表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/183

仕立て屋の娘は 勇気を振り絞る

「・・・ん?」


生まれた時からずっと仕立て屋の中で育っているから、相手の顔よりも相手の服装に着眼してしまうのは、完全に『職業病』としか言えない。

人獣自体、一体どうゆう場所で、どうゆう生活をしているのか、私も詳しくは知らないけれど、その服装も、今までに見た事のない不思議なデザインだった。

不思議・・・というよりは、ちょっと色っぽい・・・というか・・・

お洒落よりも動きやすさを重視している見た目をしている。その証拠に、彼女の足はまるで花の茎の様に細く長い。

女性であっても男性であっても、その足の長さは羨んでしまう。その上、上半身のバランスも完璧に近い。

私は今までに、何人かのお客さんの体型を調べてから、オーダーメイドの特注品を作った事があるけど、彼女の様な美しい体型の女性は、今までに見た事がない。

私も含め、当初は驚いていた全員の目線が、今度は一気に人獣の女の子へと向けられる。

それはもう驚きの目ではなく、憧れや惚れ惚れする眼差しへと変化していた。

その視線に気づいているのかいないのか、人獣の女の子は、兵士となった人獣の後ろへ隠れてしまう。

・・・ん??

何であの子、ずっと右手で胸元を握っているの??

怪我をしている・・・様子でもないし・・・


・・・もしかして


服が破れてる???




その考えに行き着いた私は、全力ダッシュで家まで戻って、店に置いてあったローブを引っ張って、すぐさま野次馬の中へと戻ってきた。

本当はお店に並んでいる商品なんだけど・・・

人獣の女の子が、抑えている胸元部分をずっと気にしている・・・という事は、『見られたらまず』いという意味。

仕立て屋の娘だから分かるのだ、抑えている胸部の布地が、切れている可能性が高い・・・という事が。

こんな大衆の目前で恥を晒したら、女の子にとってこの場所がトラウマになってしまう。

それは、せっかくドラゴンを倒した女の子による、裏切り行為にも近い。

それに相手は女の子、アクシデントになったら、心を病んでしまう可能性だって十分に考えられる。

それもまた、仕立て屋の娘であるからこそ分かる、『女の恥』というもの。

男の人はそれほど気にしないか、面白半分なのかもしれないけど、女の子は外見をバカにされたり笑われたりすると、それを一生根に持つ。

決して忘れる事のできない、大きな傷になってしまう。そんな話を、私は何人ものお客さんから聞いていた。

しかし それでも『職業病』からは逃れられない

コンがドラゴンを成敗した様に

娘にも娘なりの 『気遣い』があった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ