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眠れる異世界の転移者  作者: ひなはる
プロローグ
1/4

就寝前(プロローグ) 眠れる普通の高校生

「おい眠目ァ! 授業中なのにまた寝てるのか!」

俺の名前は眠目夢太郎(さっかゆめたろう)。苗字が珍しいこととある習慣を除けばは至って普通の高校生だ。『眠目』という苗字は非常に珍しい。北海道出身の人にしか見られないという苗字で、しかも10人くらいしかいない。まぁ俺の場合、親父がその苗字で俺は生まれも育ちも北海道とは関係のない東京で育ったんだけどな…っと、無駄話はそれくらいにして俺にはある習慣がある。それは

「おい眠目の奴、また授業中に寝ているぜ!」

「こいついつも寝てるよな」

「流石眠り姫だけあるな」

 そう。俺は常日頃寝ていないと気が済まないのだ。いや、だって眠たいときに寝ないとやってらんないだろ!? で、授業中だろうと休み時間だろうと寝ている俺についたあだ名は…『眠り姫』だ。男なのに

「ったく、しょうがないな。眠目は…」

 さっき寝ている俺に対して怒鳴った先生は呆れたのか、普通の口調に戻っていた。授業中にも寝てまともに授業が聞けるはずもなく、出席点以外の俺の成績は恐ろしく悪いビリから五番目だ。今までのテストの追試は一夜漬けとエナジードリンクで乗り切っている。

(はぁ…寝ているだけで頭とか良くなったり、偉くなれたりしないかな)

 俺は先生やクラスメイトの声に全く耳を向けず、実現しないであろうことを呟いたのを最後に、意識が夢の中に入った。


                   △


「…覚めよ」

「…」

「目覚めよ…」

「んっ…」

「目覚めよ!」

「後5時間~…」

「目覚めよ!!!」

「おわっ! 悪かった先生!授業中に寝る時間5分だけ減らすから許してくれ!」

 俺はまた先生に大声で怒鳴られて目が覚めた。俺は流石にまずいと思いなんとか許してもらおうとした。

「先生? 生憎私は先生ではない…私は女神ヒュノプスだ」

「はぁ…女神さま?」

 よく目を凝らしてみたら目の前にいるのは金髪ロングの女だった。その女はファンタジー系のアニメに出てきそうないかにも女神って感じの格好をしていた。まぁ…女神って名乗ってっからそうなんだろうな。

「突然だが、お前を異世界に送ることになった」

「は?」

 俺は突然訳の分からないことを言われて困惑した。

異世界というのは聞いたことがある。最近流行りのラノベやアニメに出てくるアレだ。普通の人間は自分が異世界に行くなら『チ―ト能力でモンスターや魔王をぶっ倒して無双する!』や『モテモテハーレム!』とか想像するだろう。だが俺は

「いや女神さん、そこは勘弁してください。俺は一日の9割を睡眠で過ごしたいんですよ。別にチ―ト能力があっても戦う時間とか無駄だし、女に構う時間も無駄…そんなのに時間を使うくらいなら誰にも邪魔されない世界に一人で寝たいですよ」

 異世界に行くことを拒否した。そもそも別に強くなる必要なんてないし、女にモテようとは思わない。てか、俺の睡眠を邪魔する奴はモンスターだろうが女だろうが許さない。俺にとって睡眠はそれほどなくてはならない存在なのだ。そして

「それと、初対面の人にお前呼ばわりはないんじゃねぇのか?」

 俺は女神のお前呼びが気に入らず、立場を忘れてつい言ってしまった。

「なるほど。戦わなくてもいいしモテなくてもいいから誰にも邪魔されずに寝たいと…」

 女神は俺の意見を聞き、じっくり考え始めた。

「では、異世界に転移するにあたってお前にこのチ―ト能力を授けよう」

「おいコラ俺の話を聞いていたか?」

 俺は考えを変える気のない女神に少々苛立っていた。いらんチ―ト能力与えてこようとするわお前呼ばわりは直さないわ…話にならないぜ。

「お前は寝ることが大好きなんだな。だったらその眠るということを生かせばいい。眠目夢太郎…お前には予知夢という能力を与えよう」

「はぁ? だから俺は…」

「レッツ異世界!」

「うわあああああああああああああああああああ!」

 女神が指を鳴らした途端、突然地面が消え、俺はそのまま落下した。

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