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第十六章 国王陛下

恐らく、玉座の隣にある空の椅子に、本来なら女王陛下が座るんだろう。

お義父様が座っている玉座も豪華だけど、女王陛下の座る椅子も、なかなかに美しい。

お義父様の座っているの玉座に『金』を遇らわれているのと同じく、女王陛下の椅子には『銀』が遇らわれている。

そして、お義父様の左隣に立っている人物こそ・・・


「あの・・・貴方が、アンさんの・・・」


「はい、双子の弟の ヴァル と申します。今後、お見知り置きを。」


おぉ・・・確かに双子だ。雰囲気とか細かい点は違っているけど、顔立ちから身長、髪や目の色は完全に瓜二つ。

1番分かりやすい違いとしては、『目元』かな。アンの目はパッチリしているけど、ヴァルの目は細い。

そして、ヴァルは眼鏡をかけている。その姿は、兄のアンよりも知的に見えた。

姿も若干違うけど、声色も若干違う気がする。アンは、情の入った少し太い声だけど、ヴァルは凛々しく細い声をしていた。

まぁ、そんなの『そうめん』と『冷麦』と同じくらい、微妙な差ではあると思うんだけどね。


「そして、君は・・・ ウルシ だね。」


「はっ、はい・・・」


「ウジミヤの一件は私の耳にも入っている。私としても、本当に心の痛む事件だった。

 その上、君がその一件に終止符を打ってくれた事に関しても、我々は本当に申し訳ない気持ちでいっぱ

 いだ。

 元凶を突き止められなかった挙句に、その元凶と対峙させてしまった。君には、謝罪と感謝を両方を

 直々に述べたい。

 

 これも何かの縁だからね、君も此処で好きにしてもらっても構わない。

 君の『作品』を、王室の人々も楽しみにしている様子だから、私としても一品注文したいくらいだ。」

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