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第64話 不気味な洞窟にたどり着きました

「竜魔王の住処(すみか)

 驚いたことにエミリーの口からその言葉が出ていた。

 そっか……エミリーはこの乙女ゲームをクリアしているんだ。

「エミリー様、もしかしたら竜魔王の弱点を知っています?」

「そんなの私が知るわけないじゃない。こんなに怖い雰囲気になってるって事も知らなかったもの」

 

 なるほど、そうかもしれない。私の常識……いや、ゲーム知識にも主人公と攻略対象のイチャイチャシーンしか浮かんでこない。いや本当に、何やってるのよ乙女ゲームのキャラたちは、生きるか死ぬかの瀬戸際でイチャイチャするんじゃない。


 私は頭を抱えていた。

 とりあえずゲーム通りなら、ここに聖女の結界を超えられるような魔物はいない。

「ダクラス、降ろして。少し休憩しましょう」

 ダグラスは、素直に私を降ろしてくれたけど、クラークから文句がでた。


「何言ってるんだ。早く行かないとまた魔物が……それに、夜になったら」

「ここには結界を超えられる魔物は出ないわ。そうですよねエミリー様」

 エミリーもデイミアンの肩から降ろしてもらっている。

 デイミアンにしがみついてはいるけど、一応大人しくなった。

「そうね。ここ、セーブポイントだもん」

 多分、聞いていた皆(ダグラス以外)意味が分からなかったと思う。ゲームなら保存(セーブ)さえしてたら、洞窟の中で死んでしまっても、またここからゲームを始められる。現実(いま)は無理だけど。


「まぁ、疲れ切って挑んで勝てる相手じゃないしな。あの岩の所で良いか? 休憩場所」

 ハワードがそう言って、皆そちらに移動した。

 キャロルとシンディーがアイテムボックスから、私のお店のお水を出して皆に飲むように勧めてくれる。


「で、あんたらは何で俺たちを追ってきたんだ?」

 そうクラークが訊いてきた。

 休憩の提案に乗ってくれたハワードはともかく、クラークの方は不機嫌だ。


「アイストルストの女王陛下の意向だ。俺は騎士だし、メグも今は軍属の支援系術者だ」

 ダグラスが、そう言った。ここで『聖女として』と言って、エミリーとトラブルになるのは避けたい。この2人……特にデイミアンにデリックの敗北を知られたら、何をするかわからないというのもあるのだけれど。


「なるほどな。さっき、あの騎士にも言ったけど、何かあっても俺たちは庇わない。ダグラスも俺たちを見捨てて良い。俺たちの保護対象は聖女様だけだ」

 クラークはちゃんとこっちを見ないで言う。野営テントで話した時もそうだったけど、私の事も聖女だと認識出来ていない。ずっと気配を隠していたからでしょうけど、光ちゃんが認識されたらまずい理由でもあるのかしら。


「この前と返事は同じよ。足手まといになったら、スパッと見捨ててくれて構わないわ」

 私はクラークに、にっこり笑ってそう言う。だって、そんなセリフは辛そうに言うものじゃないでしょう? ねぇ、クラーク。 

「おまっ」

 クラークが驚いて何か言おうとしてやめた。


「でもね。見捨ててくれても構わないけど、共闘した方が良いと思うの。バラバラに向かって行っても仕方が無いでしょう?」

「まぁ、それはそうだな。だが、ダグラスはメグの護衛じゃ無いのか?」

「そうだが。ここまで来たら竜魔王をなんとかしないと、見捨てるも何も全滅するからな」

 そう言ってダグラスは、デイミアンの方を見る。


 デイミアンが何か言う前に、エミリーが口を開いた。

「ダメよ。そばで私を守るのがあなたの仕事でしょう? 離れないでよ」

 エミリーが、必死になってデイミアンの腕にしがみついていた。

「私は、エミリー様が瘴気を払えるようにそばに仕える」

 デイミアンはそう言ったまま、目を閉じて休憩に入った。

 と言う事は戦力外……っと。まぁ、仕方ないよね。


 主力は冒険者の3人、ハワードがメインでクラークが2人分の武器への付与魔法を掛けながら戦う。

 キャロルは、攻撃が来るまで、魔力を溜めながら待機して、支援系と間違えて攻撃して来たところを狙い撃つのだそうだ。

 なるほど、支援系は真っ先に狙われるのでそれの対策なんだわ。


 それで今回、ダグラスは剣士2人の補助をする……っと。


 後方、支援術者は私とシンディー。

 

 私と光ちゃんで考えた作戦もあるのだけど、ギリギリまで言わない方が良いかな?

 ダグラスが怒り出したら、エミリーに作戦バレてしまうし……。

 失敗出来ない一発勝負だから。

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