ドラゴンの調査報告(3)
『ドラゴン』に関しての謎は まだまだ解明する気配を見せない
だが 〈ノリト〉や『人獣』に関しての謎には いくつかヒントがあった
ただ、コンの場合、明らかに何かが変わっている。多分それは、親父も母もどこかで勘づいているのかもしれない。
コンが新たな〈ノリト〉を発言しただけでも相当な事なのに、昨年と今年を合わせて、コンは何度も何度も唄い続けている。
なのにコンは、至って平然な様子。注意深く観察していても、コンが我慢をしている様子は全くない。
それはそれで安心できるけど、それはそれで謎が増えていく一方。
・・・この件に限った話ではない。里に向かう最中、殿下や兵士長を襲った、あの妙な集団。
結局彼らの正体も分からないまま、処分されてしまった。しかも彼らの身元は、ごく一部しか分かっていない。
彼らに共通していたのは、家を持たない『浮浪者』であった、ただそれだけ。
でも、たった一部の情報で全てを決めつけるわけにもいかない・・・が、本当にそれくらいしか情報がない。
「ギン、お前も〈ノリト〉が使えるのか?」
「・・・一応血は繋がっていますから、使えると思います。
ただ、俺が〈ノリト〉を発動させたのは、もう十年以上も前の話なので、改めてできるかどうか聞かれ
ると・・・」
「その〈ノリト〉を扱えるのは、ギンと彼女だけか?」
・・・なんかヴァル殿下、ドラゴンの事よりも〈ノリト〉に興味があるのか?
確かに扱える俺でもよく分かっていない技だし、そもそもどうしてシルフォ一族にしか使えない技なのか。
親父が昔、色々と調べた事もあったらしいけど、『里の中』では見つからなかったそう。
ただ、『里の外』に関しても、情報があるのかどうか分からない。
何故なら俺達人獣の大半が、人間から離れて生活していたわけだから、親父もそこまでは足を伸ばしていなかった筈。
ただ、里の外に情報がある確率は、零に近いと思った。人獣が一目に触れない段階で、可能性はほぼ皆無。
・・・・・そう思っていたのだが・・・




