39宴会芸です
ジュースを配り終わって一息つける。そう思っていました。
「それで、お主は芸をやらんのか」
いつの間にか喧嘩が終わったアラン村長がアクス村長と連れ立って立っていた。
「いえ、今屋台が終わったところです」
思わぬところから飛んできた話の矛先に俺は空のコップの並ぶ台を指さして説明する。
「さっきの空旅人も屋台と芸を両方やったぞ」
「屋台と芸は別じゃろう」
二人の村長がタッグを組んで今度はこちらに向かってきた。
戦う
→逃げる
話し合う
しかし回り込まれてしまった。
そんな状況が繰り広げられて、俺は助けを求める。村長達は力が強い。村長達は酔っぱらってるな。俺を左右から揺さぶっている。
ジュリアと目があったらあかんべされた。今まで助けなかったことを根に持っていたようだ。
「サムソンさん何とかなりませんか」
助けを近くにいたプレイヤーに求める。
「何とかね、何でもいいし後で文句を言わないならやれる事がある」
「それでいいから早くしてください」
「林檎と西瓜とパインとどれがいい。お奨めは西瓜だ」
「よく分からないけど西瓜で」
謎の果物を選ぶ作業が終わると俺はさっきのジュリアの様に村長に連行された。
村長から解放されたいばかりに言った言葉の結果、十字に縛られて大きな板に縛り付けられ、西瓜?を頭に乗せられた俺がいます。
「さてお立合い。今より彼の頭の西瓜にこの出刃包丁を当ててみましょう。見事当てれば拍手喝采」
ナイフ投げの的にされている状況に何かしたくても何もできない。出刃包丁は投げる物ではないと思う。せめてもっと細い縫い針ぐらいにして欲しい。
「あんまり暴れるなよ。久しぶりだから手元が狂うぞ」
「ぎゃーっ」
俺は包丁が投げられた瞬間絶叫した。本当に手元が狂ったのか単にそういう芸風なのか、包丁は腰のあたりに突き刺さる。
「騒ぐのは面白くなるけど、あんまり口を動かすと頭が動いて包丁がとんでもない所に刺さるぞ」
手で包丁の柄を投げては受け取ることを繰り返しているサムソンさんに言われても生理的な物だからどうしようもない。ジェットコースターなら声を出さないように出来るんだが、やっぱり命の危険を感じるんだろう。
客観的に説明しても何も出来ず、スキルまで使ってぎっちり動きを固められている。
「死なないかもしれないけどこういうのは遠慮したかった!」
一言叫んだ瞬間にまた出刃包丁が飛んできて今度は脇の下に刺さる。だんだん近づいていく芸の様だ。
これがゲームだから死なないのであって、実際のサーカスの人はこういう恐怖を抑えるんだなと感心しつつ現実逃避する。
最後の出刃包丁が俺の頭の上の西瓜に刺さり、さらに砕いて後ろの板にまで刺さった時、俺は西瓜の汁飛沫に衝撃を感じて気絶していた。
気絶から立ち直ると自分の部屋になっている一室だった。ステータスをオープンにして確かめるとデスペナルティは付いていない。ただの気絶だったようだ。誰が連れてきてくれたのか知らないが感謝しよう。しかし疲れたので取りあえずログアウトだ。
ログアウトしても弟と出会うかどうかは場合による。今回は合わなかったようだ。夕食には必ず会うから気にしない。
脳に負荷を与えるので加速空間によるゲームの時間の進みは結構速いので廃人と呼ばれている人はぶっ続けでやっては限界時間でやめ、規定時間休んでまた限界時間と繰り返している。
俺はそこまで夢中になっていないので気分が乗らなければやめる。長い時間休む。だから先に進まない訳だが、やめるのは弟の約束である戦争をやった後だろう。
現実18日目、ログイン。次は夕食に呼ばれる頃だろうか。
『公式インフォメーション:運営からのお知らせ
いつも拙作Six Sense Onlinを遊んでいただいてありがとうございます。
今回、プレイヤー:バーニング様率いるパーティが山頂都市クリムに置いてハイドルートを攻略いたしました。条件が揃いましたので公表させていただきます。
今回攻略されたのはクリム保護ダンジョンの一つ「不登の親不知子不知」ダンジョンを経由する「転落の暗き谷底」ダンジョンのボス「ケイブベア・キング」が討伐されました。「転落の暗き谷底」ダンジョンの解禁条件を公表します。
①「不登の親不知子不知」ダンジョンのボス「レアロック・リザード」を一回以上討伐している。
②「不登の親不知子不知」ダンジョン内で特定のアクションをしている。
③山頂都市クリムでNPCとの会話で条件を満たしている。
④山頂都市クリムへ特定ルートで登頂している。
⑤特定モンスター素材の武器防具を装備している。
⑥ハイドルート用Cクエストを一定数クリアしている。
必須条件を①②とし、③~⑥までの条件を二つ以上満たしている場合、ハイドルート用フィールド「転落の暗き谷底」ダンジョンに入る事が出来ます。
今回解放されたシステムとして種族を希望の物に変換できる種族転生システムが解放されました。詳細はシステム担当NPCよりお聞きください。
今後もSix Sense Onlinをよろしくお願いします』
『公式インフォメーション:運営からのお知らせ
いつも拙作Six Sense Onlinを遊んでいただいてありがとうございます。
今回、プレイヤー:奉先様率いるパーティが移動都市イエロに置いてハイドルートを攻略いたしました。条件が揃いましたので公表させていただきます。
今回攻略されたのはイエロ保護ダンジョンの一つ「迷いの道の広場(右)」ダンジョンを経由する「迷いの道の広場(左)」ダンジョンのボス「狂える御者の暴走戦車」が討伐されました。「迷いの道の広場(左)」ダンジョンの解禁条件を公表します。
①「迷いの道の広場(右)」ダンジョンのボス「墓守のユニコーン」を一回以上討伐している。
②「迷いの道の広場(右)」ダンジョンの迷路をクリアーしているをしている。
③移動都市イエロでNPCとの会話で条件を満たしている。
④移動都市イエロの移動バザーで買い物している。
⑤モンスターエンカウント率が一定を超えている。
⑥ハイドルート用Cクエストを一定数クリアしている。
必須条件を①②とし、③~⑥までの条件を二つ以上満たしている場合、ハイドルート用フィールド「迷いの道の広場(左)」ダンジョンに入る事が出来ます。
今回解放されたシステムとして「イベントクエスト:歪みに蘇る七英雄」が解放されました。詳細はシステム担当NPCよりお聞きください。
今後もSix Sense Onlinをよろしくお願いします』
『公式インフォメーション:運営からのお知らせ
いつも拙作Six Sense Onlinを遊んでいただいてありがとうございます。
今回、プレイヤー:ドリル命様率いるパーティが魔術都市ヴィオレに置いてハイドルートを攻略いたしました。条件が揃いましたので公表させていただきます。
今回攻略されたのはヴィオレ保護ダンジョンの一つ「滅びし賢者の白亜の塔」ダンジョンを経由する「滅びし賢者の地下迷宮」ダンジョンのボス「束縛されしヘルハウンドの群れ」が討伐されました。「滅びし賢者の地下迷宮」ダンジョンの解禁条件を公表します。
①「滅びし賢者の白亜の塔」ダンジョンのボス「記憶を失った英雄のリッチ」を一回以上討伐している。
②「滅びし賢者の白亜の塔」ダンジョン内で特定のアイテムを発見している。
③魔術都市ヴィオレでNPCとの会話で条件を満たしている。
④魔術都市ヴィオレの学園において魔術講義を一定以上受けている。
⑤一定クラス以上の魔術判定試験に合格している。
⑥ハイドルート用Cクエストを一定数クリアしている。
必須条件を①②とし、③~⑥までの条件を二つ以上満たしている場合、ハイドルート用フィールド「滅びし賢者の地下迷宮」ダンジョンに入る事が出来ます。
今回解放されたシステムとしてユニーク武器が解放されました。詳細はシステム担当NPCよりお聞きください。
今後もSix Sense Onlinをよろしくお願いします』
『公式インフォメーション:運営からのお知らせ
いつも拙作Six Sense Onlinを遊んでいただいてありがとうございます。
条件が揃いましたのでイベントが発生しました。王都と六大都市で条件を満たしましたので「イベントクエスト:歪みに蘇る七英雄」が発生します。
イベントクエスト:歪みに蘇る七英雄
この世界は幾度となく危機に襲われてきた世界です。その為異世界から戦士を召喚しその危機を防ぎ乗り越える技術が進んでいます。しかしいつも異世界の戦士に戦いを任せている訳ではありません。ある時期には邪神がこの世界を滅ぼそうと現れた時、七人の英雄が立ち上がって邪神を退けたという伝説があります。
その邪神に逆に魂を奪われた七英雄が邪神の力で黄泉がえりその手先として世界を支配せんと兵を上げました。
今回召喚された戦士の召喚された目的は邪神への対抗策なのか?事実はその目で確かめてください』
ログインした途端公式インフォメーションの連続だった。スレを色々覗いてみるとクリアしたのはすべてギルドを作る予定のトッププレイヤー達ばかりだった。トッププレイヤー凄い。一つ見つかるともう他を見つけている。ただし最後の話はイベントクエストの告知だった。そういえば他のハイドルートで発見されたシステムは何だったのか、さらにスレを探してみる。
結論。「転落の暗き谷底」は種族の変更、「迷いの道の広場(左)」はユニークイベントの解禁、「滅びし賢者の地下迷宮」はユニークセンスの解放だそうだ。ついでに言えばイベントクエストが解放された条件の一つがイエロのハイドルートの解放らしい。敵が「墓守のユニコーン」がひく「狂える御者の暴走戦車」とそれに乗った英雄の一人。分かりやすいのか分かりにくいのか。見つからなかったらハイドルートの説明からするとアップデートで告知されて発動するイベントだったんだろう。
まあ今初心者しかいないフィールドで狩りを続けている俺には関係ない話だ。
親不知子不知とはおやしらずこしらず。有名な旅の難所だそうです。片方は断崖絶壁、片方は荒れ狂う海という場所で、人一人がやっと入れる隙間、または空洞があるんですが、激しい波が道を越えて襲ってくるため波が来ないうちに道を歩き波がくると空洞に隠れてやり過ごします。人が一人しか入れないという都合上ここをお通るときは親だろうと子だろうと知ったことではない、親を殺してでも子を見捨ててでも空洞に一人入る。それが名前の由来です。中学の時に聞いた怪談が由来です。




