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79センスを考えます

 初めて泊まった木の洞は寝心地が良かったです。

 ペット化したうえ小人族が宿として使うセンスを組み込んだ木の洞なのでサバイバル系のゲームと比べると天と地の差がある。あれは酷かった、寝て起きたら蛇が咬みついていた事があった。今はベットも何もないただの空間だったけれど十分だ。

 床は生木なのに平坦で剣道なんかの道場で寝るとこんな感じかもしれない。こちらは生の木でワックスをつけている訳ではないから柔らかいような気がする。でもごつごつしていて芯は硬くもある。勢いよく寝転ぶのはきついか。

 そして意外な事にここはアイテム整理は大きさの都合か出来なかったがログアウトとセンスの整理は出来た。中々凄い。ユウリと別れるときは俺もこれをペット化しておこう。


「ところで、ここの中には家具をどうやって入れるんだ。ユウリが入れないなら自分で買うけれど」


 ドールハウスみたいな物を作るのが得意な生産者なら作れるはずだ。


「そうね、村で買っておいてあげるわ。寝る所と机、椅子ぐらいで良いかしら」


 アイテム整理は出来ないから箱の類はいらないな。


「お代は…アイテムしかないな」


 貨幣は使えないから何を上げるか悩む。そういえば丁度いいのがあった。


「ちょっと外に出てみる」

「何するの」


 もしもの場合に備えて外に出た俺はそのままアイテムボックスから仔馬産サファイアを取り出す。


「巨大化しないな」


 プレイヤーのその時の大きさに比例するのか?


「また死に戻って無くなりそうだから、これをあげておこう」

「わ、何これ。凄く綺麗」


 レアらしいボスドロップだから凄いのは凄い。


「ビギの草原のボスドロップ。いくつかあるからお代代わりにしてくれ」

「絶対もらい過ぎよ」

「いろいろお世話にもなってるし、気にしない気にしない」


 レンジへはどれだけかかるか分からないが、レンジの小人村も案内をしてもらおうと思うから先行投資だ。


「それじゃあ、今度は王都案内の時に」

「そうね、それまでにはもうちょっと部屋も何とかしといてあげる」


 巨大化する。周囲に人はいなかった、確認するのを忘れていたな。小人族の事なんだから気を付けよう。出た場所はカラーズの裏山、木は以前まで歩いていたのにペット化すると歩く能力が無くなるのだろうか。

ユウリと別れてついに王都へ到着する。宿はとった方が良いのか?ついでだから以前来た時泊まった獣人の宿屋に泊る事にする。


「こんにちは、部屋は空いていますか?」

「あ、いらっしゃい。空いてますよ、どうぞどうぞ」


 この前と同じように兎の耳の娘さんが案内してくれた。どれくらいかかるか分からないな、部屋だけとって早速神殿に行こう。

 気がせいて走ってきた。


「おやいらっしゃい、お久しぶりです」


 店部分ではサンドラさんではなくラジエルさんが店番をしていた。


「お久しぶりです。お元気でしたか」


 挨拶をすればわざわざカウンターから出てきてくれた。


「ずいぶんと時間がかかっていましたが、センスを買いに来られるとは。何かありましたか?」


 ラジエルさんに話しかけられて、少しあのPKされた時の恐怖が蘇った。わざわざログアウトするほどではないけれども精神的にはまだ辛い。


「すいません、何か悪い事を聞いたようですね」


 俺の顔色が変わったのか?雰囲気が悪くなったのか?俺の変化を感じてラジエルさんに謝られた。


「いやいや、個人的な事です。それで、センスを買いたいので少し待ってもらえますか?」


 話をするよりも先に危険感知のような能力を買わなければ。ざっと見て行ったところ補助系センスの所にあるようだ。


「ええと、まずは」

 感知系センスを見てみるにあたって、まずは五感を使うセンスが基本だろう。

≪触覚察知≫≪嗅覚察知≫≪味覚察知≫≪聴覚察知≫≪気配察知≫という残りの五感のセンスの基本が5個あるのは置いといて、感知系と言いつつ名前が察知なのは値段の都合だ。感知の名前が付くものは察知の上のセンスになるので高い。

 そういえば≪気配察知≫は前にイベントでもらったんだった。これは買わなくていいな。≪味覚察知≫は必要か?料理を作る気はないからどちらでもいい。

 以前Wikiで調べたところによれば普通初心者は2つ以上感知系のセンスを取っておいて慣れた方が良いとあった。なぜなら例えば一番とっている人が多いという≪視覚察知≫の場合、初心者ダンジョン呼ばれている王都の六つのダンジョンですら、全く先が見えない状態異常【暗闇】が通常になっているような場所があるからである。熟練度を上げ上位のセンスにするかアイテムを使用する等、状況で切り替えて使う方が良いのは分かる。

 一番人気がないのは≪嗅覚察知≫で、臭い匂いは誰も実感したくないのだろう。

 そういえば弟が2つ目のセンスを何を取っているのか知らない。弟の方がしっかりしているので言わないのはとっていないという事だろう。β版からやっている上級プレイヤーだから何か手を持っているに違いない。後で教えてもらおう。

 ≪危険察知≫≪生命察知≫≪敵意察知≫≪魔力察知≫≪嘘察知≫他にもこんな察知系があった。うん、≪危険察知≫と≪敵意察知≫は欲しい。ただし隠れている相手には効くのかどうかが分からない。


「なにか、見事にモンスターを探すようなセンスですね」


 ラジエルさんに言われた。モンスターというか、PKを探すためのセンスです。


「ちょっと不意打ちをかけられてひどく死にまして、今まで感知系を取っていないので考えている所なんです」

「空旅人は本当の意味では死なないとはいえ、危ないですね」

「本当に危ないです」


 PKのされた事を思い出すと背筋が寒くなるほどに怖い。


「それなら、こちらもおすすめですよ」


 ラジエルさんから勧められたのは≪モンスター察知≫と≪地中察知≫という物だ。

 同じ系統に≪アンデット察知≫や≪インセクト察知≫のような特定種族を見つけるような物、≪空中察知≫≪水中察知≫などの場所を察知する物がある。予算が余っていれば買うか?

 頭が混乱してきたので逆に考えよう。PKがPKする方法は何だろう。

まずはその1、樹木などに実際に隠れるのでもでもセンスを使用するのでもいいが、とにかく近くに行って相手を殺す、俺がやられた方法である。

 次がMPKで、モンスタープレイヤーキラー。モンスターを誘導してプレイヤーにぶつけ、キルする方法。これは現在システムでも判断が難しいという。その為プレイヤー間の、PKされた方とした方の間に結ばれる【復讐の絆】も発動した人もしない人も居たとある。

 3つ目に普通に狙撃する方法。弓系を極めるぐらいしないと出来ないだろうし、遠くからという範囲がどのくらいなのか不明だ。隠蔽系の能力を持っていればますます難しい。実行するプレイヤー自体が上級者のやり方だ。

 4つ目、罠を仕掛ける方法。これは生産系の攻撃力を持たないプレイヤーでも出来てしまう。落とし穴なら俺でも出来る。隠し方が問題になる。

 5つ目に生産系から思いついた、生産したアイテムに凶器を仕掛ける方法。シャーロック・ホームズにも毒を塗ったばねの針が箱に仕掛けられていたという話があった。そこまで難しくなくても料理に毒を入れればそれで済む。するとやっぱり≪味覚察知≫も必要か?

 ぱっと思いつくのはこれくらいだ。五感のセンスで注意しておきながら何かを加えるとすると、隠蔽系のセンスを発動しているのを見破れるものが欲しい。ただし、見破った人というのは≪気配察知≫≪危険察知≫≪生命察知≫≪敵意察知≫でやるのが普通なようだ。≪直観察知≫という普通の人には出来そうにないやり方でやった人も居る。どこの武術の達人だ。

 その物ズバリ≪隠蔽感知≫というセンスもあった。100万デンと結構な値段だ。進化させて先にあるのが確実ならなれる意味もあってもう少しお安い物を使うのがお得です。

 そういえばどれだけリルさんからもらったのか確認をしていなかった。半額はもう少し上等な装備へ追加武装するのに使いたい。一体いくらもらったのか確認しよう。

5000000デン、五百万デン。思わず二度見して数えてしまった。


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