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41ペットです

 やってきましたカラーズの森。まずは品のない犬耳と猿耳を集めようという話からここで狩りをすることになる。俺も初めて来たフィールドだ。


「さあて、狩るで狩るで狩りつくすで」


 クレイさんの目が怖い。


「ここに犬さんと猿さんのセットがあるのね」


 青華さんも何か張り切っている。


「青華は毛のある動物が好きだから」


 俺はリルさんの言葉に納得する。モフモフ好きと言う物か。しかしモンスターは襲ってくるので堪能する時間なんてないと思う。


「初心者フィールドのモンスターはペットに出来るのよ。ここも初心者フィールドのはずだから、その検証もあるの」

「でも今まではペットに出来そうなのは始まりの森の家畜しかいなかったから、使う人少なかったのよ」


 リルさんの説明に青華さんが続いた。初心者フィールドと言えば誰でも入れるのは初心者の砂浜ことビギの砂浜もそれなはずだが、出現モンスターを考えてやめた。食料にはなってもペットにはなりそうにない。特に蟹。


「ペット化自体は、ワイが屋台ひく驢馬をペットにしとるけ出来るのは確認しとるよ」


 俺はちゃんと確認しているクレイさんに感心した。


「ペットって戦闘に参加できるんですか?」


 出来るならば俺でも召喚術のような使い方で戦力増強できる。


「微妙ね。種族の特徴以外は取れるセンスが非攻撃的な物限定だから、逃げる時には使えるけど戦力にはならないわね」


 それでは俺が考えているような攻撃は無理か。


「ペット化の石は王都の魔術師ギルドに売っているの。これがそうね」


 出されたのは何かのマークがついた白い石で、そこらへんに落ちていてもおかしくない。


「ペットになれば全体的に可愛くなるよ!」


 青華さんが力説する。そんな会話の途中何かの音がした。


「モンスターや。来たで!」


 クレイさんの声に武器を構えれば現れたのは蜂のモンスター6匹だった。


「ふむふむ、名前はニードル・ビーやな。アイテムで針を落とすかもしれん」


 クレイさんが続けてモンスターの名前を告げる。≪鑑定≫のセンスでも持っているんだろう。便利そうなので俺も取るか。

 勝負はあっという間についた。俺がいつも通りに弓を当てた後リルさんがハンマーを人振りして終わりである。蜂は6匹という事なのにあっけない。アイテムは全員に何らかの形で入ってきた。俺はニードル・ビーの針とニードル・ビーの毒針だ。


「あら、ニードル・ビーは蜂蜜が取れるのね」


 リルさんの方には蜂蜜が入っていたようだ。食い物なのは羨ましい。


「後で村の人に養蜂の事も聞いてみましょう」


 色々と考える物だ。検証ギルドというのはこういう物なのか。


「あ、そうだった。群れの時は仕方ないですが1匹2匹の時は一回、アーツを教えつつ戦って欲しいんですが」


 俺の本題を忘れる所だった。


「ああ、そうやな。まず、基本的な事から。ステータスウィンドウにアーツの項目があるやろ。開いてみ」

「開きました」

「そこに好きなセンスや武器、スキルを入れるんやけど、基本的なアーツは大体魔術に武器を足すか、武器のスキルを組み合わせる形やな。例えば、弓なら炎の魔術と武器としての矢、または矢のスキルをステータスのアーツの所にある空欄に指で持っていく。良いか悪いか聞いてくるから良かったらはいを押す。そうすればアーツが完成や」


 俺はためしにウィンドウに指をつける。おお、スキルや武器マークが動く。スマホと変わらない。3つある四角いスペースへファイア・ボールと普通の矢を持って行って完了を押す。


『これでよろしいですか?』


 確認の言葉が出たのではいを選択すると、アーツが出来た。初めてのアーツだ。


「弓は青華やな。先に教えてやって。ワイは後で剣を教えておこう」


 クレイさんは魔術剣士のような物なので剣はよく知ってるだろう。俺は刀にしてしまったけれど初期は変わらない。


「えっとね、じゃあ弓を構えてアーツを使うと意識して」


 青華さんの言葉に俺は弓を構えて近くの岩を狙う。するとアーツを使うと言うアイコンが目の端に移った。後は魔術と一緒で、そのまま矢を放つと矢の先端に火が灯り飛んでいく。岩に命中はした。≪命中≫センスを使用してないからか下の方にずれている。≪命中≫センスもつけないとならない。


「アーツは基本的にアーツ専用の気力バーを使うけど、魔術を混ぜていたら魔力が減るし矢みたいに数に限りがある場合は矢の在庫数も減るからそこは気を付けてね」


 幸いにも俺はまだ初心者の武器なので数は考えなくていい。しかしある意味魔術を使っているような物だ。


「魔術師はアーツを使うんですか?」


 あまり使う意味がないように思える。


「魔術師は一気に大技で勝負をかける時か、連続しての技を使用する時、魔力が無くなって武器で戦う時に使うわね」


 リルさんの説明に俺が普段使っている魔術の使い方と同じに見える気がした。


「ただ、≪魔術才能≫センスのスキルには先に行けば別の魔術を発動できる「同時発動」とか同じ術の数を増やす「術数増加」という物が見つかっているから、上級のプレイヤーほど使わないわね。精々魔力切れの時の武器に使うくらいよ」


 俺の予想通りアーツはあまり魔術師向けではなかったようだ。しかし≪魔術才能≫センすにそんな先があるのか。使っても熟練度がなかなか上がらないのでよく分からないセンすだと思っていた。ああいうセンスはどうやって来ればいいのか。

 考えていてもモンスターは待ってくれない。カラーズの白黒、そして灰色っぽい物が出てきて襲ってきた。簡単に返り討ちだ。灰色というのはくすんでいて灰色に見えるから灰色としか言いようがない。

 名前はホールドカラーズボールとある。説明から行くと塗料の色を固定する物らしい。村長は透明と言っていたのはこれだろう。


「おお、いい商品や。白黒で明度を調整して色留めで色落ちを防ぐ。考えられとるよな」


 クレイさんが感心している。


「カラーズの塗料は色が剥げ易いのが欠点だから、これがあればずいぶん使いやすくなるね。混ぜるのかコーティング剤なのかは実際に使ってみないとね」


 裁縫関係で染色もするのか青華さんが喜んでいる。もしかして初めて出たカラーズなのか。

 その後杖の材料になるスタッフウッド、初心者が矢羽に使うらしい色とりどりの色がいるレインボーバーディというモンスターが現れた。群れだったので俺の練習台にはならなかった。練習は一人の時にやった方が良いかもしれない。

 そんな事を考えつつ順調に森を探索していくと、ついに目的のモンスターと遭遇した。猫耳兎耳に続くアクセサリモンスターの、白い小猿だ。小さいからニホンザルというよりもマーモセットとかの可愛い系だ。


「可愛い!」


 青華さんの声でそれまで木の実を食べていた小猿がビクッと震えて硬直する。


「あれ、恐怖に固まっているように見えるんですが」

「レベル差が大きいとこういう事が起こる時もあるで、基準は分かってないけど、Lv1と100でもならん時がある」


 クレイさんの話から行くと、ランダムでAIが入っていると言うのはどうだろう。将来はそれでイベントが起こるとか。


「そういう説もあるな」


 何だ考えていた人はいたか。


「さて、早速戦いましょう」

「絶対ペットにする!」

「え、ちょっとリルさん、ハンマーでたたいたら一発で消滅しません?」


 青華さんが針を構えリルさんがハンマーを構える。針はともかくハンマーでは今までの戦闘にあったように一発でポリゴン化してしまう。こういう時はピコハンみたいな武器を使うと思っていた。


「安心して。武器スキルを上げると手加減できるスキルが出て来るの。「手加減打撃」とか「虫の息」とか。それを使えば体力を大幅に削りながら倒さないで行けるわ」


 凄いネーミングだ。そして何となく惨い技の数々だ。

 パーティを組んだのは初めてとはいえ、今回俺は感心と驚愕で口を開けているだけのような気がする。

 ペット化も意外と面倒なようで、モンスターは体力が残り一割以下、動きは取れない状態に弱らせないとペット化は成功しないという。

 普段より現実に近い小猿の前で針を両手に持った女性と巨大ハンマーを持った女性が襲い掛かろうとしている。ホラー映画を思い出した。

 弱らせた子ザルに青華さんがペット化の作業を開始した。使用するのはペット化用の魔術石だ。見た目には緑色に光る、ペット化用の刻印がされた白い石で、石自体はそこらへんに落ちていそうなものである。同じように魔力の籠った石として一時的な攻撃力の強化石などがあり、こちらは赤く光っているという。

 弱った子猿に青華さんが石を当てると、緑色の光が徐々に石から小猿に移っていく。光がだんだんと小猿を包んでいき医師からは光が消えていく。完全に光が移りきると、小猿の体を緑の膜が包んでいるようになった。石はただの白い石になっている。

 青華さんがウィンドウを操作してペット化が終了した。


「名前はね、シロちゃん」


 体が白いからか。アメデオとかハヌマ-ンとかの方が似合うと思う。


「キキッ」

「可愛くなるって言ってましたけどあんまり変化はないみたいですね」

「この子は最初から可愛かったからね」

「ステータスで何か変化があるんですか?」


 青華さんに話しかけると、俺の質問にシロちゃんのステータスを見せてくれた。


「はい、見て、ここ。名前が変わってるでしょ」

「アクセサリ・モンキーじゃない?」


 モンスター名がジャンパー・モンキーになっている。


「ペットにしたモンスターは持っている能力によって名前が変わるの。敵のモンスターと完全に別物なん

だよ」


 このジャンパー・モンキーが持っているセンスは≪跳躍≫≪風魔術≫で、何だか俺より強そうに見える。


「召喚獣はパワーアップして進化するけど、ペットにそれはないのもあるわね」


 リルさんが小猿を撫でるのに加わった。


「さて、あとここにおるのは犬耳の為の犬がおるはずやな。頑張って探そうか」


 女性2人が可愛い可愛いとシロちゃんを撫でまわしている。クレイさんは俺の肩を叩いて促した。

 ふと足元を見ると魔力を失ったペット化用の魔術石が落ちている。


「これ、どうするんですか?」

「魔力を使い果たしたから後は捨てるしかないな」

「魔力の再充填は出来ないんですか?」

「俺らには出来んな」


 リルさん達が小猿を構って話に夢中なのでクレイさんが説明してくれた。可愛いのは分かるけれど日が暮れそうだ。


「リサイクルできそうなので聞いてみます」


 もしかすると金を貰えるかもしれないので貰う事にした。


「さあ、次は犬よねっ早く探そうっ」


 青華さんはまだペットが欲しいようだ。

 この後、犬は色模様を厳選するのに探索発見を繰り返し、真っ黒な色の犬を見つけました。


「こんなにペットにこだわるなんて青華さんは動物好きなんですね」

「いいえ、あれは逆にペットを飼っちゃいけない家だかららしいわね。その反動かしら」


 リルさんに青華さんの熱心さが半端ない理由を聞いた。そういうパターンもあるか。俺は自分の面倒も見きれてないのに他の命をどうこう出来る訳ないとペットを飼わないタイプだ。同居人が買っていたら餌をやるくらい、という感じだろう。


「それにしてもあんなに喜んでいると私も欲しくなるわね」

「俺は驢馬がおるからもういいけどな」


 リルさんの言葉に影の薄くなっているクレイさんが応えていた。

 この後、カラーズの裏山にも行き、三毛猫と茶色い兎を探すのに疲れました。


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