ドラゴンの調査報告(3)
「先程、私が話していた『本』を覚えているか?」
「・・・確か、『神々の国の首都』・・・という本でしたっけ?
俺はまだ読んだ事がないんですけど・・・兵士長は?」
「ある話を聞いた事があるだけだ。」
そもそも、あんな広い図書館の中で、どの本が何処にあるのかを全て把握しているヴァル殿下はやっぱり凄い。
多分コンはまだ見た事がないだろうけど、あの光景を目にして1番喜ぶのは、コンではなくウルシだろうな。
貴族や王族も立ち寄る程、多くの人から重宝されている王宮図書館。俺も訓練兵時代、そこでよく同期と試験勉強をしていた。
ただ、どんなに歴を重ねた貴族や王族であっても、本を求めて小一時間図書館の中をウロウロする光景は、もはや恒例。
それに、収められている本の種類も多種多様。あの図書館にある本を全て読破するには、十数年はくだらないのかもしれない。
だが、ヴァル殿下の顔を拝見できたのは、今回が初めて。
ヴァル殿下はよく図書館にいる話だけは聞いていたのだが、俺もそこまで頻繁に図書館へ出入りしているわけじゃなかったから、タイミングが合わなかっただけだ。
他の同期が話していたが、ヴァル殿下は時折真夜中の図書室にいる事もあるんだとか。
そしてそのまま、机の上で寝入って、母である女王陛下に怒られている・・・なんて噂も囁かれている。
そんなヴァル殿下なら、人獣に関しての知識も、少しくらいあってもおかしくはない。
「なら、今度あの書籍を貸してやる。あの書籍が、図書館の中で1番多く人獣についてのいくつ
かを記しているんだ。」
「へぇー・・・」
「・・・・・ゴホンッ、今はそれどころではない。
実は、その書籍の中にも、ギンや彼女が扱える〈ノリト〉についての記述があった。」




