SIPIUS 終編 溢れる涙と声
「レイト! サナさん、僕ら強くなってるよ
立って! 各個撃破だよ─── 」
「はぁ? お前ら、ふざけてんのか・・・・
強くなってる? さっき俺に負けたやろが」
「それでも立ってられる。僕らは世界の味方
貴方たちはこの世界の敵だから、
今から僕に倒されるんです、」
「倒される・・? ふっ、お前はやっぱり分かっ
てない。それこそ俺が負けるとしたらこいつや
どれだけかかったと思ってる? 強くなるのに」
「そんな直ぐ勇者様に力貸す世界なら俺が
壊したるわ。それでお前も殺す──── 」
「アマストルタの零白王、リュウ・ハクエイ
この手でお前を殺してやる!! 」
閃激、紅く見える彼の武器 青竜刀は
今、常人が眼に出来る遥か先のスピードに変わる
「速い──! だけど、今の僕なら見える!」
閃激は赤から青に変わりスピードという概念すら
超え始めていた。
「僕は武器、この手にあるのは写しだ
陰と陽、影は肉体が触れられない唯一の場所
陽は影が存在出来ない明るき場所、二つは一つ」
覚えたての技など我にとっては赤子同然!
戦場で死に行きながらも磨いた技こそが我を倒す
「貴方の言葉、心に響きました───」
なぁ、 キング君・・・ 私はこう思うよ
敵こそが最高の師だとね、まぁ私の独り言だ
「師匠─ やっぱり貴方は正しかった 」
「ガァッ──!! ハハハ! 才能には負ける
結局、何処でも変わらないんだな! 」
全身が血だらけの男がキングを掴む
「なぁ・・・ アンタのお陰で良い死に方だったよ
俺はぁ! この世界の審理を知った、神さんよ」
「なぁ・・もし・・・ もしもだ・・・
他の六人を殺さないでくれたら地獄に行ったって
俺は構わない。っていうか落ちるか地獄に──」
「特に── カサとシズクは・・・───」
彼が死ぬ直前に言葉を言った時、きっともう
死んでたんだろう── けど彼は僕を強く
掴んで離さなかった・・・・ レイト、サナさん
「なんでだろう── 僕はこの人達を殺せない!
「僕は── 今、泣いてるんだ・・・・」
「チッ、この程度に苦戦するとは!
認めたくはないが撤退だ。このままでは殺される
「待ってください、先生! まだ僕はいけます」
「だが、他が持たないだろう・・・」
「そんな奴らは放っておけばいい!!」
「あんな男でも・・私の友だぞ! その家族を
私は見捨てる程地に堕ちてはいない、貴様は?」
「僕、ぼ、僕は先生に従います・・・・・」
「撤退だ! 貴様達にこれ以上、危害は与えない
全ては貴様達次第だが我々を逃がしてくれ──
「我々は敗北を認める!」
「へっ── そんなの信じられるかよ
サナさん。アイツらはここで殺しましょう・・・」
「愚かな・・ ここまで能無しとは!」
「いいや、レイト── 彼等は逃がすべきだ
僕は慈悲でも狂ってもいないよ、だけど 」
「プライドの塊みたいだった彼が言ったんだよ
僕らも疲弊してる彼等だってそうだよ、」
「だからいま殺すんだろう!?」
「違う、いま戦争を終りにするんだよ」
「助かった───」
「貴方が言ったからじゃない彼が僕を変えた
感謝なら彼に言うんだね、」
「フン、そんなものは昔からしているわ!!」
「本当の貴方が出てきた、自由は良いでしょ?」
「フフフ、あぁ・・ 堪らない───」
「待ちなさい。アマストルタの七王── 」
「なんだ── あの化け物は!!」
「聖務はどうしましたか?」
「あぁ──グッ・・・」
「あの、かみさま"私が説明するから」
「どうしましたかシズク、聖務の事ですね」
「実はリュウちゃんが死ん────」
あ、あ、アイツ!何してんだよ、仲間を殺した!
「シズク! 貴様ぁ・・・!」
「待て!」
「人が神に反逆するか! ならば死を!!」
「あ、あ・・ なにしてんだ・・?」
「レイト! 早く逃げなくちゃ!!」
「俺──」
「レイトッ!!」
ハッ──
「レイト! レイト!」
「起きたようだね、良かったよ上手くいって
レイト君なら大丈夫だよ。サナ君もね、保護した
「説明もしたよ。君が最後だよ説明がいるかな?」
「──もちろん、何があったんですか?」
「・・賢者達には色々な能力があってね
例えば、西の賢者である僕はこの世界の異常を
素早く検知出来る。それがどんなゲームでもだよ
「それで───」
「ああ、君を助けに来たんだ。違うか正しくは」
「僕とレイトとサナさんを助けに 」
「そうだね、それが正しい言い方だ 」
「君達は・・・あのままなら確実に死んでいた
もう、あんな危険は止めてくれ 最も今回は
ゲーム開始直後に七王が揃い、かみさまが来た」
「それは異例中の異例だけどね。でも君は
逃げ延びれた筈だよ、二人を見捨てればね・・」
「僕は誰も見捨てない」
「わかってるだから君を選んだんだよ、
だけどこれからはその甘さを捨てないと・・」
「本当に救いたいものが救えなくなるよ──」
「どうして助けてくれたんです?」
「何故かなどこかで・・君に救われると信じる
僕がいる。君にはそれだけの何か"があるんだ」
「それが理由じゃないでしょ──?」
「そうとも、だけどそうも思ってるよ
あぁ──君がこの世界を救ってくれたらとね」
「まだ、時間はある悪い事は忘れて楽しみなさい
「僕はいつでも君を見守ってる。信じて欲しい」
「今日の事はありがとうございます」
「ああ、やっとこれで分かったよ── 」
「ふふ、独り言さ── 僕のね」




