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91イベント戦闘

 盾を構えて相手の攻撃を防ぐ。そこまで強い攻撃ではないので手が痺れるような事はない。


「うぉりゃああ!」

「これでどうだ!」


 少なくとも向こうでやっている村長と傭兵たちの人間をやめているような戦いの威力はない。俺は子供たちを守ると決めたので、ここから動かない事を前提にしているのでどうしても守りしか出来ない。早く誰か戦い終わって防御に回って欲しい。

 守りを重点にしつつする攻撃となると俺の場合突きになる。盾を構えて防御しつつ隙がある様なら刀を突きだす。騎士団の話だったか、堅実初歩的な戦い方でこういう戦い方があった。

 もちろん俺だけが守っている訳ではない。メイドさん達はロゼ達を気にしつつ戦っているし、黒天狗さん達も時々こっちを見て確認してくる。もしかすると俺も守られる対象になっているような気がしなくもない。


「ナント、そこ突きっ」

「いや、シールドバッシュじゃ」

「危ない避けろ」


 後がうるさい。自分が戦ってないから興奮しているのは分かるけれどそれを聞いている暇もない。相手の攻撃手数が増えてきたのだ。


「電気突き!」


 俺は攻撃力を上げるためにアーツを使用する。まだ必殺技を作っていないので名前は適当です。

 現在俺が戦闘中使用するために持っているアーツは3つ。弓と守り以外に何があるんだと言われそうだがちゃんと作るだけは作っている。ステータスウィンドウから作ったアーツをセットで登録する、ゲームにはよくある設定だ。

 現在の護衛任務で、俺の弓の腕だと使うのが逆に危ない。弓の代わりに刀のアーツをセットしていた。 使用スキルは≪刀≫の突きスキルで「中心突き」、雷系魔術の麻痺で「エレキ・パラライズ」、≪命中≫のスキルで「範囲拡大」の次、「精度上昇」だ。「精度上昇」は名前の通り当たる場所の幅を狭める事が出来る。

 単に≪命中≫だけだと、例えば羊を狙った場合、射った後頭に当たるか尻尾に当たるかは運任せになっている。「精度上昇」を使えば少なくとも頭に当てる事は出来るようになる。それが普通の射撃だと言われると思うが、リアルで弓道をやっている訳ではないので的自体に当てるのがスキルの補佐がないと難しいのは当たり前です。

 特に俺が現在やっている方法は上へ打ち上げて勢いを増す射ち方で、狙いその物は「目標固定」スキルに任せている。定めた範囲を攻撃しているのだ。これを変えたければ≪必中≫センスを取れば良い話になる。

 個人的な意見としては、≪必中≫センスは一点を集中する攻撃に、≪命中≫センスは範囲を定める広範囲攻撃に向いていると思う。狙い撃ちをしたければ≪必中≫を使えと言う話になる。

 そして「精度上昇」のスキルで俺が狙っているのは相手の関節だ。重装備の鎧はおおわれている部分が多いので鈍器で殴るか関節の鎧で覆われていない場所を攻撃するとどこかで見た。実際に胴体の真中を狙っても弾かれてしまうのでちまちまとした攻撃を実行している。時々は「シールドバッシュ」で殴る系統の攻撃も混ぜる。

 ファンタジーなので関節を覆っている皮もモンスターの頑丈な物だったりする事もあるそうで、初心者の刀とアーツで効くかどうか。電気を通して麻痺を狙っているのがせめてもの効く攻撃だろう。相手が感電すればもうけもの、ぐらいの考えです。

 そしてついに相手に麻痺が効いて動きの鈍る時が来た。しかし刀で突くのはやめません。他に攻撃の効くような物でもなさそうなのだ。アイテム自体にはこの前仔馬に投げる物がなかった時結局ペット化の石を投げた反省に、拾った青銅の斧なども持っている。それでもその武器の為のセンスがないので材料が浜で拾った青銅程度では初心者の刀でもアーツを使う方が強いという現実だ。


「ありゃま」


 攻撃を続けつつ守りを任せられる人が来ないかと待っていると相手が倒れて消えていく。手ごたえのある良い一撃が入ったとは思ったけれど相手を倒すほどダメージがあるとは思わなかった。しかもアーツでなくて「シールドバッシュ」が相手の顎に決まりアッパーカットになった。倒す気がなかったので間の抜けた声が出る。ついでにせっかく作ったアーツではなくスキルで倒してしまった事に何かもやもやとした気分だ。

 流石初心者用イベントの敵だ。そこまで強くない。いや俺が相手した普通の重装備のこの敵キャラが強くないだけだ。呪われた鎧を担当しているプレイヤーは俺より強いのにまだ戦っている。


「ナントやるじゃない」

「だから言ったのう、空旅人はそこまで弱くないと」

「魔術が凄いのは知ってるよ」


 三人組の評価が後から聞こえる。そういえば前にリゴブリンをユーの前で倒した時は魔術を使ったんだった。今回はイベントという事もあるのでどれだけ強いのか弱いのか分からない。


「ナントさん、戦いが終わったなら私達と交代して敵と戦ってください」


 エーナさんの声に顔を向ければ、自分の相手は倒し終わったメイドさんがロゼ達を囲みつつ後からやって来る敵を倒していた。


「どりゃーっ」

「くらえっ」

「当たるかよっ」

「当てる!」


 まだ戦っている村長兄弟はまだかかりそうだ。


「くそっここまで手練れを揃えているとはっ」


 半分くらい偶然ですよ。ログアウトしていた中に手練れのプレイヤーが多かったという話です。イベントだからこそ恐らく村長や護衛のメイドさんの数で調整していると思うが、俺自身は何人いるか知らない。

 プレイヤー達は目の前の敵NPCを倒して、リゴブリンの方に向かっている。


「ヒャッハーッ。リゴブリンの無限沸きだ~」

「我が熟練度になれい!」


 なんか違うような気もする声もあった。そうか、強かったらここは稼ぎ時何だな。俺には無理ですが。それでも俺も、隙間を抜けたリゴブリンが襲ってきたら戦っていた。それなりに戦えるのは俺も少しは成長したのかな?


「何をやっている」

「エヴァ様」


 おや、今頃キャラの追加が来た。しかも幹部のようでローブこそ今までいた指揮官キャラと一緒だが女性な上に偉そうだ。

 こういう場合イベントだと撤退を告げるか戦闘に何か追加されるかというパターンが予想される。どっちかが問題だ。


「早く王家の血をひく者を連れてくるのだ」

「しかし、こうも手練れに囲まれていてはこちらのリゴブリン召喚だけでは手が出ません」


 こういうシーンで良く思うけど、大声で話し合う事ではないよな。


「仕方ない。私が手を貸してやる。いでよ」


 エヴァという女性の声が響くと同時に巨大魔法陣が地面に浮かび上がる。


『グルワウガァーーーッコ』


 巨大なリゴブリンの武装したような巨人が現れた。


「何だあれは」

「すごく大きい」

「むう、強そうだの」

「すっげ、すっげ」


 俺の疑問に続いた3人組は言葉がないようだ。


「おい、あれが何か知っているか?」


 黒天狗さんがエーナさんに声を張り上げる。


「分かりません、しかし、見てください、あれはリゴブリンを吸収しているのか合体しているのか、リゴブリンの数が減っています」


 おや、そういえば。そしてプレイヤーの中にはリゴブリンへの勢いそのままあのでかいモンスターに挑む人がいる。


「見よ、リゴブリンの伝説、リゴ武神だ。これを使え。そして、さらに」


 まだ何かやるらしい。なんて名前だ。


「はあっ」


 何か光の輪か並みのような物が広がっていく。


『「精神魔術:コンヒュージョン・リング」が発動されました。プレイヤー名:ナントは防御に失敗しました。精神異常が付与されます。称号:「狂戦士」により精神異常は狂戦士化を選択できます。選択しますか?』


 何かまた訳の分からない事が起こった。「狂戦士」の称号は精神異常の時その異常が何か選択できるようになるのか?他にどんな称号があるのか分からない。しかし狂戦士と言えば要は回復アイテムが使えないようになるだけだったはず。知らない人より知った鬼いや違うかな?とにかく多少でも慣れている方がいいと考え、俺は狂戦士化を選択する。


『精神異常へ称号:「狂戦士」での異常選択が行われました。状態異常:憤怒が選択されました』


 さて、どうなるんだろう。俺は自分を見る。特に変化があったようには見えない。周囲を見れば、他のプレイヤー達は人によりさまざまな精神の状態異常が発生したようだ。


 俺が知っている精神の状態異常は


 混乱…行動がすべてランダムになる。他の精神状態異常と重なる場合もある。

 恐怖…精神防御が極端に下がり、行動不能になる。

 魅了…異なる性別の相手に攻撃が出来ず、魅了された相手に従う場合もある。


 などの有名どころだけだ。憤怒なんて狂戦士化専用のような状態異常があるというのはオープン版になって増えたという事だろう。


「あばばばば」

「うごごごごご」


 あれは俺と同じ狂戦士化か混乱だろう。周りのプレイヤーに襲い掛かっている。


「リア充撲滅!」

「ハーレム男殲滅!」


 えーと。あれは混乱しているのかどうなのか。PKにはカウントされていないから恐らく精神魔術が効いているんだと思う。でも狙い自体は普段妬んでる相手に向かってるような気がする。女性プレイヤーとパーティ組んでいる男ばかり狙っているのが特に。


「ミンファ、君の事が好きだ。結婚してくれ!」

「まて、彼女が好きなのは俺もだ、誰が渡すか!」


 何故か告白合戦が始まっている所もある。あれは状態異常は魅了か?それとも新しく発情か何かできたかな。

 精神の状態異常というのも結構ある物だ。勿論、普通に混乱して動けないプレイヤー、精神防御が高かったのか防御姿勢をとるプレイヤーと色々だ。プレイヤー同士の戦いを防ごうと言うのか眠りの粉みたいな物を撒いているプレイヤーが居た。長い人はこういう事にも慣れてるんだろうな。


「ぐおりゃぁぁぁ!」

「だっだっだっだ!」

「モンゲラー!」

「バルガナキャーッ!」


 まずい、村長達の方も混乱か何かにかかった様だ。訳の分からない声をあげながら暴れている。その矛先が巨大リゴブリンに行っているのでまだ安心だが、いつこっちに来るか分からない。あんな村長と戦うのは嫌という以外のなんでもないな。

 状態異常、憤怒に俺はかかっている。別の精神の状態異常にかかりそうだったのが称号:「狂戦士」があったのでもう一度抵抗するかと聞かれ、成功したらこうなった。これも精神系の状態異常の一つなのでそういうポーションを使えば直るだろう。問題は俺がそれを持っていないという事です。

 掲示板で聞いた限りだと毒消し、麻痺直しの様に一種類だけの専用ポーションはある。複数の異常解消が難しいそうで、大体前線組という攻略している大手パーティの専用生産職が作っては前線に送っているそうだ。こっちには回ってこないという愚痴があった。

 精神の状態異常については混乱のような有名どころは普通に売っている。今回は見た事がない、マイナーだった、という精神異常が多い。そういうダンジョンを攻略してない限りで回っていないと思う。

 どっちにしろ持ってないから現在をどうにもできません。

 俺の現在の精神状態としては、イラつく、むかつく、悪い記憶が内から沸いて出るような気がする。暴れたくなる。目の前の相手を殴りたくなる。盗んだバイクで走りだしたしたくなる。ような気がする。

 気がすると言うのは、これがゲームだからなのかどうか、俺の意識はまるで幽体離脱でもしたように俺が俺だと認識している部分が外に出ているからだ。自分でもよく分かっていない。

 別に自分の後頭部が見えるという物でもなく、ただ自分の体の自由が効かない、俺の意識担当部分が切り離されて、体担当?部分が見える。やっぱり表現がうまくない。どういえばいいんだ。

 俺がそんな事を考えている間に体は少し顔をうつむかせ、だらんと力なく立っている。しかし刀と盾はしっかり握って震えている。


「リ…リリィ…」


 狂戦士は呪われた島方式なのか?俺の口から変な声が出ている。意識が分離しているから周囲の様子も見える。恐らく狂戦士化しただろうプレイヤーが暴れまわってる。


「ギャオス!」

「カツドン!」


 掛け声は本人の性格か記憶かによるようだ。よく文だけで表現される謎の声にしか聞こえない声を上げている人も居る。


「ナント。大丈夫?」

「下がりなさい、ジュリア。ナントは精神異常の術にかかっているようです。あの顔からすると狂戦士化でしょう」


 寄ってこようとしたジュリアをイーナさんが止める。顔で分かるのか。どういう顔なんだ。


「ビーナ、何とかもどせんかの」

「申し訳ありません、無理です。現在張っている結界で手一杯です」


 メイドさん達は精神異常の魔術にかからなかったようだ。それは良かった。結界という光の魔法陣が足元で輝いている。ビーナさんはやはり神官か何かだろう。メイドさん達は襲ってくるリゴブリンやプレイヤーを撃退している。だからか俺にも剣を向けているのが怖いです。

 俺の体…面倒だ、「俺」としておこう。「俺」が声を出すのをやめた。俺だから分かる。これは攻撃にかかろうとしている。狙いは体の前方向だからジュリア達。まずい。ここで少女に攻撃してもメイドさんに撃退されても俺の精神にトラウマが残る。

 俺は大慌てで「俺」へ向かって声?テレパシー?で押しとどめる。俺は体が動かないし、こういう事しか出来ない。


「回れ右!」


 前方向に突撃するというなら方向転換させようとしたが駄目だった。


「まずい、まずい、まずい」


 リミットがいつか知らないがだんだんと腕が上がっているのがまずい。よくあるパターンだと腕を上げてか構えてかしてから咆哮するだろう。


「こら待てお前村長と戦いたいのか!」


 慌ててある意味関係ない事を言った途端、びくりと「俺」の体が震えた。効果がある。具体的な事を言えばいいのか?


「ジュリアを傷つけたいのか!」

「ユーを傷つけたいのか!」

「ロゼを傷つけたいのか!」

「メイドさん達に倒されたいのか!」

「村長に倒されたいのか!」

「壊した家を弁償させられたいのか!」


 どれが効いたのかは分からない。最後に言ったのが我ながらケチだ。そしてそれに反応して体の方向を変えたのが何か納得いかない。


「ウールララララーッ」


 「俺」は何か分からない言葉を叫び声をあげてリゴブリンの方へ突撃していった。まずは一安心。


「行っちゃった」

「こちらに来なくて良かったです。来たらシャイニング・ブラストを叩きこまないといけませんでした」


 ジュリアに答えるエーナさんの声が怖い。戦いにならなくて良かった。


 「俺」は突撃してリゴブリンの群れに突っ込む。目の前180度すべて敵だ。存分に戦える。目標があると逆に楽だ。身体は半分自動で動いているような物なので自分の身体とは思えない攻撃が繰り出されている。現実なら筋肉痛必至だ。

 斬る、切る、キル。まるでリゴブリンが玩具の案山子の様に倒れていく。俺が無双ゲームの動きが出来るとは思わなかった。これは気持ち良い。狂戦士なので刀は振り回し突き攻撃を、盾は守りには全く使わずに殴る事に作っている。

 いつもの俺の戦いが守り重視なら攻撃しか考えていない攻め方だ。弟に狂戦士化しても意識を保つ方法を聞いておこう。やる事が無くて突っ込んでいくときは、俺はこういう風に攻撃だけで戦うのが好きだ。


「ぐるおぅわ!」

「ジュースジー!」


 同じように狂戦士化したプレイヤーとかち合った。戦うのはまずい。どちらにターゲットを絞っていると言いう訳ではなく。ぶつかったら叩きあうような状態だ。あの戦いに入っていったら武器の性能から言って大ダメージを食らう。

 「俺」を止めなければいけない。さっきと同じ方法で止まるのか?


「プレイヤー戦ったら一撃で負けるぞ!」

「相手を倒しても気分が悪いぞ!」

「イベント優先だろう。戦っている場合か!」

「武器や防具を壊したら弁償だぞ!」


 言った順番が悪いのか俺の本性が出ているのかまた金の問題で動きが止まる。


「あ痛っ」


 動きが止まったところにリゴブリンから攻撃を受けた。目標をリゴブリンに変えて攻撃だ。尻に穴が開いたらどうする。俺の恨みも籠っていたせいかいつもより強い一撃が出た気がする。

 「俺」の狙いがリゴブリンの群れに移った。これでしばらくは大丈夫だ。

 「俺」は次々とリゴブリンを倒していく。ああ、明日は筋肉痛だ。いやゲームだった。普段出来ない動きをされると普通に心配になる。ちょっとどうにかならないかやってみよう。


「止まれ止まれ、止まれ」


 強く念じてみる。何もならない。


「右方向に突撃」


 これは通じたのか?左に突撃した。いくつか試してみると、思念が通るのかどうかがまず一つ、その通りに動くのかどうかが一つ、成功判定がある様だ。とはいっても俺はこういう事の検証方法を知らないので実際はどうなのか知りません。

 ただ攻撃の合図は意外と成功率が高かった。狂戦士として戦っているせいだろう。基本狂戦士なので暴れていて、盾で殴り剣で斬りの防御を考えない攻撃だ。俺が思念でアーツを使えとしつこく電波を送るとアーツを使う。守り用のアーツは全く使わない。魔術も使わない。魔術は頭が必要だからか?

 攻撃だけとはいえある程度動きを操作できそうなので暴れても大丈夫な場所に移動したい。リゴブリンの群れの中も他のプレイヤーがいてぶつかりそうになった。


「ジュリアー!」


 孫への思いを叫んでいるのか狂戦士化しているのか分からない村長にもぶつかりそうになる。

 視線は「俺」の体の見た物に限定されているので周りを見渡すのも面倒がかかる。目の端に巨大な物が映ったので思い出す。そういえば巨大なリゴ武神とかいう物があったんだった。あれなら目の前を攻撃し続ければいいからよそ見も出来ないだろう。

 良し、目指すはあの巨大なリゴ武神だ。「俺」は目標へ向かって突撃した。

 リゴ武神は立ったままそこにいる。ある程度したら動きそうな物だが何故立ちぼうけしているんだ。


「百一匹、百二匹、百三匹。っとどうだ百匹超えたぞ」

「今百五匹目だ。俺の勝ちだな」

「うむ、二百匹倒せないのか」

「「負けた」」


 リゴブリンの狩り競争を立っているプレイヤー達が居た。リゴブリンは俺でも一撃で倒せるから数を競ったんだろう。

 それを別にしてもプレイヤー達がリゴブリンを倒すスピードは速い。


「『我は命ずる。一粒より作られし物、ぐ』ごほっがほっ喉が痛くなってきた」


 何かリゴ武神の近くでリゴブリンを召喚している敵キャラがむせていた。敵ながら大変だ。出したら出しただけ倒されていく。

 そしてリゴブリンを吸収してリゴ武神は巨大化していくようだ。目の前でリゴブリンが吸収された。

 グロ注意というほどの物ではなかった。どちらかというとアニメで透明人間キャラが透明になる時の様にだんだんと姿が消えて枠線が見えなくなりというような吸収のされたかだ。

 「俺」もリゴ武神の足元に着いた。早速刀を振るって攻撃を開始する。

 吸収されつつあるリゴブリンは普通に倒しても駄目なようで、倒した端から吸収されていく。これはリゴブリンが吸収される前に倒さなければいけないようだ。リゴブリンがリゴ武神の体に触れば吸収される事が決定されるようで何匹か倒したと思ったら吸収された。

 逆にリゴ武神の方はというと、まるで薄皮を剥ぐような作業を繰り返している。切った場所が年輪のように、十二単の様に、薄皮がはがれていくように削れるだけで血は出ない。それは運営に感謝だ。


「リリリリリリィ!」


 俺の刀が唸ってリゴ武神の脚が削れる。しかし巨大なので俺が攻撃している場所以外では普通に吸収されていく。切った分だけ後ろ側が厚くなるという一種のいたちごっこだ。


「おのれ、まだリゴ武神は完成しないのか」

「頑張って召喚しているんですが、このありさまでして」


 さっきむせていたキャラが上司らしいキャラに説明している。


「仕方ない、エヴァ様に何とかしていただこう」


 おや。何か変化がある様だ。「俺」が切り続ける間にもリゴブリンは減っている。さらに増えるとなるとイベントの終わりが見えないな。



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