76side:xxx
ゲームの中でプレイヤーキラーになるのは難しくない。一人予告もなしに殺せばいいんだから。
ただゲームをするのも面白くないからPKでチームを組もうという話になった。家の用で実家に帰っていた俺は少し遅れてゲームを開始した。既にパーティを組むことを約束している仲間はPKを終わらせて残るのは俺だけだ。
サイトを見て王都に行きさっさと戦士の称号を得る。他のメンバーはゲーム内時間が現実より速めに設定されているので先に行っている。
ここからが問題で、狩りの獲物はモンスターでなく人だ。そこら中に多くいるからと言ってどれでもいい物ではない。
具体的には対人戦最強を目標に掲げている。それを考えると初PKは女子供、生産職というのは避けたい。出来るだけ強そうな男プレイヤーが良い。同時にその後殺されるなんてのは御免なので人通りが少ない方が良い。
六大都市に行くようなプレイヤーは最前線攻略の為に王都にはいないし、王都周辺のプレイヤーは逆に勝てないほど強い。始めたばかりの俺でも勝てそうなプレイヤーはいないだろうか。
まずは体を慣らすのもあって始まりの草原でぼちぼちと狩りをする。
狩りを続けてゲームの中で数日経った。ここに来るようなプレイヤーは必要なアイテムがあるか簡単な金稼ぎが主だ。うかつなプレイヤーはなかなか見つからない。仲間は発見されたミスコンイベントで活発になった美人発掘イベントでも楽しんでいるんだろう。羨ましい。
もうここでの限界までレベルが上がったので狩場を変えようかと思っていた所、ついに丁度いいプレイヤーを見つけた。強そうな鎧を装備しているのでそこそこ強そうだ。限界まで狩りをやったと言う風で膝をついて息を荒げている。この始まりの草原にはノンアクティブしか出ていないとはいえうかつな奴だ。
よし、こいつにしよう。俺は狙いを定めると奇襲用に取った≪隠蔽≫を発動してゆっくりと近づいた。真後ろに来てもプレイヤーは何も気づかない。のんきにステータスからアイテムを見ている。俺は剣を抜いて簡単にさせるように構えると、そいつの肩をたたいた。
「え、何だ?」
「さようなら」
振り向こうとした相手の心臓へ剣を突きたてる。急所を狙って命中すると即死の効果が付く場合がある。今回もそれが発動したようだ。プレイヤーは光の粒になって死に戻りした。
『称号:殺人者を獲得しました』』
ようやくプレイヤーキラーになれた。名も知らぬ人よ、有難う。その後のアイテム整理がむしろ大変だった。対人戦の場合相手持つアイテムがドロップとして手に入る。どういうプレイヤーだったのか、肉が大量に手に入った。
初心者用のアイテムが多い所から、生産職に依頼を受けて肉を狩っていたのかもしれない。
「何だ、これ。凄いな」
そんなアイテムも中にひときわ輝く素材を見つけた。「ガーディアン・フォウルのサファイア」という売ったら高そうな宝石だ。検索してみると始まりの草原のボスがソロとの戦闘で落とすアイテムだった。 強いプレイヤーだったようで、倒せたのは幸運だ。
仲間と合流してレベルを比べると差は1、2レベルぐらいだった。キラーしたプレイヤーが結構な強者だったのか?
「これからどうする?」
パーティメンバーが全員そろったのでこれからの事を話しあう。
「俺は六大都市のどこかに行ってみたいんだが、どうだ?」
リーダーの言葉に皆賛成だ。
「俺は格闘家目指すから移動都市イエロが良い」
「いや先にドラゴン素材のある遊戯都市レンジがいい」
口々に希望を言いあう。
「お前はどこが良い?」
リーダーがこっちに話を向けてきた。
「どこでもいいけど、これが売れる場所が良い」
俺はサファイアを取り出して見せる。
「こいつは何だ?」
「キルした相手が持ってた」
ボスドロップだから高値で売れるはずだ。
「これほどの物はそこらへんじゃ売れないな。金が一番集まっていそうなレンジに行かないと」
日にかざして鑑定するリーダーがレンジを進めてきた。
「じゃあそこにしよう。待たせたお詫びに皆にも分け前を渡すよ」
「良いのか?」
「構わない」
「じゃあ売るためにレンジに行こう。皆良いか?」
「「「「「おう」」」」
賛成が多数でレンジヘいく事が決定した。




