コンは 夢に浮かぶ
ドラゴンを見た事自体、あれが初めてではあったけど、私には分かってしまう。
・・・だが、私を目の前にしたドラゴンは、私を責め立てる目をしておらず、逆に『命乞い』をしている様な悲しげな目で、私に何かを訴えている様子だった。
てっきり「許サナイ・・・」とか「呪ッテヤル」みたいな捨て台詞を吐くのかと思っていたけど、これもこれで私が申し訳ない気持ちになってしまう。
よっぽど〈ノリト〉で受けた一撃が痛かったのか、反省して懲りているのか・・・
「・・・シテ・・・
・・・シテ・・・」
「・・・何??
何を・・・?!」
ドラゴンの口から発せられた声は、掠れてはいたけど、ちゃんと言葉になっていた事に、驚きを隠せなかった。
だって、あの時私が退治したドラゴンは、叫び声しか上げられなかった筈。
一瞬別のドラゴンなのかと思ったけど、腹部の傷は、やっぱりあのドラゴンに違いない。
でも、あの時ドラゴンは、鳴き声は発していたけど、言葉にはなっていなかった筈・・・
「・・・・・貴方は・・・一体誰??」
「・・・許してくれ・・・
もう・・・許してくれ・・・」
・・・「許してくれ」???
何に??? 何に対して???
町を襲った事に対して??? 女の子を襲おうとした事に対して???
「何?!! どうゆうこ・・・」
問い詰めようとした口から、突如声が失われる。
間近に迫ったドラゴンの腹部にあったのは、私が残した傷跡だけではない、何かがびっしりとへばりついていた。
それは、単なる真っ白な紙だけど、そこに書かれている文字は
『地位』 『名誉』 『死守』 『免罪』 『欲望』 『性』
という、意味不明で不気味な文字ばかり。しかしドラゴンは、その紙を大事に抱える様に、腹部を短い両手で包み込んでいた。
・・・どうゆう事??
この夢は、私に何を訴えかけようとしているの?!!
全然分からない・・・
というか、なんで私こんな夢を見せられているの?!!
波紋に抵抗した花弁は
そのまま陸(現実)へ打ち上げられる




