第二十二章 強固な心
着の身着のまま 雑草取りに没頭するコン
そんな彼女を見る目は 決して暖かいものだけではなかった・・・
調子に乗ってスポスポ抜いてたら、もうお日様が完全に見えるくらい時間が経ってしまった。城の中庭なだけあって、私1人じゃ終わりそうにない。
「できる範囲だけやってくれるだけで助かるんだ」とは言われたけど、できるならずっとやっていたいな。
汗と土に塗れてしまったけど、植えられている木々や草花が、心なしか喜んでいる様子に見える。それを見ると、手が止まらないのだ。
ついさっき、腰が悪いと公言していた庭師さんも凄いな。
あっという間にモジャモジャ状態だった木を、まるでモデルの如くスレンダーにしてしまう。
こんな広い庭をたった1人の庭師が手入れするのもちょっとおかしな話ではあるけど、場所を考えると納得できてしまうのかもしれない。
此処は国を治める重鎮達が住う、いわゆる『高級マンション』のようなもの。そんな場所に易々と人を出入りさせるわけにはいかない。
地位や権力にしがみつく人間も怖いけど、やっぱり身勝手な悪意を持つ人間の方が怖い。
そうゆう人間が刃物等の武器を持ってしまえば、簡単に転がり落ちる。
この王室で武器を常備する事を許されているのは、重鎮に忠誠を誓っている兵士達くらいだ。
・・・そう思うと、此処はお金が稼ぎやすいけど、倍率が高い。
当たり前なのかもしれないけど、やっぱり良い場所にはそれなりの条件があるんだな。
「・・・ねぇ、見てあれ。」
「あの子は・・・?」
遠くの方で、誰かがヒソヒソと話をしているのが聞こえる。
ちょっと首を曲げてゆっくり振り返ってみると、そこにはいかにも豪勢なドレスを見に纏う女性達の姿が。
私と目が合うと、女性達は目を逸らしながら、クスクスと笑っている。
そんな女性達の笑い声は庭師さんにも聞こえたのか、謝罪の言葉を耳打ちした。
「すまんな、お嬢ちゃん。」
「いいんですよ、私が好きでやっているだけですから。」




