第十一章 豪華絢爛な世界
しばらく歩いていると、とある一室に案内され、そこは・・・『バスルーム』だった。
・・・あっ、そっか。着替える前に入浴しないと、せっかくの服が臭くなっちゃうな。
でも入浴なんて、この世界に来てから初めてだな。
フシミの里では大抵川に飛び込んで汚れを落としていたから、温かいお湯に浸かる・・・という感覚は、もうすっかり無かった。
前世の世界では当たり前だったけれど、うーん・・・複雑だな。
浴室を覗いてみたら、ちゃんとシャンプーもリンスもある。浴槽には、モコモコとした泡風呂がしっかり用意されていた。
この世界にも泡風呂ってあるんだな、前世の踏まえて初めて見たけれど、本当に泡ばっかりだ。
周りにいるメイドさん達は、私の服を脱がせようとしているけど、見た事のない服に混乱している様子だったから、もう自分で脱いでしまう。
「あの・・・すいません・・・
その服・・・捨てずにとっておく事は・・・できませんか?」
「承知しました。」
「それにしても・・・不思議な構造をしていますね。寒くないんですか?」
・・・確かに、メイドさん達は長袖なのに、私だけ半袖・・・というのも、何とも不思議な光景ではある。
そもそも布の質が全然違う、メイドさん達の着ている服の布地は薄くて滑らかだけど、私が今脱いでいる服は、硬くてしっかりしている。
何度も何度も洗っても、生地が弱くならない限り破れない。その上、生地が頑丈だから、冬でもあったかい。
それに、山をグルグル走り回れば、あっという間にポカポカになる。
そんな里の思い出に私が浸っていると、数人のメイドさんが、私の尻尾を見てくる。・・・多分、気になるんだろうな。
なので私は、一旦タオルを体に巻いて、「触ってみます?」と言って、自分の尻尾を掴んで見せてあげた。
最初はおっかなびっくりな様子だったメイドさん達だったけど、尻尾に触れた途端、頬の筋肉が和らいだのが目視でも分かる。
「うわぁー・・・すっごいモフモフ!!」
「卿の飼っている猫と同じくらいフワフワだわー・・・」
・・・といいつつ、かれこれ数分以上も尻尾に釘付け状態だった。やっと落ち着いたのは、あまりの寒さに私が大きなくしゃみをした頃。
フシミの里では、全員がこんな尻尾を持っていたから、何とも思わなかったけど、尻尾だけでこんなに親密な関係になれるなんて、一周回って嬉しく思う。
メイド達にいじられながらも
まんざらではないと思う コンなのであった




