ドラゴンの調査報告(2)
『疑問』と『謎』は 募り募り
そのドラゴンは 『モンスター』という類からは
どんどん外れていく
「2つ目は、『人を喰らい過ぎ』だった事。」
「・・・モンスターが人間を食べる事例は・・・無いわけではないですけど、『喰らい過ぎ』とは?」
「・・・通常、モンスターが人を襲う事はよくある事だが、食す事は稀だ。
だがモンスターがそのような行動に走るのには、『飢餓』や『天災』が影響している。」
「あぁ、そうか。
食べる物がなくなって・・・」
「そうだ。だが逆に考えると、飢餓や天災が起こらない限り、モンスターが人を食べる行為は必ずと言っ
ていい程やらない。
・・・だが、このドラゴンの場合はどうだ?」
「・・・春になったばかりなら、冬の間に不足した栄養を補充する為・・・とも考えられるけど・・・」
そう、今はもう、既にその時期は過ぎ去っている。
春から夏に変わる頃という事もあって、あちこちには春と夏の産物がいくらでも実っている筈。ドラゴン自身、何を食べて生活しているのかは分からない。でも兵士長曰く
「ドラゴンの発見情報はいくつかあるものの、人を食べた記録は殆ど無い」らしい。
にも関わらず、何故このドラゴンは・・・??
調査員が亡骸から発見した物は、『布の切れ端』『片方だけの靴』『人間の髪の毛』等。
異臭に耐えながらも、俺はその幾つかの物証をこの目で見た。確かにそれらは、人間の物でほぼ間違いはない。
体の中央辺りはコンの〈ノリト〉で見事に燃えて無くなってしまったけど、どうやら調査員は、残っている体の中にナイフを差し込んだらしい。
残酷に思えるけど、これもモンスターの正体を確かめるには必要不可欠な事。コンがこの場に居合わせなくてよかった気がする。




