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第二十二章 強固な心

正直、もう蔑まれてもそこまで気に留めなくなっている。昨日、様々な『苦難』を乗り越えた事による、『成長』・・・なのかな?

前世時代は、陰口が聞こえるだけでもビクビクしていたけど。何故かな、今は草を毟る事に集中できる。

それに、彼女達はドラゴンのように、いきなり牙を立てて襲ったりしない。

あんな巨体なモンスターを目の前にした私に、武器がモテないか弱い女性なんて、脅威でもなんでもないのだ。

不思議だな、前世ではあんなに恐れていた存在なのに、今はもう何とも思わないな。

それこそ、地面を歩いている蟻と同じくらい、意識する事はない。そんな事に意識を向けるくらいなら、雑草抜きに集中していたい。


「・・・ねぇ、ちょっと。」


「はい?」


真横から声が聞こえ、振り向いてみると、そこにはさっきから私達を見ている彼女達とは違う、また別の女性が立っていた。

さすがにしゃがみながら話すのは失礼だと思って、「よっこいしょ」と言いながら立ち上がった私。その拍子に、私の身体中から土が飛び散る。

ひとまず私は、服や体についた土を払い、手もパンパンっと払った。


「・・・とりあえず、初めましてかしら?」


「えぇ、そうですね。」


何だろう、この人。最初は怒っている様子に見えたけど、そうでもなさそう。ただ・・・何とも言えない、例えられない感情を抱えている様子。

てっきり馬鹿にされるのかと思っていたけど、そんな素振りは全く見せない。ただ、後ろにいた女性達の空気すらも固まっている雰囲気だった。


「・・・貴女、昨日此処に来た・・・人獣さんでしょ?」


この人は私を『人獣さん』と呼んで、名前は言わない。・・・という事は、私の件は知っているけど、名前まではまだ知らない・・・という事?

それもそうか、まだ此処にきたばっかりだし、見た目で一番目立つ耳や尻尾から、『人獣さん』と呼ぶのも、当然なのかも。

でもまさか、『さん』までついてくるなんて思わなかったな。『さん』をつけるだけで、何だか丁寧な感じがして、悪い印象は受けない。

流石だな・・・

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