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49案内役でした

 ミカエルさん達を一緒に連れて行ってぐるりと初心者フィールドを回る。その後最初に連れて行ったミカエルさんのパーティの、メンバープレイヤーが先頭に立って集まったプレイヤーを引率する。連れて行かなかったギルドのメンバーは前後左右でサポートだ。

 目的地に着いて早速はみ出してペット獲得に動こうとするプレイヤーは容赦なく殴って連れて行かれた。ミカエルさん達は強かったです。

 初心者サポートというミカエルさんのパーティは人数も多かった。その日のうちに済ませたいと言うプレイヤーも何十人単位で、ツアーコンダクターの称号があるからこそ一度に連れて行く事が出来たと言う物だろう。

 俺は初心者フィールドに詳しいだろうからと一番大きい集団にミカエルさんの手伝いで入った。とはいっても他にもミカエルさんのパーティメンバーが居るのでやる事はない。


「ビギの草原とビギの砂浜は行く人も少ないな」


 今まで簡単に来れた場所は人があまり行かないようだ。


「さあ、羊を大量にペットにするわよ。天然のベットを出先でも調達するの!」


 青華さんの同類みたいな人はいた。


 やっぱりと言うか、アクセサリの名が付くモンスターがいるカラーズの森と裏山が一番人気なようだ。急ぎ足で案内した後解散を宣言すると同時に走り出すプレイヤーは二つの大きな塊とその他に分かれていた。後で見に行くとカラーズの裏山が満員だったので森も恐らく満員だろう。


「セカの磯場は少ないな」


 蛸をペットにしようとする人は少ない。現実でいうヒョウモンダコみたいないかにも食欲も可愛げも誘わないモンスターが歩いているせいかもしれない。しかし俺はプレイヤー達の熱意を見誤っていた。


「水着って、何でこんな風になってるんだ」


 水着を着たプレイヤーが泳ぎに来ていた。セカの海は料理人がたくさん来るのかと思っていたら安全に泳げる場所という事でビーチに変貌していた。屋台も広がって普通の日本の海水浴場である。


「うっひょーっ。海だ、水着の姉ちゃんが見られるとは!」


 テンションの高いエルフのプレイヤーがいる。


「我ら海の安全監視隊。行くぞ、水中でのトラップ・シャコがこの海で一番危険だ。シャコを踏んだ女性が居たら速やかに助けに行くのだ」

「モンスターに襲われている所を助けるんですね」

「そう、そして女性プレイヤーにお近づきになるのだ」


 危ないのもいた。良いのかあれは。


「ミカエルさん、ああいうのは大丈夫なんですか?」


 思わず俺はミカエルさんを振り返る。


「まあ、後で偽王国騎士団にでも連絡しておくから大丈夫」


 何か知らない名前が出た。これもギルドか?


「キャーッ水着泥棒~!」


 泥棒まで現れた。


「ふんっ」


 真横でミカエルさんの投槍。俺の耳を掠めて飛んでいく槍が水着泥棒に突き刺さる。あっさりポリゴン化して死に戻った。


「ああいう行動は禁止されてるから、死なない程度の攻撃でも運営が強制ログアウトをしています。間違っても女性に嫌がられる事をしないで下さいね」


 俺はコクコクと言うよりブンブンという擬音が出来そうな勢いで首を振った。

 しかし凄まじい人ごみだ。俺が何かやろうとしても邪魔にしかならない。ミカエルさんの用が一通り事がすんで俺はログアウトした。しばらく時間を置かないとどうにもならないだろう。別にミカエルさんが怖くなった訳ではない。


「おや久しぶりなような気がするな、弟」

「よう、兄ちゃん」


 部屋から出ると弟に会った。


「暇さえあればゲームやってるからな、飯の時はたたき起こされるけど」

「うちの家風だ、諦めろ」


 ゲームで一週間過ごしてもこっちでは一日が経つ時と経たない時がある。脳への負担がどうこうで時間の加速度がなになにでというよく分からない話の結果なのである意味どうでも良い。


「そういえばハイドルートをレンジで攻略したパーティが居たな。お前は攻略に行ったのか?」

「兄ちゃん、何を見ていたんだ。攻略したのは俺のパーティだぞ」

「え、そうだったのか」


 弟の名前はなかったと思う。


「この前会った一緒に居たパーティのメンバーが居ただろう。名前出して情報をスレに上げたぞ」

「見てないから知らない」

「そんな事だろうと思ったよ」


 こいつは俺の言葉に納得していたが一度どういう人間と思われているのか話し合った方が良いか?


「しかしアベルトカインという人がリーダーか。外国人なのか?」

「んな訳あるか。それなら俺も外国人だ」

「冗談だ」

「分かってる」


 冗談の言い合いは終わらせて、


「ところで兄ちゃんはまだ王都か?」


 弟に現在位置を聞かれた。


「いや、ビギの村だ」

「何をやってんだ。流石に遅すぎる」


 文句を言われた。気持ちは分かる。


「いや、リルさん達に頼まれて、俗にいう初心者フィールドの案内をしたんだ。代わりにアーツを教えてもらった」

「へえ、ペットの絡みか?あそこのパーティがペットのハイドルートを発見していたろう」

「ああ、あれは厳選が大変だった」


 主に青華さんのペットを思い出す。


「もしかして兄ちゃんもパーティに入ってたのか」

「今種族の変更で遠くの街にドワーフとエルフの人が出かけていたんで、パーティ枠が空いていたから入ったんだ。俺もペットを作らされるかと思った」

「意味が分からないぞ」

「どういう条件でハイドルートが確定するか分からないので、全部のフィールドで全種類のモンスターをペットにする予定だった。最初の2匹で済んで俺はペットを作らなくてよくなった」

「成程分かった」


 弟の察しが良くて助かる。俺が分かりにくく言うので口で言っているだけの場合もある。


「ところで、アーツと宴会芸に何か丁度いい技はないか」

「アーツは初心者用のスレ見てくれ。宴会芸というのは何だ」


 ビギの村で宴会があった事、宴会用の芸がないので投げ包丁の的にされて死ぬかと思った事を説明する。


「そのまま死ねばよかったのに。そして空から降臨すれば十分な芸だ」

「どこの宗教だ。面倒になって投げ出さないでくれ」


 死んで死に戻りするのにそんな事が可能なのか?ゲームだから設定をいじる事が出来れば可能なような気がする。


「しかし宴会芸というのは面白い。あった方が楽しそうだな。その話みたいにアーツでエフェクト使うとか投げナイフなら俺でも出来そうだ」

「お前は能力が高いから出来るだろうが俺は出来ない。精々ペットの貝を発光させて光のサインを空に描くくらいだ。それにその為だけにペット使用するのもな」


 我ながらどこの光の巨人だと思う。


「うちはペット飼えないから経験ないもんな」

「飼育の経験何て小学校の時の金魚と兎ぐらいだ」


 兄弟で同じ小学校に通っていたので同じような事をやっていたはず。


「あああったあった。でも兎は小屋だけだったような」

「お前が入る少し前か、兎が妊娠してな。野生の兎というのは人が近づくと子供を殺すらしい。それを通知していたのに子供だから皆寄っていくからそうなった」


 1年後に掃除で小屋に入って以後兎はいない。


「金魚も何故か飛び出して水槽の外で死んでいたしな」

「金魚に何したんだ」


 当時は不明だった。


「最近知ったんだが鯉に近い品種は体が大きくなると池の外に飛び出す場合があるらしい。鯉がそうなんだ」

「へえ、そんなもんか」


 それでは最近あった事でも聞くとしようじゃないか。


「そういえばお前のギルドの事をリルさんに聞いたんだが、お前ら技のギルドとか呼ばれてるって?」

「それは初耳だ」

「あれ、力と技じゃなかったか」


 なんだったか。何か対になるような言葉だったのは覚えている。


「まあとにかく、お前のギルドは少数でも大人数の相手ギルドと同じぐらい強いって?」

「強いと言うか、ルールの決まった戦いでいい勝負してるって感じかな」


 あ、思い出した個人と数だ。こいつが個人でやれているという事は凄い技を持っているのか?


「ちょっとネタとしてお前の能力を教えてくれ。別に隠し技をどうこうという話じゃなくて」

「別にいいけどな。ネタって何だネタって」


 ネタとしか言いようがない。俺はサポートをするのをやめた訳ではないがどういう風な結果になるのかは予定は未定なのだ。


「そうだ、お前がハイドルートに行ったと言うなら、ついでに聞かせてもらおうか、さあキリキリ吐け」

「何で恐喝になるんだ」


 特に意味はない。


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