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シーズン・シリーズ

シーズン・ストーリー 巡り会う四季

作者: アワイン

題名を変えました。

冬の王子様、春の騎士様、秋の執事様、夏の魔法使い様のお話を読めばわかります。シーズン・ストーリーの最後の話になりますがよろしくお願いいたします。

物心がついたときには、私はそこにいた。

裕福な貴族の家に居て、綺麗な服を着て、母に抱かれていた。

私は何で此処に私が居るのかが、分からなかった。

寒い雪の中、私は三人兄弟の長男として生まれ、冬の名前らしく私は『ルカ』と名付けられた。家の姓は『スノーブライド』。

『ルカ・スノーブライド』。

幼い頃から、その名前がしっくりときて、不思議だった。


――幼い頃の私は勉強熱心で優しいと言われ、周りから人気があったと言う。

しかし、『私』には会いたい人が居るような気がした。

『行かないで』と言った女の子が。

名は何と言っただろうか。

「気にしない方が良いだろう」

私はその頃は気にせずに勉強をしていた。


――数年たったのある日。

私は物を凍らせる魔法が使えるようになった。

…いや、物を凍らせる魔法ではなく『冬の魔法』と言うべきであろう。冬の魔法を容易に操る姿はまるで指揮者のよう。その時の家族は驚いており、すごいと誉められた。

まるで『冬の王子』様のようだと。


『冬の王子様』。


その言葉を聞いて、私は少し思い出した。

春、夏、秋、冬の国と別れる前の王国を治めていた王子で、魔女に『不老不死』の呪いを掛けられた事を。

三人の友がいて、私と同じように呪いを掛けられていた事を。

――そこからの私は日にちをかけて、必死でそれぞれの四季の国に関する話を調べた。


――春の国には、魔女に呪いを掛けられた『春の騎士様』という守り人の石像がある。


――夏の国では、『夏の魔法使い様』が愛しい人の為に、自らの命を与えた。


――秋の国は、『秋の執事様』が少女に伝えていない想いがあり、『秋の執事様』の一族が代々、その想いを守っていた。


ヨハネ、シモン、フィリポ。

友が呪いに掛けられ、苦しんでいたことを知り、私は何とも言えないほど悲しく切ない気持ちになり、謝りたいと考えた。

最後に私は『冬の王子様』を調べた。

――人の温もりを忘れ、冷たい心を持った王子様。

私の事だと分かっていたが、今の私は冷たい心を持ってはいない。

誰が私に温かな気持ちを思い出させてくれたのだろう。

【 大好きだから…大好きだからいかないでっ!】

「大好き?」

私は温かな気持ちになり、胸を押さえた。

身体中に広がるような温かな気持ち。温かな気持ちを思い出させてくれた少女。

「…ヘスティア」

名を言うと、心が温かくなる。

「ヘスティア…ヘスティア…」


――ああ、そうだ。


私はやっと思い出した。

ヘスティアと言う少女が、私の『不老不死』の呪いをとき、私に温かな気持ちを思い出させ、大好きと言ってくれた大切な愛しい少女。

外を見るとはらはらと雪が降ってきた。

今の季節は冬。 冬を好きにさせると言って、強引に城にすんだ少女。幼い少女の姿を思い出し、私は思わず笑ってしまった。

「…冬は好きだ」



――何で、私が此処に居るのかは、わからない。呪いが解かれるとき、春の暖かさによって雪解けするように私は死ぬはずだった。

…『奇跡』と言うやつだろうか。

いかないでと言ったヘスティアの思いが届いたのだろうか。

『奇跡』が起きたのだから、私はヘスティアに会いたい。

会って、優しく抱きしめたい。



――私は家を継がずにヘスティアの元に行くことを決めた。

ただ、何もせずに行くわけにはいかない。ヘスティアの住んでいた村には学校はないはずだ。今後のために、教師になるために勉強をすることにした。

両親は反対だったが、粘り強く説得をした。


そして、年数がたち、私が二十歳前半になった。私はその年で教師としての経験を積んでいた。

両親は折れて、私を送り出してくれた。

やるなら、しっかりやりなさいと。

下の兄弟も私を温かく見送ってくれた。

頑張ってと。

今此処にいる母と父は、昔の私の母と父ではない。だけど、私の『母と父』であるには変わりはない。

今の両親に感謝をし、私は冬の国に旅立った。


冬の国に行くには船を乗り、春、夏、秋の国を通らなくてはいけない。

目立つ容姿なので、私はフード付のマントを羽織って顔を隠した。


――私はそれぞれの友人の事が気になっていた。友の事を確かめるため、それぞれの国に立ち寄った。



――春の国はやはり名の通り、暖かな気候だった。とある町に立ち寄ると、町の広場には『春の騎士様』と呼ばれた石像があった。

「…ヨハネ」

名を呼んでも返事はない。

――伝承の通り、ヨハネは魔女に呪いを掛けられ石化したのだろう。私は目を細め、遠い日の記憶を思い出していた。

ヨハネは敵国に滅ぼされた騎士の一家の生き残りだった。

王宮の騎士長に引き取られ、王国に忠誠を誓う代わりにスプリングス家の復興を約束した。

私とヨハネは幼い頃から、 騎士と王子と言う身分は関係なくよく遊んでいた。

「そういえば…昔の幼い頃はよく競いあっていたな…」

剣術ではヨハネに勝てなかったが、勉学では勝っていた。悔しがりながらも、誉めあっていた。

「…お前は…寂しくなかったのか?」

私は問いかけると声を掛けられた。

「どうしました?」

私は黒髪の娘に気付き、ヨハネを見た。

「…この石像が私の親友に似ていたから、つい見てしまった」

「友人に似ていたのですが?」

頷くと私は娘の姿を見た。 箒と娘の格好からして、魔法使いだろうとわかったが、思わず聞いてしまった。

「…見た所、魔法使いのようだが」

「信じられないと思いますが、私は春の騎士様にかけられた呪いをとこうと頑張っている所なんです」

驚いた。

この娘はヨハネの事を知っているのだ。シモンから聞いた話によるとヨハネは石化しても話せたと言う。

そうか、ヨハネはこの娘と…。

気付いたら、微笑んでいた。

「…そうか、あいつは…」

「…どうしました?」

「いや、何でも」

「旅人さんは何処に向かうのですか?」

「冬の国だ」

冬の国の方向を見て、私は愛しさが込み上げた。

「…国許を出て、いかないでと言った相手に会いに行くところだ」

「…大切な人なのですか?」

「ああ」

とても、とても大切な人。

私は頷き、娘を真っ直ぐと見た。


この娘なら…きっと、ヨハネの呪いをとくだろう…。


「…そこにいる友を頼むな」

娘にヨハネを頼み、私は冬の国に向かった。


「…あの人…騎士様の事…知ってた…?」




――夏の国は春の国に比べて、暖かった。いや、少々、暑いと言うべきだろう。私は冬の力を身に宿しているため、暑いのが苦手だ。風呂は温い方が、私にとってちょうど良い。冬場の水風呂でも平気だ。

しかし、熱風呂はいただけない。

「夏の国…一回来ただけで、十分だな」

暑い。

薄めの塩水を飲んで、日陰に休む。照らされる日差しはたまったものではない。

町はお祭りがあるのか、飾りや屋台などがあって賑やかだった。

「…元気で良いことだな」

今宵は『夏の魔法使い様』による花火の魔法が放たれるらしい。シモンの事を思いだし思わず笑ってしまった。

花火の魔法はシモンの想い人の為に作った魔法。よく『恋の魔法』とからかっていた。

シモンとの出会いは、宮廷の魔法使いとして推薦されたときだ。緊張していたシモンに気楽に話しても良いと言えば、戸惑いを見せていた。公務の場以外では、王子ではなく、名で呼んでいた。

――しかし、シモンと最後に会ったのは、ヨハネとフィリポの事を伝えに来た日のことだ。

私の呪いはとけない。そう言われた後、私は現実を受け入れられなかった。

…その後シモンには申し訳ないことをした。感謝と謝罪、報いの言葉をかけず、出ていくように言ってしまった。

…シモンの最後を知ったのは、『夏の魔法使い』の話を知ってからだ。昔の私は人との関わりを断ち切り、城に閉じ籠っていたのだから。

「…はっ」

あの時の自分を鼻で笑ってしまった。

謝りたいのに、もう会えないのだ。

「……行くか」

私は立ち上がって、町に宿に帰る。


…パァン。


――その日の夜、私は宿から花火を見た。

赤色の花火。青色の花火。黄色の花火。

まさしく、夏にふさわしい光景だ。『夏の魔法使い』が花火を打ち上げているのだ。

「…シモン。こんな形で謝ることになるが…悪かったな」

遠くにいる友に謝り、微笑んだ。

「…暑いのはこりごりだが…花火は毎年、見に行こう」



――暖かいが少々風に冷たさがある。

紅葉で有名な秋の国だが、それは季節が秋だけ。あの日、私が消えてから、それぞれの四季の国に少しずつ変化があったようだ。四季の国に別れる前の王国の気候にに戻りつつあると言うことだ。

「『秋の執事様』か…」

『秋の執事様』であるフィリポの墓を訪ねたかったのだが、一族の許可なく墓参りをすることは許されないらしい。

シモンと同じように『秋の執事様』の話で、フィリポが亡くなったのを知った。せめて、花を手向けたかったが、私は諦めることにした。


――フィリポとは幼馴染みといえる関係だった。小さい頃からいるのが当たり前で、いなくなることがあり得なかった。

王子専属の執事なのだから、当たり前と言えば当たり前だ。

だか、呪いを掛けられた日。フィリポとシモンも呪いを掛けられた。二人は私に呪いの影響を及ぶのを恐れ、城から去っていった。

「…悔やんでいても…仕方がない」

私は馬を引いて、丘を歩いていた。

丘の風景は見事で、葉が色付くと綺麗だろう。その丘をスケッチブックに描いている娘がいた。

少し絵が見えた。

――見事な色使いと画力だ。丘の風景をそのまま描きうつしているだけでなく、自分なりにその風景を表現している。

「…あの」

娘は私に気が付いたのか、こちらに向いた。

「…ああ、失礼。絵が見事な物だったので見てしまった」

「そうですが。ありがとうございます」

娘は微笑んで、スケッチブックの絵を見せてくれた。

小川の絵。

町の笑い合う人々の絵。

「…見事だな」

思わず感想を言うと、娘は嬉しそうに笑った。

「ありがとうございます。私はこう見えても、画家でして『秋の執事様』の本の挿し絵を描いていたのです」

「…ああ、あの本か」

話題の小説になっている本。買いたいのだが、本屋に行っても大体売り切れているので、買えてないのだ。

「あまり、読んだことない本だが…」

「もしよければありますけど、読みます?」

本を見せるが、私は首をふった。

「…いや、よしておく。楽しみは最後にしとっておきたいからな」

「そうですか」

娘は笑い、私を見て驚いた。

「…綺麗ですね」

「…そうだろうか?」

苦笑をしてしまったが、娘は私の方に向いて、頭を下げた。

「貴方をモデルに絵を描いてもいいですか?」

「…簡単になら」

私は承諾をして、娘のモデルになった。簡単なスケッチだが、それでも娘の絵は温かみのある絵だった。

――宿屋に帰る途中、早速、『秋の執事様』の本を買った。

「…っ」

『秋の執事様』

作者フィリポ・オータム。

挿し絵ダナ・コスモス。

驚いた。

作者がフィリポだとは思わなかったからだ。…だが、中身を読んで確信した。

これは、フィリポの書いたものだと。

そして、挿し絵を描いている娘――ダナはこの話の主人公なのだろう。

「…ふっはは」

――あいつは…フィリポは幸せになっているのか。

嬉しく思い、私は本を楽しんで読んだ。



馬を連れて、私は冬の国にやって来た。

そのときの季節は、ちょうど冬。

私はとある村に来ていた。

ヘスティアを送った村。雪が家の屋根に積もり、村人が雪かきをしている。息を吐くと白い。まさしく、冬の国にと言うべきである寒さだ。

「…!」

とある娘に目がついた。

太陽のようなハニーブラウン。三つ編みの可愛い暖かな娘。

娘は私に気付いて、声を掛けた。

「あのすみません。宿を探しているのですか?」

「……」

――ああ、ヘスティアだ。

私の心の中は喜びに満ちていた。

私より少し年下だが、ヘスティアは綺麗な娘になっていた。ヘスティアは私を旅人と勘違いをして、宿の道案内をしていた。

「えっと…宿はこの先にある角を曲がった所です」

「……」

わざと何も言わないでいると、ヘスティアは困っていた。その様子を見て面白いと思い、震えて笑ってしまった。

「…まさか、あの小娘が綺麗な娘になるとはな」

「…えっ?」

声を出すと、ヘスティアの目が見開いた。フードを外し、顔を見せるとヘスティアは非常に驚いていた。

――それもそうだろう。いきなり、変わらぬ冬の王子様がいたのだから。

「ったく、いかないでといったお前のせいで、休むにも休めなくなった」

私は微笑んで真っ直ぐと見た。

「……っ」

「責任をとれ。ヘスティア」

そういったとたんに、ヘスティアは私を思い切り抱き締めた。だから、私は抱き締め返した。

「なんで…此処にいるの?」

何でか…それはわからない。だが、分かることはある。

「会いたいという気持ちが強かったからかもな」

思いを込めて、私は言った。

「ずっと、一緒に居よう。ヘスティア」

その後――お互いの影は重なりあった。



あの日、私達はお互いに結ばれ、数年たった日に結婚式を挙げた。村の小さな結婚式だが、私たちにとっては大きな結婚式になる。

――ヘスティアの雪のような白いウェディングドレス。私の家族が用意したドレスだ。私は白いタキシードを着て、溜め息を吐いた。

「まったく…母様と父様は…小さな村の結婚式で高価なドレスなど…」

「良いじゃない。冬の王子様が相手なんだから」

「……恥ずかしいから言うな」

やり取りをして、教会で結婚の流れをびと通りやり、最後はブーケを投げる。

頭の中で流れを繰り返し、教会の扉が ――開いた。

「――なっ!?」

私は驚いてしまった。

レッドカーペットの先には――三人。よく知っている人物がいたからだ。

「結婚おめでとう! ルカ!」


――『春の騎士』のヨハネ。


「結婚式に僕達を呼ばないとは、水臭いよ。ルカ」


――『夏の魔法使い』のシモン。


「王子――ルカが結婚とは友として喜ばしい限りです」


――『秋の執事』のフィリポ。


「えっ……なっ……はぁっ!?」

三人はそれぞれ正装をして、私達を祝っていた。

――何がどうなっているのか。三人が何で此所にいるのか。

私は混乱していると隣でヘスティアがいたずらっ子のように笑った。

「久々の親友の再会だよ。ルカ」

「…お前の仕業か」

「そーです。友達の経由でサプライズで呼んだけど、大成功だね 」

まったく、こいつは……。

すると、目の前にシモンがやって来た。

「本当におめでとう。ルカ。君が幸せになってくれて、僕は嬉しいよ」

「…シモン…」

私は謝った。

「…すまない。お前の忠告を聞いていれば…国は…」

「…別に僕達は君を恨んではいないよ」

そう言われ、シモンを見るとにこやかに笑っていた。

「僕は嬉しいんだよ。君が――『冬の王子』であるルカが幸せになってくれることが」

「そう言うこと」

ヨハネが肩を組んできて、笑った。

「こうして、再会できたんだから笑おうよ。ルカ」

明るく笑うヨハネに、フィリポが声を掛けた。

「ほら、そろそろ、邪魔になりますから行きましょう」

シモンとヨハネは言われた通り、道を開けた。フィリポは私に向いて、微笑んだ。

「…『冬の王子様』の執筆がまだなんですよ。…書いたら、一番の読者になってくださいね」

「…ああ」

「おめでとう。ルカ」

フィリポはそう告げ、道を開けた。去っていく三人の背中に声を掛けた。

「――ヨハネ、シモン、フィリポ!」

三人が振り向き、私は万感の思いを込めて言葉にした。



「――ありがとう!」



すると三人は笑って返してくれた。私も笑うとヘスティアは嬉しそうに笑っていた。

「…なんだ」

「ん、嬉しそうだなって」

「――ほら、早くブーケを投げろ!」

「はぁい!」

照れ隠しに急かすと、ヘスティアは笑いながらブーケを投げた。




再会した私達は時々文通をし、お茶会を開いて、話し合ったりした。

ヨハネは剣術を教える道場の師範をしており、フィリポは貴族の仕事をしながら執筆活動に勤しんでいる。シモンは現役の魔法使いとして、働いているらしい。

――現在、それぞれの違う道を進んでいる。その為、会う機会は滅多にない。

それでも、私達は時々会って、くだらない話をして、笑いあうのだろう。




――結婚式を挙げ、数年たった。そんなある日の冬の国。

季節はまだ冬。雪は残っているが、少し雪解けし始めた。その時の私達は家でのんびりとしていた。

台所から、ヘスティアが顔を出した。

「おーい、王子様-」

「…王子様、言うな。ルカだ」

本を読みながら、溜め息を吐いた。

私は冬の王子様だったので、よくヘスティアに王子様と言われて、からかわれている。

「わかってるよ、ルカ。あと、ご飯が出来たよ」

「ああ」

返事をするとヘスティアは笑って、私に近付いた。私は気が付いて、本を閉じた。

「どうした? 小娘」

私は仕返しに小娘といった。すると、ヘスティアは顔を膨らませた。

「小娘じゃないよ。ヘスティアだよ」

「…わかっている。ヘスティア」

本を机におき、椅子から立ち上がるとヘスティアは腕を抱きしめてきた。突然のことに驚くが、愛しいと思い微笑んだ。

「どうした?」

「何か、夢みたい」

消えてから再会して数年、ヘスティアと一緒にいる時間が夢のように思える。あの日、死ぬはずだった私に『奇跡』が起こったのだから、こうして一緒にいることが夢みたいだ。

「…だな。私は村の学校で教師をして、村の人々と騒いで、ヘスティアと一緒に居て…夢のようだな」

「だけど、夢じゃないよ。あなたは、ルカはちゃんと此処に居るから」

ヘスティアは私に笑った。

その微笑みが私の心を温め、私に人の温もりを教えくれた。私も同じように笑った。

「ああ…お前と一緒に居るな」


……しばらくして、私はヘスティアを背中の後ろから抱きしめ、お腹をさすった。 ヘスティアは恥ずかしそうに顔真っ赤にして、笑った。


――ヘスティアには新たな命が宿っている。それをお茶会で話したら、祝ってくれるだろうか。

その後、ヘスティアのことを話したら、のろけだと言われて呆れられるだろう。


――それでもいい。


私達がこうして巡り会って、互いに笑い合えれば良いのだから。







――巡りに巡って、再会した四季。彼らの物語はここで終わって、また始まるのです。

冬から夏にかけて、お話をした物語。

これは幸せになるための『シーズンストーリー《巡り会う四季》』の物語なのです。





Fin












シーズン・ストーリー 巡り会う四季を最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます。これが最後のシーズン・ストーリーです。

最後まで下手なお話を読んでいただき、嬉しいです。

冬の王子様から、春の騎士様、秋の執事様、夏の魔法使い様をお読みいただいた読者様に感謝です。

童話…? 童話じゃあないな。(既に合言葉になってきている)


ここで少し裏設定です。

魔女が何故、王子様に『不老不死』の呪いを掛けたのか。その設定を暴露します。魔女はどうしても、王子様を自分のものにしたかったのです。だから、不老不死の呪いをかけました。

そして、呪いがとけたら、死ぬようにしたのは、死後の世界でも王子様を自分のものにしようとしたからです。

そして、王子様の友人にも呪いを掛けたのは、邪魔者を排除しようとしたからです。

ですが、王子様は魔女のものにならず。

王子様は大切な人と再会し、友人とも再会しました。


王子様のサプライズ再会の話。

ヘスティアはサクヤとダナを経由して、こんなことを頼みます。

『結婚式でルカにサプライズで再会してほしい』

…すぐに彼らはくいつきました。


…ここまで、ながったらしいあとがきを見てくれてありがとうございます。シーズン・ストーリーはこれで最後になりますが、誤字脱字やお話に矛盾があったら、コメントをください。

二人がどうなったのかということは書いてはしまいましたが、冬の王子様とヘスティアによる日々の日常は皆様のご想像にお任せします。

ここまで、お読みいただいてありがとうございます。

また、別の作品をお楽しみください。



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