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第十章 城を目前にして

いよいよコンとウルシが

新たな生活を始める『拠点』を目の前にしたのだが・・・

王都歩きが慣れ始めたのも束の間。王都の中央に、巨大な建造物が目に留まった。

位置的にそこには『お城』があるのが定石。しかしその外見は、中世のお城とも、和風のお城とも言えない様な、独特なデザインであった。

外見はガラスで構成されている様に見えたけど、よくよく見るとそれはガラスではなく、結界・・・みたいなものが張り巡らされている。

さすがはファンタジーの世界、透明なのに透けていないなんて、その仕組みがまるで分からない。・・・〈ノリト〉でもこんな結界が作り出せるのかな?

結界も独特だけど、その外見もかなり不思議なデザインだ。

一見ビルの様にも見える、長方形の細長い建物に見えるけど、あちこちから見ていると、その形が単調な長方形ではなく、若干楕円型にも見える。

例えるなら、『ヨットの帆』

見る場所によって形が違う、そんな『トリックアート』を見ているような気分。面白いけど、ちょっと頭がこんがらがる。


「凄いだろ。

 この城はな、数年前に弟が『結界実験』の結果生み出した、歴とした城なんだ。

 モンスターが集団で襲来した時には、王都の住民を全員この城に押し込んで守る事もできる上 に、

 『実体を隠せる』術まで備え付けられているんだ。」


「・・・バカラさん、つまりどうゆう事?」


「認識されなくなる上に、城の中に入る事も、触れる事すらできない。これこそ、『最強の防衛』だと思

 うよ。」


おぉ・・・思った以上に凄いな・・・

透明になる上に触れなくなる・・・って、あのアニメで見た『秘密道具』でも使わない限りできない事だと思っていたけれど・・・

結界だけでも、そこまで多機能な事ができるんだ。スマホのアプリとか家電みたい。

・・・そうか、この世界では『化学』が全く浸透していない代わりに、『魔術』が浸透しているんだ。

更に、城を囲む鉄柵にも、アンの弟が施した魔術があるらしく、ちょっとした電流が流れたり、こちらも完全透明化させる事ができるんだとか。

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