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第十章 城を目前にして
「私も話でしか聞いた事はないので、実際にそういった機能が備わっているかは、魔術に長けている者に
しか分からないんですよ。」
「・・・・・」
いや・・・分かる・・・何故か分かるのだ。
これは・・・〈ノリト〉を扱えるシルフォ一族だからこそ分かる、一種の『遺伝』なのかもしれない。
見ただけではただの鉄柵に過ぎない。でも私の『勘』が、ピリピリとした感覚を感じ取っていた。
まるで、威嚇をする動物を見ている様な感覚。
触って確かめてみたい気持ちもあるけど、周辺を警備しているであろう兵士さん達も、鉄柵には触れないように気を遣っている様子。
「・・・アンさんの弟さん、凄いですね。」
「魔術学院も『飛び級』で卒業して、今では王室の公務の殆どを受け持っている。
この国の魔術技術は、アイツが飛躍的に伸ばしてくれたようなものだ。」
本当、二人の関係性って、『ザ・剣と盾』みたい。
私と兄は、両方とも『剣』だから、いざとなった時に『逃亡』や『防御』ができない。つまりどっちも『無鉄砲』なのだ。
血が繋がっているから、そうなってしまうのも仕方ない気もするけど・・・
やっぱり『性格』とかの関係なのかな?
・・・なんかちょっと複雑な心境。




