第二十四章 お出かけに出発
コンは 『昨日のお礼』をする為
王都へと足を運ぶ事に
「じゃあ殿下、行ってまいります。
でも・・・わざわざ馬車まで用意されなくても・・・
歩いて行ける距離ですよ?」
「何を言ってる、王女候補者がそこら辺を1人でウロウロするわけにもいかない。
せっかくだから、ちょっと馬車で王都を回ってみるといい。様々な発見があるだろう。」
アンは、外から手を振っていた。私は片手に小箱を握りしめ、馬車へと乗り込んだ。
そしてゆっくりと出発する馬車を、大勢のメイドや召使いが見送ってくれる。これが日常茶飯事になるのか・・・・・不安でしかない。
そして、城に長年仕えている庭師さんと同じく、馬車使いさんも歴が長いそう。やっぱり、歴が長い分、実力がつくんだな。
庭師さんよりも年齢は低い様に見えるけど、馬車を引く馬の扱いは、素人の私でも思わず見入ってしまう程の凄腕だった。
それに、この前初めて馬車に乗った時よりも、何だか乗り心地が良い気がする。
単に馬車の種類が違うだけなのかもしれないけど、それ以上に運転する側の実力が顕著に出ていた。
機械である車よりも、生き物を相手にする馬車の方が大変なのに・・・
いかにも『英国紳士』と言わんばかりの風貌に、思わず心がときめいてしまったのは、口が裂けても言えそうにない。
「あの・・・本当に大丈夫なんですか?
彼女の営んでいるお店の場所、本当に分かるんですか?
私、あの時彼女の名前しか聞けなくて、何処に住んでいるのかも聞きそびれちゃって・・・」
「心配する必要はありません、この王都で生まれ育った私なら、何処に誰が住んでいるのか、誰がどんな
職に就いているかは、無意識のうちに理解してしまうのですよ。」
成程・・・
私が里に住む皆の名前や仕事、家族構成を自然と覚えたように、故郷のあれこれは自然と覚えてしまうものなのか。




