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判決、異界流し。  作者: ポク塚
二章 電撃入社事変
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カナデ編第二章 8話 二週間後

ブクマ剥がし、星五キャンセルはまじで悲しい……。

この心の傷は、新規さんにしか埋められねえっ!!


ということで、星が剝がされて悲しいので、新規の方々はぜひブクマ登録、星五をお願いします!!


あと、カナデ編第二章スタートです。

これについて僕は一応、第二章だけ投稿し終えてから本編に戻りたいと考えてるんですけど、もし前みたいに本編の幕間にカナデ編、みたいな感じの方がいい人は感想で教えてくださいませ。

 あの日から二週間が経った。


 ずっと敵としか思ってなかったルノー王国の人たちはみんな優しくて、レオさんの部隊の兵の人たちは、「大変だったな」とかの、慰めの言葉をかけてくれた。

 思わずおれが涙ぐんでしまったときに、背中をさすってくれた手は、誰のかはわからなかったけど、あたたかかった。


 兄ちゃんとユーリはハゲにやられた体を回復するため、入国後即、国立の病院に入れられたらしい。


 兄ちゃんは、背中に大きな傷を負ってしまったものの、病院の迅速な対応のおかげで大事には至らなかったという。


本当に良かった。

ハゲにあんなにやられて、ほぼ無傷なのは本当に奇跡だ。


きっと、兄ちゃんは畑仕事で体が鍛えられてたから、それが吉と出たんだと思う。今は結構元気が戻ってきていて、昨日の面会では、普通にたくさん話すことができた。


「カナデ、あの時は、オレのことを助けようとしてくれて本当にありがとう。おかげで今もこんな風にして、生きていられる」


……そんなことを言われたけど、実際おれはなんにもできてない。

助けてくれたのはレオさんだ。レオさんが、おれたちを救ってくれたんだ。




それで、ユーリの方だけど。


……ユーリがあの時目に負ってしまった傷は、一生消えないらしい。


兄ちゃんとちょっと違ってユーリは、病院に運ばれたのちすぐに手術された。なんでも、目が兄ちゃんの「背中」とユーリの「目」は、根本的なところから傷の種類が違うという。


後で聞いたところによると、ユーリの目は、運ばれた時点でもう使い物にならないほどずたずたになっていたらしい。

だからただ傷口をふさぐだけではなく、目の移植も行うために即手術が決定したんだ。


 目の移植は、大手術だ。

 おれなんて、「移植」っていう概念自体初めて聞いたんだけど、その中でも目の移植というのは特段と難易度が高いらしい。


大国のルノー王国でなければ、することすらできないだろう。


 結論から言うと手術は……成功しなかった。


 ユーリの左目には眼帯がつけられ、もう二度とその視界が戻ることはない。


 おれは、まだユーリと話してない。

 手術の後は安静にしていないといけないらしく、病室に閉じ込められたままだから、面会すら自由にできない。


 でも、いざ会ったところで何を話せばいいのかは考えてない。

 

 「目、残念だったね」? 「これから、大変だろうけど頑張って」?


 ダメだ。

 何を言っても、こっちがいたたまれない。


 ユーリがかわいそうだ。


 ……全部、戦争が悪いんだ。戦争さえなければユーリや兄ちゃんが傷つかなくてすんでたし、それに、母ちゃんも……。




 そしておれは、何もしていなかった。

 この二週間、まるまる何にもしていなかった。


 兄ちゃんが、ユーリが苦しんでいるとき、おれは軍の宿舎で兵士の人たちと話していただけだった。

 でも有益ではあった。これから、長い間一緒にいることになるであろう人たちと、少し仲良くなれたのだから。

 

 そんなかで兵士たちから聞いたんだけど、レオさんは前線総隊長という肩書を持った偉い人らしい。プラス史上最年少でそこまで上り詰めた、かなりすごい人だとか。


 年は兄ちゃんと同じくらいだと思ってたんだけど、どうやらあながち間違ってなかったみたいだ。


 レオさんは現在、12歳。

 兄ちゃんは、14歳だ。


 レオさんは、生まれた時からずっと軍の宿舎で育ってきた。

 兵士の誰も詳しいことは知らないらしいが、きっとレオさんの親に原因があるということだ。確証はないけど。




 今から、レオさんと会う。

 実は会うのは、あの日ぶりとなる。

 レオさんはずっと何かで忙しく、会えなかったのだ。


 レオさんは、おれの魔法の適性を調べてくれるらしい。


 どんなふうにして行うのかはわからないので、少し怖い気持ちはある。


 でも、まあまあわくわくするというのも事実だ。


 魔法。

 それには、怖いイメージしかなかった。

 人を簡単に殺められるもの、そのためにあるもの、と。


 でも、あの時のレオさんの魔法を見て印象が変わった。

 

 魔法というのは、ただ人を傷つけるためのものじゃない。


 人を守ることにも使えるんだ。

レオさんはおれを助けてくれた。

そしてあのクズを殺してくれた。


 とびっきり、格好いい魔法で。


 「タイマ」。

 おれの命を奪おうとしてきた魔法から、守ってくれた。


 「カルマ」。

 細いけど、決して脆弱じゃない炎の糸で、あいつの腹を貫いてくれた。


 すっごく、鮮やかだった。

 特に「カルマ」を使うレオさんは、おれがなりたかったファイアヒーローそのものに見えた。


 炎魔法を、使えるようになったらいいなあ。


 そんなことを思った。



 「ほら、カナデ。俺が案内すんのはここまでだ、しっかりやれよ」


 「ありがとう、レミーさん。じゃあ、頑張ってくるね」


 地下の訓練場まで案内してくれたレミーさんは、おうと言って帰っていった。


 レミーさんは、部隊の中でレオさんの次に入隊歴が長いおじさんだ。

 おれに対してすごく親切で、いつもいろんなことを教えてくれている。


 レミーさんの姿が階段に消えたのを確認し、訓練場の両開きの扉に向き直る。


 さて、行くぞ。

 おれの復讐への、第一歩だ。


 扉に両手をかけ、思い切り引いた。

 扉はゆっくりとあき、中の光が目に入った。


 「お……来たか」


 中ではレオさんが、篝火の真ん中で胡坐をかいて待っていた。


 手を振ってくれたので、おれも手を振り返して答えた。


 「レオさん、久しぶり! 来たよ……え?」


 しかし進んでいくと、違和感に気が付いた。

 レオさんの隣に、誰かがいる?


 火の光の陰で、顔が見えない。一体誰……。


 「……ゆ、ユーリ? ユーリじゃないか!!」


 そこにレオさんと一緒にいたのは、病室で安静にしているはずのユーリ。

 ユーリうなずくと、オレに向かって走り寄ってきた。


 「カナデ。俺も、戦うよ。お父さんの仇を、一緒に討とう」

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