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第二十章 悪夢からの逃走

悪夢の余韻が二度寝を妨害する

妨害されたのなら もう起きる以外に手段はなかった

「・・・うぅ・・・・・


 ・・・・・はっ!!!」


目の前に映るのは、綺麗な天井。そして私を包み込んでいるのは、生暖かい空気ではなく、フワフワとした柔らかい羽毛毛布。

しかし、私の全身は汗でびっしょりな状態。夢の中では安易に起き上がれたのに、何故か目覚めた直後になると、急に体が重くなる。

でもこの汗が、あの意味不明な夢を見た、確たる証拠になってしまった。しかもあの夢、目覚めても鮮明に思い出せる。

こんな奇妙な夢に限って、鮮明に思い出せる・・・というのも、また不気味だ。

疲れ過ぎて夢を見るだけならまだいいけど、よりにもよって、見た夢の内容が・・・

うぅーん・・・

部屋にある柱時計を見てみると、まだ5時にもなっていない。この汗をどうにかしたいけど、この時間からメイドさんを呼ぶわけにもいかない。

かといって、無断で勝手にお風呂をいじったら、それはそれでまた怒られそう・・・

仕方なく私は、鉛のように重くなった体を必死になって起こし、背伸びをして一旦一息つく。そして、これからどうするのかを考えた。

あんな夢を見た直後、二度寝する気にもなれない。せっかくだから、朝の城内でも散歩してみようかな。

昨日は結局、『フジの屋根』と『応接の間』、そして『仮・私の部屋』しか行き来しなかったからな。

ちなみに、何故私の部屋に『仮』がついているのかというと、どうやら王女専用の部屋があるそうだけど、長年使われていなかったから、かなり汚れているんだとか。

なので、掃除が終わるまでは、宿泊者用の部屋に寝泊まりする事に。私はこっちでも相当贅沢な気もするけど・・・

柱時計に加えて、天蓋付きのベッド、お洒落なテーブルと椅子、水がしっかり出る洗面台。里には絶対ない豪華な物ばかり。

正直、この椅子一つだけを里に置いていたら、違和感しかない。座るだけでも申し訳なく感じる程、デザインも素材も相当豪華だ。

そういえば、この世界に来て初めて、『柔らかい椅子』というものを体感したかも。

里にある椅子はほぼ木材で作られているから、材質は良いけど、『柔らかい』とは言えない。

でも山の木材で作られた椅子も、座っていると妙に落ち着くから、あっちはあっちで好きだし、こっちはこっちで好き。

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