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69ボスを調べますよ

 俺がログアウトしたのは昼だった。腹が減っていたので丁度いいとカップ麺置き場を漁れば焼きそば苺ショートケーキ味なる物があったので今日はこれにする。


「おう兄ちゃん」

「よう」


 カップ焼きそばのゆで時間を待っていると弟が出てきた。どちらかが待つわけでもないのに休憩がかち合うのは珍しい。


「丁度いいから聞いておこう。新しいハイドルートを攻略したのは兄ちゃんか?本拠地システムのやつ」

「そうだ。よく分かったな」

「ビギの草原のボスを倒すほど入り浸っているのは知ってる限りじゃ兄ちゃんしかいないからな」


 弟はチキンステーキ味のカップヌードルを持っていた。湯を入れながら俺の前に座る。逆に俺は湯切りの為に立ち上がる。


「何か俺だと問題あるか?」

「問題はないな。むしろありがたい。本拠地システムが解放されたから最大6つの新しいフィールドが追加された場所もあって、いくつかで新しいドラゴン素材が見つかっている」

「ほーそりゃ良かった」


 俺は薬味をかけてできた焼きそばを一口食べる。甘くはない。いや具に甘い部分があるがこれは塩焼きそばの変形かな。まずくはないが次は買わないだろうなという味だ。

 それにしても6つも追加されたのは多いな。どこだろろう。


「6つ追加されたのは王都だよ。○○へ続く道ってフィールドがあっただろ。六大都市の食材フィールドみたいな扱いだった場所。俺が兄ちゃんとあった場所がレンジヘ続く道だ」


 ああ、ディアトリマとかいう鶏もどきが居た場所だったかな。


「各都市で食材フィールドと呼ばれていた場所がそのまま王都の所属になって、六大都市には迷宮のフィールドが新しく追加されたんだ」


 成程、その迷宮にドラゴンがいるとかそういうパターンか。弟のギルドには丁度いいんだろう。


「まあそう言う訳で、兄ちゃんを誘った甲斐はあったと言うもんだ。褒めて遣わす」


 いつの時代の大名だ。


「ふうん」

「そこは、有難うごぜえますだお代官様、とかえさないと」

「そういう事が出来てたら現在みたいなプレイやってない」

「それもそうだな」


 俺もこいつも思いついた物を言うだけのでこんな話はよくあることです。


「どんなドラゴンが出たんだ」

「ドラゴンというか、デミドラゴンという扱いだな。レンジに新しく生まれた金貨の迷宮にはゴールデンカラー・ドラゴン。俺はまだ行ってないけど湖上都市ブルーの迷宮島にはシーサーペントがボスとして出る」


 何か疑問の湧いてくる名前があるな。


「ゴールド・ドラゴンじゃないのか?」

「ゴールデンカラー・ドラゴンだな」

「また鍍金のドラゴンなのか?」


 レンジのハイドルートが鍍金だからドラゴンも鍍金…生物に出来る訳ないか。


「一体何の素材が取れるんだ」


 弟のギルドは強いからもう倒しているに違いない。


「採れるのは普通のデミドラゴンの骨とか、革とか鱗とか。ゴールデンカラー・ドラゴン限定のアイテムで言えば金粉が取れるな」


 カラーズみたいな役割のドラゴンだ。


「兄ちゃんの方こそボスを討伐したんだろう?どんなアイテムが取れたんだ?」

「何も取れてない」


 ペットにしたからな。弟に簡単にその事を説明する。


「また斜め上の話になったな。ボスがペットになるなんて初めて聞いた」

「俺も初めてだよ」

「それでどうするんだ。連れて行くのか?」

「いやいや、連れて行くと言うか、嫌われてる」


 俺は称号での一件を弟に説明する。


「兄ちゃん、狩りすぎだ」

「まあ何事もほどほどにという話だな」

「いや、そういう話じゃないだろう。兄ちゃんは猟師になったら生物を絶滅させるタイプだな。仕事だからと何も考えないで」


 猟師も現実は厳しいぞ、狩猟の出来る量は厳密に決まっている。


「あ、もしかして現実の規定量を計る為の称号だったのかもしれない」

「それはありそうだ」


 俺の意見に弟が賛同する。


「これを解決するにはどうすればいいだろう」


 この調子だと新しく王都用になったフィールドで狩りが出来ないかもしれない。


「相変わらず攻略と関係ないな」

「現実的と言ってくれ。狩りで獲物が取れないと金が手に入らないじゃないか」

「どういう方向のプレイをやってるんだ」


 いつもある程度の現金、換金手段を持っておきたい慎重なプレイをやっているつもりだ。


「方法はいくつかあるが、まあ普通には王都のどこかにあると言う称号を消すことのできるNPCを探す事かな」

「そんな人が居たのか」

「β版にはいた」


 つまりもしかするとハイドルートに隠されてしまったかもしれない訳だ。王都で生活ついでに探すとして、もしハイドルートなら最前線ギルドが解決してくれることを祈ろう。


「後はもう諦めてレベルの高い所に挑戦する事だろうな」

「結局そうなるのね」


 まあ分かっていた。しかし俺にはプレイヤースキルはない。センスとスキルとレベルによる力押しプレイという方向で行くしかないな。


「まあようやく王都に行けそうだから、後は生産職用のセンスを取ってレンジに行くわ。何か欲しい物はあるか?」


 ようやく一区切りだから弟に希望する商品がないか聞いてみる。王都限定商品を買っていくぐらいは出来るはず。


「特にないな。あ、そうだ、ついでだから他の初心者フィールドのボスモンスターも狩ってくればいい。ドラゴンがいるかもしれないから」

「他のって、他の場所ボスはまだ出てないのか?」

「いやいくつか出てる。俺としてはハイドルートを攻略した人間か、その称号持った人間があえて挑むことでハイドルートが出て来るんじゃないかなと思っている」

「それはありそうななさそうな。期待しないでくれよ。俺の戦い方は基本力押しの粘り勝ち何だから」

「瓢箪から駒程度にしか当てにしてないから安心していい」


 それなら安心だ。


「あ、そういえばユーに猫のボスをペットにしてやる約束だった」

「誰だユーって」


 弟が人名を聞いてくるのも珍しい。


「NPCの子供で、セカの村の網元の子供らしい。仔馬を村長の孫にやった時一緒にいて、羨ましがってたから猫がいたら猫を、それでなかったら馬をあげると約束したんだ」

「相変わらずNPCの方とばっかり付き合ってるな」

「ほっとけ」

「子供なら、児童育成法条例に引っかからないようにしておけよ」

「かかるか」


 人を変態扱いしないで欲しい。

 ひとまず昼食も終わったので弟と別れて部屋に籠る。パソコンからWikiを立ち上げた。

 まずはどう地形が変わったかだ。俺が行くのは王都からレンジという都市という事は決まっている。まず王都への道は変わっていない。ビギの村から一本道だ。次に王都からレンジへの道は、以前は「レンジヘ続く道」がフィールドとしてレンジ側に存在していた訳だ。

 現在は王都側として、街道のフィールドが増えた形になっている。竜の通る荒野というフィールドが少し拡大したような形だ。

 ボスも先に猫が居るかどうか調べておこう。…もう攻略されていた。昼飯食べてただけの時間なのに早いな。ビギの草原が仔馬だったように、ビギの砂浜は水蛇、カラーズの裏山は小犬、カラーズの森は子狐、セカの磯辺は飛魚、セカの海は魚となっている。

 ビギの砂浜のボスは海蛇の小さいのでウェーブ・ウォータースネーク。海蛇と言っても別に多数の首を持つモンスターではなく本当に1匹の海蛇だ。フィールド上の波と一緒に打ち寄せて攻撃してはそのまま海の中に逃げると言う事を繰り返す海蛇らしい。隠れるのが面倒くさい敵の様だ。

 HP自体は大した事がないようなのでがちがちに固めた鎧装備のプレイヤーにかみつかせたところを取り押さえて倒せばすぐに倒せると言う。

カラーズの裏山に出るのはリトルキング・パピー。名前の通り野犬のボスとして相手のレベルによっての変動がある野犬の群れを率いて現れる。俗に初心者フィールドのボスモンスターが初心者の為の何かの練習とするならば、群れでの戦い方を勉強させるんだろうと思う。

 カラーズの森にはイリュージョン・リトルフォックス。イリュージョンフォックスは遠くの方の、最前線と呼ばれている所に出るモンスターなのでその子供という設定かな?幻で相手を騙すもので、本体は目に見える範囲に隠れている。魔術の大規模攻撃で一発と書いてあった。まだその攻撃を覚えていない人間にどう攻略しろというんだ。

 セカの磯辺にはブレード・フライングフィッシュの群れ、これは飛んでいる上に群れで攻撃してくる。しかもリトルキング・パピーはボスであるリトルキング・パピーを倒せば野犬は解散するのに対しこのブレード・フライングフィッシュの群れは全滅させないと勝利判定が付かない。

 前のビギの砂浜のブレード・フライングフィッシュと違い斧や槍と言った刃物の武器の形に複数する種類がいるという面倒くささがある。

 セカの海にはブロンズ・フィッシュ。単純な名前なのだが硬い。状態異常が効きにくい。鱗から青銅が採れるので一番のおすすめとある。海の中という事が一番の問題という。突っ込んでくるだけなので戦い自体は難しくない。ある意味ビギの草原での戦闘に近い物になると思う。

 よし、かつて野犬にやられた恨みを込めて小犬をまず倒そう。じゃなくて、猫が居ない以上もう一度馬のペット化をしなくてはいけないようだ。



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