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114地下通路です

誤字脱字修正しました。ありがとうございます。

 さて困ったことになった。図書館の村に出発しようとして、行き方をユウリに聞くと、


「簡単よ、入り口を聞いておいたからナントが大きくなった後私を連れて行ってくれたらいいの」


 と、言われた。


「そうか」


 巨大化して…、ここでこの前ユウリと一緒に行動したことを思い出す。


「また俺の掌で移動するのか?」

「そんなことしたら目立つじゃない。ポケットにでも入れてくれればいいわ」


 ユウリの言う通り、裸装備という状態になると太腿の所にポケットが付いている。しかし現在俺が装備している鎧は腰の横部分からガードが垂れている形なのでポケットに入ると鎧を着た状態ではユウリが顔を出せない。というかポケットに入れるのが恥ずかしい。男性なので胸ポケットや頭の上ならともかく下半身のポケットというのがちょっと。


「という訳で、鎧を着ているから無理」

「じゃあ鎧を脱いでいけばいいでしょ?」


 いやそういう問題ではない。


「とにかく、無理。別の方法を考えよう」

「仕方ないわね、じゃあ図書館の村に行く商人の車に乗せて行ってもらいましょう」


 俺の抵抗にユウリが行き方を変えてくれたので一安心だ。


「まず商人を探さないとね」

「空旅人の場合、ギルド的な物に商人の方が移動の時の護衛を募集しているんだが、小人族は何処でそういう募集をしているんだ」

「受付よ。村の出入りを管理しているから出ていく人ならあそこで分かるわ」


 小人族は仕事が多いようだし受付が結構権力を握っている感じだな。そんなことを考えながら受付へ出向いた。


「すいません、図書館の村に行きたいんですけど、便乗させてもらえる商人さんは居ませんか?」


 ユウリが受付のお姉さんと話しているのを見ているしかない俺です。


「図書館の村にですか?しばらく図書館の村行きの商人はいませんね、移動する人も少ないですし、歩いて行かれた方が早いですね」


 受付の権力がどうこうというより出入り自体が少ないという可能性の方が高いな。


「そうですか、車は借りられませんか?」

「車は余っていませんから、貸し出しはできません」

「どうする?これを使うか?」


 もらった紹介状をユウリに見せてみる。


「う~ん、いいわ。今回は歩いていきましょう」


 受付のお姉さんにお礼を言って離れる。今回は歩きというが道がどうなっているのかは不安だ。


「ほら、あれが車」


 指さされた方を見ると1匹の鼠が馬車のようなものを引っ張っていた。この前会出あった店員の鼠よりも何倍も大きな種類でトンネルの中へと入っていく。


「車はあのトンネルの中を走っていくの、直線だから早いのよ」


 高速道路みたいな車専用道路か。てっきり自動車が機人から買ってあるんだと思った。


「人はあのトンネルに隣接してるこっちの道を歩いていくの」


 鼠が入ったトンネルの横に同じほどのトンネルがあった。人が歩く道にしては大きいからてっきり上下線のようなものと思っていた。


「結構大きいな」

「大八車引っ張っていく人もいるからね」


 そういえばそうだ。プレイヤーはともかくこの世界では荷物の移動は大変なんだ。レンガを積んでアーチを描いている立派な道だ。足元もレンガが敷き詰められている。ここを歩いていくのか。長そうな道のりだ。


「どのくらいかかるのかな」

「車で半日くらいだし丸一日歩いたら着くんじゃない?」


 俺は歩くだけではなんだからとユウリに話しかけた。


「そういえばさっき受付の人が言っていたから思ったんだが、旅行する小人族って珍しいのか?」

「そこまで珍しくもないわよ。一生に一度は別の場所に行って観光旅行に出るのはよくあることだし、村長の若いころは村にほとんどいないほど旅に出てたって聞いてるもの」


 村長が旅に出ていた人か。


「旅する小人って大変そうだけどな」

「大きい人たちが知らないだけで、結構ルートは整備されてるのよ。観光旅行なんて整備されないと出られないでしょ」


 リアルで当たり前な事を言われてしまった。ファンタジーなのにこういうところは現実っぽいゲームだ。


「こっちも聞くけど、空旅人は旅行はしないの?」

「してる人はいると思う。とはいってもここまで整備されている道を歩くという感じじゃないと思うな。どうも王都と大都市を結んでいる街道以外は整備されていないみたいだから、道なき道を行く人の方が多いと思う」


 観光もドラゴンを見たいといって迷宮ダンジョンに挑みに行くような形だから安全ではない。


「ユウリは観光っていう割に、さっさと観光終わらせてるみたいだけど結構見ただけで満足するタイプなのか?」


 俺は記念品を1個買って帰るタイプである。箱いっぱい謎のお土産がたまっている。


「いいえ、神殿の村までは結構来てるのよ。何しろ王都の出入り口だから。それから小人虹鉱を稼ぎにアルバイトするのにしばらく滞在してたことが何回かあるわ」


 ビギの方の村には小人虹鉱なんて見たことがなかったからあっちは物々交換が主で貨幣経済は町にある村が主なのか?


「この機会に聞いておきたいことがあるんだけどいいか?」

「何?」

「小人族の道を使ってることもあるし、小人族の中でやったらいけない事とか話したらいけない事とかあったら教えてくれ。後小人虹鉱の使い方とか集め方とか」

「今更ね、もうちょっと早く聞きなさい」

「思いつかなかったから仕方ない。思いついたらすぐに聞く方針なんだ」


 ユウリが呆れたと肩をすくめる。


「まあいいわ。大事な事も話しておいた方がいいだろうし、教えてあげる」

「ありがとう」


 歩きながら俺はユウリから小人族の話を聞くことにした」


「まずやったらいけないことは小人族の事を他の人に言いふらさない事ね。ナントならこれはしないと思っているけど」

「言いふらしてはいないな。というか例の映像でばれたから聞きに来る人はいるけど、今はビギの村がなくなったから何もできないとごまかしてるだけだな」

「それでいいわ、神様から姿を現していいという時まで表立っては動かないようにしてるから」

「表立ってって、裏では何かしているような言い方だ」

「見つかってしまった人が、見つけた人が信じられるなら色々と協力してもらっているの。ナントもその一人よ」


 普通に貿易しているようだったが機人族には見つかったのか?


「その他には特に人間と変わらないわね、空旅人は人間…よね」

「そこで何で疑問形なんだ。俺は人間だな。空旅人もエルフやドワーフや色々増えてきたからひとくくりでは言えないけど」


 種族転換のシステムが見つかっているからプレイヤーの能力も多彩になったという。


「へえ、ナントもエルフとかになれるの?」

「人間から他の種族にはなれるけど、他の種族から別の種族へはどうなんだろう。課金か作り直しか」

「何それ」

「いや気にしないでいいよ。まあ無理とは言わないけど俺はなるなら空が飛べる種族になりたい。特になる気はないけどな」


 空を飛ぶのは人類の夢です。でも獣人族であっても鳥型とか蝙蝠型とかは種族転換できない。別にそういう種族がいるんじゃないかという噂だ。


「そうそう、小人族と人間族と言えば、昔小人族を愛玩用に捕まえていたって歴史があって、そういう扱いをする人間は嫌われるわね」

「よくある話だ」


 ゲームによっては小人族は体が小さいから脳みそが小さいみたいな扱いでペットにされているものもあるし、そういう話は何処にでもあるんだろう。


「それで、本来小人族は自然の中に住んでいる種族だったんだけど、王都みたいな場所に住んでいるのはその時捕まっていた人たちが逃げ出したからっていうのが一種の都市伝説ね」

「都市伝説ですか」

「そう、都市伝説。昔過ぎて実際はどうなっているのか分からないもの。ただ、戦争なんかが起こった時のために監視役みたいなこともやってるらしいわよ。都市伝説だけど」


 都市伝説が多いな。緑のおっさんも小人族として登場しそうで怖い。


「昔過ぎてって、小人族は寿命が何歳なんだ」


 小さい生き物は寿命が短く世代交代が激しいパターンと、小人みたいな伝説的生命体は寿命が異常に長いパターンがあるがどっちだ。


「寿命って、200年くらいかしら」


 後の方か。でもものすごく長いわけでもないな。β版の時点で小人族とは友好的だったようだし、ということは結構月日が流れてたみたいだからさらに流れている現在だと大昔というわけだ。


「ユウリも俺より年上だったりするのか」

「何よ、まだ見た通りの年齢でしかないわよ」


 ここで何歳に見えると言ったら怒られるのがよくあるパターンである。


「それで、正体をばらさないのと愛玩動物扱いしないっていうのほかはないか」

「特にないわね、後は村それぞれの話が多いかしら」

「村それぞれね」

「そうよ、神殿の村で変な邪教の教えとか話してみなさい。追放されるから」

「それは何処でも変わらないような」


 邪教なんてあるのかという気もするが、イベントではありそうだ。


「それから小人虹鉱ね、あれは秘密の鉱脈で獲れる小人族だけの金属なの」

「秘密の鉱脈はともかくとして、小人族以外も鉱脈があるなら見つけそうなものだけどな」


 ドワーフが知っているとか。


「全体的な量が少ないから、小人族しか気づかないらしいわ。大きい金脈のすぐ隣に肉眼で見えないほど小さい鉱脈があっても気づかないものでしょう」


 それは分かるが、変に魔法や科学とかが発達しているこの世界に気付かれないものがあるのかという疑問はある。実際鉱脈を見ないと分からないか。


「なんでも加工は難しくてね、加工するよりも重量で測った方が早いからそのままの形で流通してるのよ。加工しなくても一定の重量になるって不思議な鉱石みたいだから」


 ファンタジー素材ではあるが、何が元なのか全く分からない。例えばエルフ銀とかいうのはミスリルであるというように、種族ごとに特殊金属や素材があるのは知っている。しかしこれは元ネタがなんなのかが分からない。


「機人はこれが何かに使えるらしくて、一定量の買い付けをしてるの。対価に何かの機械をもらってるわけ。その権利は順々に足りない村優先で回っていくのよ」


 機人の方が使い方を知っているというタイプか。なんに使うのか分かれば普通の鍛冶にも使えるな。


「ビギの方の村ではあの原子分解キャノンだったなんだったか、あれぐらいしか見てないんだが、必要なのか?」

「そうね、こういうのは都会の方はともかく自然の恵みの中で暮らしてる分にはそんなにいらないわね。でも自爆装置使っちゃったから、今回はそれを発注すると思うわ」


 自爆装置が機人のメカだったか。どれだけの量で買うのかは知らないが結構な高値で取引されているんではないだろうか。機人に出会ったら聞いてみよう。小人族の村をうろうろしていたらいつか会いそうだ。


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