2話 評価がなければ死んじゃう国民
自転車で走りながら、橋屋のおっちゃんのことを申し訳なかったと謝り続ける。
しかしなんであの国民は、お金にがめついのかな。気にしてもしょうがないけどな。
ここはヤバいところだってところは分かった。明日早く国(村?)から出よう。
そんなこんなで走っていると、宿屋のいいところを発見した。
一軒家の住まいで「旅行客宿泊応募」とあるので、今日も遅いし泊めてもらおう。
僕「すみませ~ん」
僕が笑顔でドアを開けると、愛想よい対応で迎えてきてくれた。これだよこれ。
でも先程で少しトラウマになったので声をかける。
僕「あの、料金体制どうなってますか?」
おばあさん「料理…きんたま?」
僕「かぁ/// 料金!!!!!!!!?」
おばあさん「あ~、んでねえ、普通だよ」
僕「普通か…」ホッ
おばあさん「あ~」
僕「はい」
おばあさん「えぇ…。普通って言ってほしいんでか……」
僕「えっ」
おばあさんは一瞬暗い表情をすると、すぐにナマケモノのようなふにゃ顔に戻った。
おばあさんには失礼だが何だこいつは!?
一軒家のごく普通の何気ない家の一角で普通のおばあさんが出てきてああそうですかと応答したら、何気に意味深な発言をされたのだ!え、こいつがよくある最初に出くわしてラスボスなんてことないよな!?これテレビでよくある旅番組なんだが!!!?旅物語だぞ!?
まあ気にしてもしゃあないので、さっさとお食事をもらってお風呂に入って寝る。
だが寝る前に。
一軒家で家族経営なのだろう、小さい妹らしき女児が俺の部屋を勝手に開けてきて「お客さんだー!」とかわいい声を発した。
あまりのかわいさに合法的に頭を撫でる俺。思わず撫でているのに嬉しくなってしまう。
女児はうれしさのあまり走り回っては俺に子供らしい質問をかける。
何度か話をする内に女児がこう発言をした。
女児「亀裂の映画見たーー!?」
俺「今話題の映画だろ?」
こういう情報は、旅人から聞いたり、緊急時以外旅の雰囲気を守るためにあまり使用してないけどスマホでチェックしたりで理解している。
異世界と言えど電波は通るのだ。
見てはいないんだよな~。気になるけど。人情ものらしいと聞く。
このあと亀裂の映画の影響か、女児が俺の頭にパーンと殴ってきては応戦し、実に楽しい一日だった。