表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/135

105弟に聞いてみました

 今日の夕食は野菜炒めでした。

 食後の休憩時間を過ごしていると弟がやってきた。そして俺の蓄えていた菓子を食べ始める。


「こら、一言言ってから食え」

「兄ちゃん、もらうぞ」

「いうのが遅いわ」


 別に食うのは構わない。兄弟がいると菓子などは早い者勝ちになるので好物は後で食べるなんてことはしなくなる。兄弟によくあることだ。


「そういえば弟よ」

「なんだ兄よ」

「最前線プレイヤーとか、普通のプレイヤーとか、何をやってるんだ」

「何をとは何だ」

「いや、毎日ダンジョンに行くのは飽きてこないかと思って」


 弟は持っていた本から顔を上げる。


「兄ちゃんがそういうことを言うのは珍しいな」

「ようやく王都について腰を据えて攻撃力アップを図ろうと思っている。それで毎日何をやるのかと思ってな」


 王都のダンジョンで潜って鉱石を採って鍛冶をすると言うのがこれからの日課になる。


「鍛冶か。攻撃力アップって、魔術使うんなら知力アップの仕事した方がいいんじゃないか?」

「それもやる。弓は攻撃力で引っ張って器用で命中だから攻撃知力器用を上げていく予定だ」

「防御の事も考えろよ。兄ちゃん避けるの面倒だからいっつも受け止める形だろう」

「全部上げるのもきついしな」

「方向を決めないからそうなるんだ。魔法剣士並みの面倒な成長方法選んでるぞ」

「魔法剣士って面倒なのか」

「面倒だな」


 そうか、面倒なら魔法剣士は候補から外しておこう。


「実際、生産職に就く気はないんだけど、生産に手を出すわけだからどういう風な付き合いをしたらいいかという話もある」

「兄ちゃんが周りを気にしすぎてぼっちになっているのは知ってるけど、そこまで気にしないでもいいと思うな。なんだったら生産品は全部NPCに流したらいい。値段は生産職にかなわないけど、そこそこの値段で引き取ってくれる」


 なるほど、その手があったか。


「でも、組合みたいなものはないのか」

「あってもまだギルド作る前だから、そこまで強くないな。第一、フリーの生産職もいるわけだから」


 それならそこまで気にすることはないか。


「で、実際クエストとダンジョンに潜る以外何をやってるんだ」

「何をやるかによるな。そして兄ちゃんに分かりやすく言わないと分からないな。ちょっと待て」


 何か失礼なことを言われたような気がする。


「よし、考えがまとまった。兄ちゃんの質問を答えよう。好きに聞いてくれ」

「俺は簡単なダイジェスト版みたいな形での説明を聞いたらそれでいいんだが」


 それに沿って行動を決定するから。


「そういいつつ兄ちゃんは自分が興味のありそうなことに首を突っ込んでいくから無理」


 そうだったかな。


「それで、何から聞きたいんだ」

「俗に前線と呼ばれているプレイヤーは何をやってるんだ。全部語られると訳が分からなくなるのでお前の体験談でいいや」

「何って、攻略だよ」

「攻略って、ダンジョンに潜るのとクエストをこなすのと以外に何かあるか?RPGだからNPCに話しかけるのはやるけど」

「そうだな、普通に話しかけたりギルドのランク上げたりするとクエストが回ってきたりするよな。で、普段の行動だが、訓練と金稼ぎは分かりやすいよな。後は個人によって変わる」


 アーツだのスキルだのと普通の人間にやれないことをやる訳で、練習が必要ということで訓練。生産職なら生産品を作って金稼ぎ、戦闘職ならドロップアイテムを目的に戦闘して金稼ぎというのは分かる。


「基本的に俺はアーツの練習にクエストとかを選ぶよりはダンジョンアタックで実践的な練習をするのが普通だ」

「分かった一人で大声で必殺技の名前を叫びながらやるんだろう」

「俺はそれはやらない」


 違うのか。一人ならやりそうだと思ったんだが。


「それで、ドラゴンロアーとしてはドラゴン素材を探すのが目的だから、素材の採れるダンジョンを周回するとか、クエストがあるんじゃないかとか探しているわけだな」

「今は例のCMのドラゴンでも探していそうだな」

「そう、それは探してる」


 これは予想が大変だ。


「ドラゴンロアーってことでやっているということは俺もある程度やらないといけないだろうけど、ドラゴンってそんなに周回できるほどいたか?」

「今はデミドラゴンの種類しかいないからそういうのだな」

「ボスがデミドラゴンのダンジョンってそんなに出るのか」

「いや、普通のモンスターで出てくる」

「どこの地獄だ」


 デミとはいえドラゴンがそこら中にいる状態で戦うなんて無理がある。


「兄ちゃんが考えているような地獄のドラゴンは普通のドラゴンかでっかい蜥蜴だろうから訂正しておくと恐竜型、爬虫類型はもちろんの事動物に近いタイプの奴もいる。例えばホーク・ドラゴンとかいえば鷹にワイバーン足したようだし、スネーク・ドラゴンなら角のある蛇にしか見えない」


 後でモンスターをまとめている画像サイトで確認しよう。


「それに何もする気が起こらないときは何もしない。飯食って散歩して買い物するだけという日もある」


 ああそれは俺も現実でそんな日はある。


「検証パーティは検証するのがクエストの代わりみたいなもんだし、兄ちゃんなら暇な時間は本屋とかに行きそうな感じだよな」

「図書館になら行ってるな」


 図書館にこもりたい日もある。本屋はまだ見つけていない。あるなら探してみよう。


「そういえば兄ちゃんは小人族に会ってたんだったな。そっち方面で素材を集めるとかもいいかもしれない」


 小人族とは交流できないということになっている訳だがどう説明しようか。


「小人族は人に見つかるとまずいという神様のお告げがあったとかで、どっかに引っ越して言った」

「なんだそりゃ」


 弟の目が詳しく話せと言っている。


「そのままだよ。俺がCMに出たことを説明しに行ったら、見つかってはいけないというお告げがあったらしい。俺にそれを説明してからどっかに言ってしまった。新しく村を作るみたいだけどどこに作るか聞いてないから知らない」


 サンドマンさんに頼んだ掲示板が早く広まればいいと思う。


「そんな設定が小人族にあったのか」

「あったみたいだな」

「するともう小人族とは会えないのかな」

「知らん。またばったりと会うかもしれないし会わないかもしれないし」

「まあ兄ちゃんは変なプレイやってるからまた会いそうだな」


 普通にプレイしているだけだぞ。


「ところで小人のドラゴンは何かいなかったのか」

「知らない。そういう話の雰囲気じゃなかった」

「そうか。じゃあ何か小人族の言っていた重大っぽい情報はないのか」

「特にないな」

「兄ちゃんは情報の採り方が下手だから信用できないけど、まあいいや」

「サンドマンさんに掲示板にあげといてくれと頼んだから、そっちを見てくれ。情報を教えておいたから」


 俺が話したどこまで話すかは知らないが、どういう情報がいいか悪いかはサンドマンさんの方が詳しいから大丈夫だろう。


「兄ちゃんサンドマンさんと知り合いなのか」

「いつか上質の素材で鎧作ってもらおうと思ってプレイヤー屋台に行ったら囲まれてな。その時に素材を一括買取してくれたのがサンドマンさんだ」

「そうなのか、あの人には俺たちもよく売買に行くから、兄ちゃんが王都にいる間ポーション買っておいてくれとか頼むかもしれない」

「それは構わない」


 サンドマンさんというか俺の中でセット扱いにしているユーキさんを思い出して弟に聞いてみることを思い出した。


「そういえば、俺、今度ガーディアン・フォウルの素材で鎧を作ってもらったら、ビギの草原の素材で作った鎧が始まりの鎧とかいうレシピになったそうだ」

「まあた秘匿情報みたいな話を」

「いやそれでな、その時にガーディアン・フォウルのサファイアというアイテムを使ったら始まりの鎧(真)とかいう扱いになって始まりの鎧より能力が向上したんだ」

「ああ、兄ちゃんガーディアン・フォウルからオーブ採れたのか」

「オーブってなんだ?」


 俺の説明の最中に弟が新しい単語を言ってくる。


「ボスモンスターを倒すとボスモンスターの名前の宝石が極稀に取れるんだ。赤かったらルビー、青かったらサファイアという感じでな。ひっくるめてオーブと呼んでいる」

「成程」


 というか俺は狩りを続けていたら結構とれたな。初心者用の処置だろうか。


「オーブを使うと真が付いたということは、ほかのシリーズのレシピもそういう事だろうな。今までオーブをそういう風に使ったやつがいなかったから分からなかったという感じかな」


 じゃあどんな風にオーブを使っていたんだろうと思う。そしてオーブの使い方を聞こうと思っていたので丁度いいと聞いてみる。


「弟や、俺はオーブの普通の使い方は知らないんだが、普通どうやって使ってるんだ」

「オーブの使い方?基本、オーブが採れるのがボスモンスターで、ボスモンスターの素材は同じモンスターで作った場合ボーナスが付く。それで、そこにオーブを加えるとボーナスがアップする。だから使い方は同じだな。ただ、オーブがセンスを加えるタイプの能力の場合、部位とかに融合させて武器にセンス持たせるなんてこともやる」

「へー。センスを持つオーブがあるのか」

「ある。とはいっても早々は見つけられないな。基本ボスモンスターがオーブを出すわけだけど、固定されてるダンジョンのボスモンスターからとれるのはまずセンスじゃなくてボーナスタイプの物だし、ランダムダンジョンのボスモンスターが時々落とすくらいかな」

「そんなものか」


 オーブはまた手に入れた時でいいや。


「お風呂入りなさ~い」

「弟、風呂だってさ」

「兄ちゃんが先に入ってくれ」

「いや弟が先に入ってくれ」

「俺が先に入れって、兄ちゃん何かするのか」

「ぼーっと本を読む」

「後でもできるだろうそれ」


 何故言われると風呂に入りたくなくなるのかは知らないが弟とどっちが先に入るかしばらくもめて、言い負けたので仕方なく風呂に入ることにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ