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コンは 夢に浮かぶ
水面に浮かぶ花弁は
波紋によってゆらめいていた
投げ込まれたのは 『大きな石』
どんよりとしている空気の中、私は浮かぶ様に眠っていた。
周囲は暗黒に包まれている筈なのに、何故か自分が無意識に瞼を開いて周囲を見渡している感覚だけがある。
そして、案外体が思うように動いてくれる事に、驚きを隠せなかった。
この異様な世界、異様な現状、これらを全て照らし合わせると、此処が『夢の中』である事は瞬時に理解できる。
前世の世界でも、『疲れ過ぎたら夢を見る』なんて話を聞いた事があるから、きっと私も無自覚に疲れ過ぎていたんだろうな。
・・・多分、兄とバカラさんも見ているんだろうな、夢。
というか、しっかり動ける夢なんて珍しいな。私でも夢はよく見ているけど、大抵内容を忘れて終わるか、映画の様に見るだけで終わる。
でも今は違う、この心地悪さも、生温い感覚も、まるで現実の様に感じているのだ。これは・・・眠りが深い証拠なのかな?
真夏の炎天下に置き去りにされた様な、生温い温泉を潜っている時の様な、とにかくまとわりつく様な空気の中、私はただフワフワと浮かんでいる。




