第十七章 コンは ただ困惑していた
殿下と陛下を前にした時だけ
雰囲気が一変してしまう兄を見て
妹であるコンは 戸惑いを隠せなかった
「せっかくだから、兄さんも巻き込んで着飾ってしまえばよかった。」
「それもそうだな。よしっ、今度『家族会議』をする際にでもやろう。」
「殿下・・・お許しを・・・」
絶対兄も似合うと思うんだけどな、やってみると案外スッキリするものだし、何だか成長できた気分になれる。
・・・あぁー!!
この世界に『スマホ』みたいな道具があれば、両親にも写真が送れるのにぃー!!!
前世の私は滅多に写真なんて撮らなかったけど、転生してからというもの、写真に収めたい風景や人物を、散々目にしてきた。
この世界には『写真』がないから、『絵』にして残す人が多い。実際、王室には専用の絵師が駐在している。
夕方頃に、私とウルシ君の晴れ姿を描き、里へ送ってくれるんだとか。
私は前世も踏まえて、絵なんて滅多に描かなかった上に、美術館にも行った事がなかったのだ。
だから、本格的な画家が描いた作品の、一体何処がいいのか、よく分からない時代もあった。
でも、今なら大昔に生きた画家の重要性がよく分かる。
写真がなかった時代、当時の風景や人物を鮮明に残せる事がどれだけ重要なのか、痛感した。
どんなに地道で目立たない作業だとしても、未来に貢献できる仕事はやっぱり凄い。
・・・私も『散る間際』
何かを残したかったな・・・
・・・・・・・・・・なんてね。
「彼女から君の話は聞いたよ。まだ未成年でありながら、気高い目標を掲げて、此処に来た事
も。
君の力量については、ちょくちょく貴族や王族の間でも話題になっている程だ。又の名を
『シルバーエッジ』とも呼ばれているそうじゃないか。」
「・・・すいません、初耳です。」




