細かい内訳があるけど、それはまた今度でいいか。数日後には、ウルシやコンも俺たちと同じ四
階に住う事になる。」
そう言って、アン殿下は四回にある部屋を指刺した。
遠くから見ただけでは内部を覗く事はできないけど、確かに中で色々と騒いでいる様子は確認できる。
多分、今一生懸命メイドや召使いが掃除してくれているんだ。申し訳ない気持ち反面、楽しみで早く入ってみたい気持ちもある。
「四階からの眺めも絶景だ、楽しみにしているといい。」
「はい。」




