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23新しい魔術ですよ

 あれからまる1日、図書館で過ごした。いや、やっぱり本は良いね。もっと籠っていたかったが鎧を受け取りに行かないといけない。そして読み続けていくうちに≪言語≫の熟練度はぐんぐん上がった。そして現実13日目、ログインする。


「あら、ナントさん、今日はお帰りですか?」


 ログアウトも図書館の仮眠室を借りていたのですっかりと司書さん達と顔なじみになってしまった。今いる司書さんは最初に質問に答えてくれた人でレモンさんという。


「はい。鎧を貰いにいかないと」

「その後は帰ってきますか?」

「いえ、都合があってしばらく無理です」

「あら残念。それなら本を借りていきますか?」


 この図書館は補償金を払っておけば本を借りられる。無事に本が戻ってきたらお金は戻ってくる。しかし、今からの予定は熟練度上げなので、そんな危ない所に本を持って行けない。後ろ髪が千切れる想いで図書館を出た。


『称号:読書家を手に入れました』


 何か変な称号を貰った。しかし、別に俺は読書家というほどの物でもない。漫画も読むし図鑑も読むのだから。乱読家が正しいかな。


『称号:読書家が乱読家に変化しました』


「ちょっと待て」


 俺が思った途端に変化した。これはプレイヤーの思考に反応して称号が変化するのか、条件を満たしていただけで偶然なのか。

 俺は検証する人間ではないので後回しにする。


「すいませーん」


 久しぶりに露店に来た。俺を見ると何人かの屋台主が寄ってくる。


「おう、今日は何を持って来たんだ?」

「見ろよ、お前さんが出してくれた食材で熟練度が一気に上がったんだ」

「すいません、今日は鎧を受け取りに来ただけだし、何も持ってないんです」


 俺は両手を広げて持ってない事をアピールする。


「そんなはずないだろう。1日もあったのに」

「いえ、図書館で本を読んで時間潰してましたから」


 そんな話をしているとサンドマンさんとユーキさんが現れた。


「おう、待ってたぞ。そしてお前ら、通達しただろう。今度から商品はあっちで買い取る事もやるって」

「あんまりしつこいと嫌われるよー」


 二人の登場で料理人達はおとなしく引き下がった。


「それじゃあ先に鎧を渡すね、はい」


 ユーキさんのステータスウィンドウが開き、操作をすると俺のステータスウィンドウが開いた。


『プレイヤー:ユーキから商品の受け渡しがありました。受けとりますか?』


 受け取らない訳がない。アイテムボックスに入った鎧をすぐさま装備する。


『初心者の上質革鎧 DF:50

 始まりの草原、初心の砂浜で採れた素材で作られた革鎧。上質アイテムで作られている』


 何だろう、名前が初心者何だか違うんだか分からない名前だ。


「いや、別に初めて上革とかを扱った訳じゃないけど、手間をかけたせいかぐんぐん熟練度も上がってね、いつもより良い物が出来たよ」

「これは凄い。ありがとうございます」


 鎧は肩がない胴体鎧だけだ。いわばベ○ータの着る装備。内側は革だが言っていたように表面には魚の鱗がびっしり張り付いているのでスケイルタイプ、鉄鱗を張り合わせた鎧にも見える。ただ、表面の魚の鱗は基本的には青いが、光加減によって虹色のような輝きを見せる。何だか目立ちそうだ。


「町中で、プレイヤーが見ると目立つけど、トラップフィッシュの隠鱗の効果で目立たないようになってる。隠鱗の数は少ないからあくまで姿を隠すんじゃなくて目立つのを防ぐ、ぐらいの効果しかないけど」


 隠密用鎧の為にトラップフィッシュ狩りでもしようか。


「いや本当に凄い。ありがとうございます」


 俺が改めてお礼を言うとユーキさんが照れ臭そうに笑う。その隣でサンドマンさんが手を叩いた。


「次は俺の番だな。預かった上肉なんかはそれなりの値段で売れた。全体的な量は少ないが、他のアイテムも色々な場所に流した。合計金額は5万ってところだな」


 おお、それは儲かった。


「ただし、この前も行ったが俺に頼むからには手数料がかかる。宣言通り一割で5000もらおう」


 それは構わない。宣言されていたし面倒を回避できたから。


「それでは4万5000デンですか、下さい」

「おう、これでいいな」


 金が手に入った事を確認する。


「それで、これからどうするんだ。初心者なら金を稼ぐのにしばらくここの露店の専用狩人になるのも手だと思うが」


 サンドマンさんが俺に問いかけてくる。しかし、俺の答えは決まっている。


「そうですね、とりあえず弓をあげないといけないので、またしばらく籠る事になりますね」


 他のセンスがチェンジしたからにはメインをあげないと話が進まない。同時に魔術も才能系を全部熟練度を上げて○○魔術にしたい。


「そうか、じゃあまたこっち来たときには寄ってくれ。おまけしてやる」

「その時は、よろしくお願いします」


 挨拶をして俺は露店を出る。ふう、引き留められなくてよかった。どうも他のプレイヤー達は上位の素材を隠す傾向にあるのか?全体的な数は少なくてあれだけ儲かったら得だったとしておこう。相場は知らないから。


 そして恒例のセンス屋へ。引きこもっていたせいもあるが神殿を中心に動いて

いるような気がする。


「あ、ナントさん、お買い物ですか?」

「はい。というかここに来たんだからセンスを買いに来たんですよ」

「あ、そうですね」


 にこやかに笑うサンドラさんに笑顔を返して清算してもらう。


 今回買ったセンスは以下の通り。


≪光才能≫≪闇才能≫≪視覚察知≫≪集中力強化≫≪体力回復≫≪魔力回復≫≪跳躍≫


 すべて5000デンなので現在残額1万5000デン。才能は買い忘れの分を買っただけ、強化は生産に使うために買った。≪視覚察知≫は感知系をいい加減買わないといけないので、夜目も効くという話の視覚を買う。どちらかというと目が見える方が良いと言うのが俺の主義なのです。

 ≪体力回復≫≪魔力回復≫はしばらく籠るから。そうだ、ついでに逃げる補助になりそうな≪跳躍≫も買っておこう、と思い立って買った。これは1000デンなので1万4000デンが残る結果になる。

 どうせ現実に持って行ける金でもないし、使いきっても問題ない。逆に問題なのは図書館に行けなくなる事だ。その分が残っていればいい。

 回復をあまりせずログアウト中の自動回復に頼っているからこそ出来る事だよな。そんなにログインしないから十分回復するんだけど。

 俺としては将来パ-ティを組むかどうかは知らないが、弟に頼まれた分の為に、パーティを組まなくてもやっていけるようにセンスを組んでいるつもりなんだが。思いっきり迷走していると自分でも思う。生産職は今はやってないが攻撃職は魔術師系なのか戦士系なのかはっきりしないし、どの魔術を中心に使うのかも決めていない。まあなるようになる、だ。


 やってきました懐かしのビギの草原。まずは久しぶりに弓を使った狩りをしよう。


 それではやり方です。まず、獲物を見つけたら≪命中≫センスのスキル「目標固定」を発動します。初心者の弓を10本握りしめ、獲物の上高く打ち上げます。矢はおそらく慣性の法則だろうと思う法則他いろ

んなものに従って威力を上げて落ちていきます。獲物に刺さります。この時うまく弱点に刺さったら一発?で倒せます。倒せない場合は武器を抜いて相手を攻撃してとどめを刺します。以上。

 「目標固定」の有効性に気付いてからこのやり方を初めて、≪弓≫の熟練度がぐんぐん上がる上がる。+30の熟練度になりついにスキルを覚えた。「目標固定」は矢1本につき1匹固定できるので10本なら10匹いける。


「シュート・アロー:風に影響されず一直線に相手に向かっていく」


 なんというか、弓ってもしかしてスナイパーが基本の攻撃傾向なんだろうか。だとすれば俺がやってるのは邪道だな。気にしないが。

 剣から変えて使っている武器は杖である。弓でかなりのHPが削れるのであとは一発殴るだけで済むからだ。初心者の装備は≪刀≫≪盾術≫になっても問題なく出た。名前は初心者の刀、ただし刀といっても日本刀ではなく武侠映画の中国風の刀だ。居合切りはできない。そして初心者の盾である。何となくセンスのランクを揃えたくて杖にしてみた。

 本来ある程度熟練度が上がれば次のフィールドに向かって適正レベルを上げるのに、俺は適正レベルではない始まりの草原で弱い能力を鍛えている。あれ、弱いなら適正なのかな?とにかく熟練度が上がるのは遅い。

 弓が上がりだしたのは良かったが、買ったままの魔術も鍛えないといけない。一度王都に戻る。ログアウトもしよう。宿屋はどこだ。


 「いらっしゃいませー」


 目についた宿屋に入れば、初めて見る兎の耳の娘さんがいた。獣人というのは王都から北西の方の都市にたくさんいるそうだが、王都では初めて見る顔だ。


「「子ウサギの耳」亭にようこそ。お泊りですか?」


「はい。一泊お願いします」


 こういうところに泊まるのは初めてだ。何か注意があるだろうか。


「すいません」

「なんですか?」


 受付の娘さんに聞いてみる。


「そんな事聞いてくるなんて珍しいですよ」

「そうですか?」

「みなさん、無言で鍵をもらうとさっさと部屋に行ってしまうんです。私、何か到らないところでもあるんでしょうか」

「別にないと思いますけど」


 普通に案内、受付してくれていると思う。

 特に変な注意事項はなかった。暴れないとか壊さないとか、当たり前の事だ。食事は朝食が付く。そういえば食べるのは初めてだ。


 楽しみにしながらセンスを≪雷才能≫≪氷才能≫≪光才能≫≪闇才能≫に移動、ログアウトする。

 さて、弓をあの技で上げていけばそれなりの熟練度で上がるだろう。剣を刀に変えたから熟練度を揃える意味で当分は杖を手持ちの武器にして、魔術を上げていこう。

 そこまで考えると、少しだけ慣れてきたのでビギの草原とビギの砂浜では物足りなくなる。しかし初心者のフィールドを出るのはすべて第一段階のセンスをチェンジさせてからと決めている。時間がかかりそうだ。


 そして、初心者のフィールドではあるが敵がアクティブな場所があるのを思い出した。カラーズの裏山だ。そういえばあそこのモンスターにリベンジをするのを忘れていた。残った才能が魔術をいくつか覚えたら裏山に行こう。決定。


 それはそれとして練習はやっぱりビギの草原とビギの砂浜だ。今回とった≪視覚察知≫は最初のスキルが『夜目』つまり夜でも普通に見えるという物だ。ついでだから夜の冒険をしてみよう。

 休憩してログイン。センスを交換したので魔術も変わっている。初めからある魔術は


雷魔術Lv1   エレキ・ボール

  電気で球を生み出して相手にぶつける。最低確率で状態異常:麻痺にする。

氷魔術Lv1   スノーボール

 雪玉を生み出して相手にぶつける。最低確率で状態異常:凍傷にする。

光魔術Lv1   フラッシュ

 光を生み出して周囲を明るくする。

闇魔術Lv1   シャドウボール

 影で球を生み出して相手にぶつける。最低確率で状態異常:暗闇にする。


 今回の魔術は威力が地火風水より小さいのに比べて。状態異常がつくものが多いようだ。

 ちなみに最初確認した他の魔術は、


木魔術Lv1   ウッドロープ

 木で縄を作り相手にからませる。

金魔術Lv1   メタルパウダー・ブラスト

 金属の粉を生み出して相手にぶつける。攻撃タイプ:斬撃で計算する


 生産用魔術かと思ったらちゃんと攻撃するための魔術があった。


 でもこれ、木魔術は恐らく蔦でも使って縛る為にロープを出す魔術だし、金魔術はつるつるの金属表面をわざとざらつかせて塗装を突きやすくするブラストという作業の為だと思われる。生産系魔術と言われる理由がよく分かった。

ついでと言ったらおかしいが、共通魔術も新しい魔術が出てきた。


共通魔術Lv60   フォース・ウェポン

 魔力で生み出した武器を投擲する。武器はその時使用者が所持している武器から選択する。


 共通魔術は使っていないんだが。魔術の熟練度が上がると覚えていく。何か有難いような共通魔術が可愛そうなような気分になった。光魔術も問題だ。最初がフラッシュって、一瞬光を放つ技なので攻撃には使えない。どうやって光才能を鍛えればいいのか少し悩んだ。単純に例のアーツは弓を鍛える用なので、一緒に光才能を鍛えるつもりで光の矢的な物を使う事にした。なので魔術も後で鍛える分を考えて3つづつに分けて装備する事にする。まずは


≪魔術≫≪命中≫≪杖≫≪光才能≫≪氷才能≫≪木才能≫


 の、戦闘センスで行ってみよう。ちなみに≪魔術才能≫はちゃんと予備センスに入れている。このセンスも上がっても何も覚えないので有名だよな。あると魔術の威力が増えたりするのは確認されている。だから熟練度だけは入れているけれど何の変化があるのか分からない。

 そうやってまずはビギの草原で狩り。慣れた景色もよるとなれば違いが結構ある。『夜目』のおかげで何となく暗いながらも見えるのは見える。何かほのかに光っている場所があるんだが、これは何だろう。


『蛍光草

 昼間光を蓄え夜ほのかに光る花』


 蛍光塗料でも作れそうな材料だ。薬草なども取れるのは採れる。前は真っ暗だったのにやっぱり視覚が一番性に合っているな。

 さて、まず魔術を確かめるのが先だ。やっぱり気になるのは光魔術のフラッシュだ。ちょっと岩に向けて使ってみる。


 ピカッ


「目が、目が~っ」


 ある意味テンプレな事をやってしまった。敵の目がくらむんではなく近くにいるすべての者の目がくらむタイプだった。攻撃範囲を調整できないのか?物凄く遠くの敵にならともかく近くの敵の為には向かない。ぶつけたのは岩なので攻撃はしてこないのは良かった。

 しかしこれは矢につけてどうなるんだ。10本全部にフラッシュを使って、夜の草原で寝ているように見える羊目がけて矢を放つ。フラッシュの光が当たりを照らす。はたから見ると物凄い攻撃をしたように見えるがフラッシュは目つぶしなので全く攻撃力はない。

 それでもフラッシュの目つぶし羊は自体は効いていたようでふらふらしている。さらに矢を連続して射つとポリゴンになって消えた。フラッシュは大量に撃つと状態異常を起こさせるようだ。すぐに追撃したので状態異常が何だったのかは確認してない。もう一度撃って『夜目』で確認すると混乱だった。フラッシュで混乱したというのは聞いたことないので突然の出来事に混乱したというのが正しいのか?まあ使いでがある様で良い事だ。

 氷の矢は思った通りの威力で、連撃しないと倒せなかった。それでも矢だけで倒せたのは矢の威力が上がっているからか?

 木魔術の矢は独特だった。将来はともかく現在はウッドロープしか使えない。ウッドロープをかけて飛んで行った矢は当たった時点でロープを出してぐるりと狙いをつけていた牛を一回りした。


「何だあれ」


 10本の矢が当たったので体全体が緑の蔓で覆われた感じである。アイビーホルスとかそんな名前の新種のモンスターにも見える。ただし、基本的に相手の足元にロープを張って転ばせる魔術がウッドロープなので別に拘束するわけではない。動きにくそうではあるがランスホルスはそのままこっちに向かって攻撃に来た。


「まだまだ」


 氷の矢で追撃を繰り返す。目の前まで来たとき杖に武器を切り替えて頭へフルスイングを叩きこんで戦闘が終了した。

 しばらく試行錯誤して、ここでの戦い方はまずフラッシュの矢で相手を混乱させる。壁代わりにウッドロープを俺と目標の間に何本も張っておく。その後は氷の矢を連射する。と言う戦い方になった。多少ウッドロープも足止めにはなっているので良しとしよう。


氷魔術Lv10   スノーウェーブ

 小さな吹雪を複数相手にぶつける。最低確率で状態異常:凍傷にする。

光魔術Lv10   ブライト・ボール

 光の球を生み出して相手にぶつける。

木魔術Lv10   リーフ・カッター

 木の葉を生み出して相手を切り付ける。


 攻撃魔術を覚えて少し楽になった。弓を使わずに魔術だけで敵を倒すことにする。


氷魔術Lv30   アイスブロック

 氷の塊を生み出して相手にぶつける。

光魔術Lv30   ブライト・アロー

 光の矢を生み出して相手にぶつける。

木魔術Lv30   ウッド・ピラー

 木の柱一本を下から生み出す。


 ようやくレベル30の呪文を覚えた。次はビギの砂浜だ。


戦闘センス:≪命中≫≪弓≫≪氷才能≫≪光才能≫≪木才能≫≪杖≫

予備センス:≪魔術才能≫≪盾術≫≪逃走≫≪視覚察知≫≪刀≫≪サバイバル≫

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