第十八章 打ち解けるようで 打ち解けない
コンは アンの弟であるヴァルとも
良好な関係を持とうと歩み寄るのだが
なかなかうまくいかずに やきもき状態に
・・・うわぁ・・・凄いなぁ・・・
本のタイトルだけならまだ覚えられる範囲だけど、その本が何処の、何段目にあるのか、それまで記憶できるなんて、一周回って羨ましくなってしまう。
前世の私でも、何を何処にしまったのか、自分自身で分からなくなっては、部屋を引っ掻き回していた。
その光景は、自分自身でも滑稽だと思える。その上、その物忘れ癖が、転生した後も治っていない・・・というのも、また不思議な話。
山の地の利なら今でもしっかり覚えているにも関わらず、家の中にある物が、時折分からなくなる。
ちょっとした小物とかを探しては数時間を費やし、少ない本棚の中で目当ての本を探すのにも一苦労する始末。
そしてようやく見つけた目当ての物が、予想から大きくかけ離れた場所にあったり、すぐ側にあるにも関わらず遠い場所を探したり・・・
あぁ、私もあれくらい記憶力があれば、あんな無駄な時間も労力も使わなかったのに・・・
「その本は・・・私も興味があります。是非読ませてください!」
「・・・・・」
・・・アレ? また黙り込んだ??
うーん・・・
前にアンが言っていた、「アイツと俺とは正反対」という言葉の意味。それは色々な意味で間違ってはいなかった。
アンはどちらかというと、自分から話を切り出すタイプの、いわゆる『話のタネ』タイプ。
しかしアンの弟であるヴァルは、相手の話に軽く相槌を打ったり、若干介入するだけの、いわゆる『話の葉』タイプ。
もっとヴァルと色々な話をしてみたいけど、アンと一緒に話していると、どうしてもアンとの話に集中してしまう。
・・・でも、ヴァル自身もあまり話す事が好きじゃないなら、これ以上私が介入するのは、お互いの為にならないな。
ヴァルはウルシ君と若干似ている箇所があるけど、ウルシ君の場合、自ら関わりに来てくれたから、今はこうして他愛のない雑談でも盛り上がれる。
でもヴァルは、一向に私達の会話に入ろうとしない。介入したのは、あのたった一言のみ。結構ガードが硬いんだな。




