『 ● ~クロマル~』
・この作品はKENZENです。
・この作品はR-15ですが性的、または暴力的な描写はございません。
・ですがこの作品はR-15です。
・作者は、代名詞は偉大だと思います。
・作者は、様々な要素や単語を省略するのが当然な日本語を偉大だと思います。
・作者は、人間の持つ想像力を偉大だと思います。
・この作品はKENZENです。
・大事なことなので二回言いました。
夕日が差し込み金色に染まる放課後の教室に、ピシャリと何かを鋭く強く打ち据える音が響いた。
「あっ……くぅ……うぅ――はぁぁぁ」
打たれた衝撃に、制服姿の少女は身悶えした。強く食いしばった口の端から、それでも苦悶の呻き声が漏れ出てしまう。
「はぁっ……ああ、お願い。もうダメぇ」
少女は傍らに立つ少年を見て、そう哀願する。
これ以上は無理だ、堪える事などできるはずが無い。その膝は震えて机にしがみ付いていないと立っていることすらできない。
少年は、そんな少女の事を冷めた目で見下ろしている。
「ねぇ、ソウジ。お願い、お願いだから……」
「お願いだから、なんだよ」
殊更冷たい口調でソウジと呼ばれた少年が問い返した。
「お願いだから、なんだよ。言えよミカ」
冷たい視線に射竦められて、少女の身体がぶるりと震えた。
心臓が一つ跳ねて、そろりと湧きあがる期待にミカの未だ成熟し切らない身体が反応する。
「お、お願い……だから」
ごくり、とわれ知らずミカは唾を飲み込んだ。身体が熱い。
「――も、もっと」
ミカの言葉にソウジの口の端が少しだけ持ち上がった。その右手が動いて、机の上に置いてあったそれを手に取り、ミカに見せつける。
「もっと、なんだよ。はっきり言えよ」
「も……もっと……」
「言え」
屈辱的な言葉を強要されている。そう自覚して、ミカは躊躇った。しかし先ほどから何度も嬲られて身体の芯が燠火を抱えているかのようだ。最早我慢などできない。
わたし、変わっちゃった。
ミカは思った。ソウジに教え込まれたこの行為。
こんなものなど、と馬鹿にしていたのに、心と心あるいは身体ごとをぶつけあうかのようなこのゲームの面白さや奥深さ、何よりその快楽に彼女が夢中になるのにさほど時間はかからなかった。
コトが済むと、毎回ミカは酷い自己嫌悪に苛まれる。
幾ら人気が無いからと言って、神聖な学び舎で、こんなことを。
しかもミカは、学級委員長を務めているのだ。率先して規律を校則を守り、他の生徒の規範となるべき自分が……。
「もっと、もっとしたいの。お願い、ソウジ。ちょうだい、それを頂戴。お願いだからぁ」
わたし、おねだりしてる。ああ――なんてハシタナイ。
自覚しても止めることなどできはしない。
のちに襲ってくる自己嫌悪も、自らの立場も、今は背徳感と言う名のスパイスに過ぎない。
ミカはもう、知ってしまった。
この行為の悦びを。
麻薬の様なこの快楽を知ってしまっては、もう戻ることなんてできはしないのだ。
「手加減しねーぞ。それでもいいのか」
「いいッ。手加減なんていらないから……ソウジのが欲しいの。したいよ、したいよぉ」
ソウジがいっそ残忍と言えるような笑みを見せた。これから訪れる被虐の悦びを予感して、ミカは唾を飲み込んだ。
吐息は熱を孕み、身体はより一層の高ぶりを覚える。
欲しくて欲しくてたまらない。乱暴にしてほしい。ぐちゃぐちゃにされて構わない。
いっそ、もう元には戻せないくらい壊してくれたって――構わない。
ただただソウジとしたい。ソウジにして欲しい。ソウジのモノが欲しい。
ソウジ。
ああ、ソウジ。
今、ミカの頭の中にあるのは、ソウジとプレイすることだけだった。
他のことは考えられない。ソウジとヤれるのだったら、なんだってどうだって良かった。
だから、
「お望みだったらくれてやるよ」
その言葉を聞いた時、ミカははしたなくも喉を鳴らしてしまう。
ミカの中に言い表しようのない悦楽への期待が生まれ、彼女を高い場所へと誘っていく。そしてもうすぐ、彼女はこの高い場所から墜落するのだ。その強烈な衝撃を思えば、それだけで心臓がドキンと跳ねてしまう。
ソウジが右手を高く掲げた。その腕に込められた勢いから、一切手加減抜きの一撃と判る。
われ知らず、ミカの口から喜悦の声が漏れ出た。
ああ、だめぇ。そんな、強くされたら――わたし……わたし……!
ソウジの一撃が、バシンと音を立てて弾けた瞬間。
「捲れちゃうぅぅぅぅぅぅッ! ダメ、ダメェ! わたしの●ンコ、捲れちゃうぅぅぅぅぅッ!! あっあっあっ、あああああ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛―――――――ッ!!!」
†
「ふぅ……」
ソウジが一息ついて、傍らの椅子に腰を下ろした。
一戦終えて、隣に座るミカは先ほどの余韻を引きずっているのかぐったりと机に突っ伏していた。頬は紅潮し長い髪は乱れて、その隙間からとろりとした表情が覗いている。
「満足したかよ」
問い掛けに、ミカは小さくこくりと頷いた。
全く、とソウジは嘆息する。
まさか、お堅い性格のミカが、ここまで行為に嵌るとは思いもよらなかった。そして同時にその変貌振りに驚嘆さえする。
高校に入ってからドロップアウトしかけている自分に向かって、事あるごとに突っかかってくる幼馴染。真面目に勉強しろ、髪を黒く染め直せ、そんなバカな遊びはやめろと口うるさく言ってくる存在。
それが鬱陶しくなって、ある時ソウジは半ば無理やりミカに行為を強要した。二人きりで、やはり放課後のこの教室での事だった。
強要されたのだから、ソウジがこれっきりにすると言うのだからと自分に言い訳をしながら、それでもソウジのモノを激しく打ち付けられる度に――あるいは自分から遠慮がちに打ちつける度に、ミカの反応が少しずつ変わっていく。次第に積極的に自分で動き、激しく強くやり返すようになってきたのだ。
思い返してみれば、あの頃のミカだって少しくらいは興味を持っていたのだろう。元々性格が勝気で真っ直ぐなミカには、男も女も関係なくただぶつかり合いぶつけ合うだけのこの行為が性にあっていたというのもある。
だが……と、再びソウジはミカのことを見た。
未だに先ほどの余韻が体中に残っているのだろう。荒い息を吐いて、うっとりと遠くを見ているその表情。頬は紅く染まり、潤んだ瞳にはぞくりとするような艶すらある。
(まったく、我が幼馴染ながら呆れたもんだぜ)
ソウジは思う。
客観的に見て、ミカは美少女といって差し支えない部類に入る。
ぬばたまの、とでも修辞したくなるような艶やかな黒髪。逆卵形の輪郭に、白い肌。すっと切れ長で少し釣りあがった目元。若干身体の凹凸が寂しいものの、見方を変えればこれから花開くであろう危うい未成熟さとも取れる、若く瑞々しい肉体の持ち主だ。
当然男子からの人気も高い。半年に一度アイドル研究会が秘密裏に更新する学内美少女ランキングでも上位に食い込むほどである。
キツくお堅い性格で、真面目一辺倒の優等生であるミカ。学内でも屈指の美少女である、幼馴染のオンナノコ。
(けど――こんな乱れたミカ、見たことねぇ)
ずっと昔、まだオトコとかオンナとか関係ないガキだった頃なら取っ組み合いの大喧嘩をしたこともあったし、互いに大声で泣いたり泣かせたりしたものだったが……これは、違う。
これは、そういうガキんちょの取っ組み合いとは違う。
見たことがない、と思った。こんなミカは知らない。
彼女はまぎれもなく、オンナだった。
行為のたびに、ミカのオンナが花開いていく。
行為を重ねるたびに、新たな顔を見せる彼女の中のオンナを、もっと見たいと思う。そしてそれを自らの手で発掘したいとも、仕込んでいきたいとも――自分のものにしたいとも。
ようやく息も整って、ふらふらしながらも身体を起すミカを見ながらソウジは息を飲む。
ミカの横顔に、まだ見たことのない表情を見つけたからだ。
ソウジは自分の中で、もっとも原始的な部分がのそりと鎌首をもたげるのを感じた。
獣欲――食らいたい、今すぐ、今すぐ!
しかし表情には出さず、何食わぬ顔で目の前の幼馴染に問いかける。
「ミカ、大丈夫かよお前。さっきの、今までで一番派手にイッてたぞ」
「うん……大丈夫」
答えながら、顔に落ちている髪を掻き上げる仕草に力がない。当人が自覚している以上に、先ほどの一戦で消耗しているらしい。無理もない。あれだけ感じて大声で喚いてねだって、最後には殆ど失神するほどだったのだから。
身体の中で目覚めたケダモノの感覚を宥めながら、ソウジは更に問いかけた。
「で、どうするよ? 今日はもう終わりにした方が良くないか。お前だって、ふらふらしてんだしよ」
彼女が是、と答えればそれで良い。
しかし、否、と答えが返ってきたならば――
投げかけられた言葉に、ミカは数秒考えるような仕草を見せた。その瞳が、妖しさと淫蕩さを秘めて揺れる。
「けど――まだ、一回しかしてないし……」
おいおい、どんだけスキモノなんだよコイツは。
我知らず、ソウジの口の端に笑みが浮かんだ。身体の中で目覚めたケダモノの名前を、今や彼はしっかりと自覚している。
それは、加虐という。
ミカを嬲り、いたぶり、攻め立て、焦らし、泣かせ、嬌声を上げさせ、屈服させ、跪かせ、許しを請わせることに喜びを覚える暗い感情だ。
彼女を力づくで服従させ、その●ンコを自分専用にする。
想像しただけで喉が鳴りそうなのを我慢して、ソウジは自分に言い聞かせた。
自分からヤリたいってんだから、いいよな。加減しなくても――思いっきり、いたぶっても。
嬲って、嬲って、嬲って、嬲り尽して――涙声で哀願したら、丁寧に食らい尽くしてやる。
「じゃあ、最後にもう一回だけヤるか」
その言葉に、ミカの瞳が喜悦の光を湛えた。
嬲られる事に喜びを感じる、被虐の光だった。
「うん――思いっきり、全力で、ソウジのを、ちょうだい」
いっそあどけないと言って良いほど純粋で無垢な笑み。
ソウジは、心からこの笑みを、歪めてやりたいと思う。艶の混じった嬌声が、食いしばった歯の間から漏れ出るのを想像するだけで恐ろしいほどの昂りを覚えてしまう。
「ああ、いいぜ。お望み通りにしてやる」
立ち上がり手を差し出すと、ミカがその手を取った。まだふらつくらしいミカの体を引っ張り起す。今まで座っていた机を顎で示すと、彼女は行為の準備に取り掛かった。
「さぁ、始めるか」
「お願い、ソウジぃ……」
甘くねだる声に、ソウジの中のケダモノが吼えた。
ソウジが先ほどと同じく、腕を大きく振り上げる。勢いよく振り下ろすために。手加減なしで、ミカのソレを打ち据えるために。
ちらりと確認すると、ミカの表情には怯えと悦びが半々ずつといった割合でミックスされた感情が広がっている。
内なるケダモノの咆哮に従い、ミカの大事なモノ目掛けてソウジは腕を撓らせて振り下ろそうとした。ミカが息を飲む。
しかし、その動作は途中で停止を余儀なくされた。
まさに振り下ろすその瞬間に、教室の扉が開いたからだ。
固まったままのソウジとミカは扉のほうを見た。勝手に扉が開くことなどない。それはつまり誰かが扉を開いたということであり、そこにはその誰かが居るということだ。
そして今、教室にはソウジとミカの二人しかいない。
―――見られた。
二人の行為を、見られた。
そこに居た人物は、少しの間きょとんとしていた。夕日に染まる放課後の教室に、まさか誰かが居るとは思いも寄らなかった――そんな顔で。
しかしその空白の時間も、長くは続かない。
状況を把握したのだろう。そこに立っていた人物の顔が、呆けたものから笑みへと変わる。楽の感情から生まれる類ではない。かといって、ミカが先ほどまで浮かべていた喜悦の笑みの類でもない。
もっと下卑た、邪な感情から生まれる笑みだ。
「……いよぉ、ソウジ」
扉を開いた人物が、口を開いた。
面倒な奴に見つかってしまった、とソウジは思う。一般の生徒は殆ど残っていない時間帯だとは言え、鍵も掛けていない教室でこんな行為に耽っているなど……夢中になっていて、誰かに見られる危険性を忘れてしまっていた。
「最近お前見かけないなと思ってたら、面白そうなことをしてんじゃねぇか。あー、そっか。お前、委員長と幼馴染って言ってたっけ」
「……まーな」
シュウスケ――金色に染めた頭髪が示す通りの不良だ。暫くご無沙汰だったが、ソウジがつるんでいた仲間たちのボスである。
「シュウスケぇ、どうしたの?」
シュウスケの背後からひょっこりと覗く顔があった。シュウスケと付き合っている、サキだった。教室を覗き込んでしばらく彼女もキョトンとしていたが、状況に気がついたらしい。校則違反のリップをひいた唇が、にやりと形を歪める。
「へぇ、あのお堅い委員長がねぇ。こんなところで、イケナイお遊びとは」
サキの言葉に、ミカがびくりと震える。その表情を見たソウジの中で、ある閃きがあった。それは悪魔の閃きで、シュウスケもまた同じ閃きを得たようだ。
「なぁソウジ知ってるだろう。こういうのは、みんなでヤるのが楽しいんだ」
「…………」
ソウジは何も言わない。
ミカが、混じり気なしの怯えた顔をした。身を守ろうとするかのように胸元を腕で押さえ、ソウジに縋りつくように。シュウスケが何を言おうとしているのか、判っているのだ。
「だからよ、俺たちも混ぜてくれよ」
その言葉にミカが身を強張らせたのが判った。だからソウジは答える。
「…………いいぜ」
ミカが、はっとしてソウジを見上げた。言葉の意味を理解し行動を起すよりも早く、ソウジはその細い腕を掴む。
ミカが、逃げられないように。
「やっ……離して、ソウジそんな、ウソッ……!!」
ソウジは自覚していた。自分もまた、シュウスケと同じ顔をしているのだろうと。
「丁度一人じゃコイツの相手するのもしんどくなってきたところだ。みんなで滅茶苦茶にしてやるってのも、悪くねーな」
サキがピュウと口笛を鳴らした。シュウスケが嗤いながら問う。
「いいのかよ?」
「自分から聞いてきたじゃねぇか、てめぇ」
「手加減しねえぞ?」
「構うもんかよ。コイツは、乱暴にされるのが好きなんだよ」
「イヤッ……ソウジ、イヤァ……!!」
「へぇ、委員長がねぇ。人は見かけに寄らないモンだぜ。そーいうことなら、遠慮しねぇからな」
言いつつ、シュウスケはズボンから己のイチモツを取り出した。見るからに大きい、黒光りする立派なモノだった。随分と使い込まれていることは、誰の目から見ても明らかだった。それはつまり、シュウスケはこの行為について習熟しているという証左でもある。
そしてソウジは、シュウスケのモノを見たミカの顔に、一瞬だけ期待の色が浮かんだのを見逃さない。
だから、こう囁いた。
「これからアレで、皆で、お前の事をグチャグチャにしてやる。絶対に逃がさない。どうだ、嬉しいか?」
返事はなかった。しかし、ミカの視線は見せ付けるようなシュウスケのモノに釘付けだった。そうされる自分を想像したのだろう。ミカが唾を飲み込んだのがわかった。
それで返事としては十分すぎるというものだ。思わずソウジも酷薄の笑みを浮べた。
ケダモノの笑みだった。
†
シュウスケが力任せの一撃を放った。 バシーン、と、大きな音が教室中に響き渡る。
「くはっ、あっ、ひっ!!」
「ちっ……結構粘るじゃねぇか。今のでイかないとはな」
舌打ちするシュウスケを、息も絶え絶えのミカが睨みつける。
だが、普段のような力強さはその視線には、無い。何度も繰り返し打たれ嬲られ続け、弱った今の彼女では精々強がりにしか見えないことだろう。
「けどまぁ委員長ももうそろそろ限界だろうよ」
「うぅ」
ミカは下唇を噛んだ。シュウスケの言葉は悔しいが事実である。ずっとソウジを含めた三人から攻め立てられ続け、ミカの●ンコは最早限界である。むしろ、今までよく保ったというべきか。
ソウジ、助けてよ……ねえソウジ。
縋るような目を向けても、ソウジは何も言ってはくれない。薄い笑いを載せた視線を返すばかりだ。
そもそもこの状況を演出した本人だ。もとより、助けてくれるはずなどないのだ。
イヤだよ、私。ソウジ以外の人間にこんな事されるなんて。その事を知っているはずなのに、ソウジは何も答えてくれない。そしてまた、自分でも気が付いていた。他の人たちに攻め立てられている自分が、興奮していることに。それをソウジに見られていると自覚するごとに、一つまた一つと深い陶酔を覚えていくことに。
おそらく、自分の●ンコは次の一巡を凌ぐ事はできないだろう。同時にそれは、ずっと耐えていた分だけ強烈な反動でもってミカの、快感に侵された身体を襲う事になる。それは、さっきの一戦で迎えたものより深く重く強く激しいと容易に予想がついた。
ソウジは、それを狙っているのだ。
ミカは、はしたなく喉を鳴らす。期待に胸が高鳴る。ミカは自覚していた。もう自分は、この行為なくしてはいられないことを。それほどまでに深みに嵌ってしまっているのだと。
だから、あの快感を得るためならば今まで長い間培っていた優等生の仮面さえ失って惜しくない。シュウスケを睨んだのはただのポーズだ。いや、悔しい感情が無いわけではないのだが――それは既にこのシチュエーションをより楽しむためのスパイスとしての役割にしかならないことを、ミカは気付いている。
「はぁッ……はぁッ……」
荒い息を吐いて、ミカは弱々しくも反撃を試みた。精一杯の、しかし、余りにも情けないヘロヘロの一発。だから、誰もびくともしない。
「ふふっ、委員長とこんなことが出来る日が来るなんて……」
サキが、容赦なくミカの●ンコを打ち据える。ふらつく足を気力で支えた。
「いいわぁ、委員長のその表情。ゾクゾクする……!」
恍惚とした笑みを浮かべて、サキがミカの●ンコに指を這わせる。
「や、めてぇ……それ、反則よ……!」
「いいじゃない、細かいことは。ねぇ、それよりももっと声、聞かせてよ。委員長の声。とても……聞いてるだけでアタシも昂ってきちゃう。ねぇ、声聞かせて。ほら、聞かせてってばぁ! ほら、ほらぁ!!」
ビシッ! バシッ!
「ひっ、ひぃ! ああっ、だっ、めっ、そんな……あひっ」
我慢などもはや出来ようもない。サキが望んだように、嬌声が教室に響いた。
だが、それでも――ミカは耐え凌いだ。
「すごいわ、委員長の●ンコ……! こんなに攻めたのに、まだ耐えるなんて」
サキもまた、思わず賞賛してしまう。
「ほんと、すごいわ。ふふ、女同士っていうのは初めてだけど……こういうの、癖になりそうね」
「おい、サキ」
「冗談よ、シュウスケ。たまにはいいなって思っただけよ」
「ったく……」
シュウスケと軽口を交わしながら、サキは場をソウジに譲った。
ソウジは無言でミカの前に立つ。
誰もが、わかっていた。ここまで何とか耐えたミカも、もはや限界であると。
全員から攻め立てられたミカの●ンコは、おそらく次の一撃を受け切れない。
「ソウジ……」
ならば、あるいはだからこそと、いうべきか。
トドメはせめて、ソウジの手で刺して欲しい。
今にも崩れ落ちそうなミカの視線から意を汲み取ったのか、ソウジが動いた。自らのイチモツを手に取り、ミカに見せ付ける。
「ミカ、今どんな気分だよ」
「……もう、自分でも良くわかんない……。ふわふわしてて、……けど、なんだか落ちていきそうな感じで……今にも弾けそうよ。だから――ねぇ、お願い。ソウジの、頂戴」
今、自分は泣きそうになっているのだろうか。それとも三人がかりで散々嬲られた快感に笑みを浮べているのだろうか。
羞恥心すらかなぐり捨てて、他の人も居るというのにソレを下さいと哀願する優等生。自分の今の姿に、自分で興奮する。――ソウジだって、そうなのでしょう?
「いいのかよ。お前の●ンコ、俺がもらっても」
「うん、いいの。ソウジだったらいいの。ソウジにあげたい……貰って、私の大事な●ンコ、ソウジに、ソウジのだからっ……!」
その言葉を聞いた瞬間ソウジが力強く腕を振り上げた。酷薄な笑みを浮べながらも、ミカの痴態を眺めていたソウジだって我慢の限界だったのだ。
その事に気が付いて、ミカの心に生まれた思いは一つ。
――嬉しい。ソウジが、私のこと欲しがってる……!
「ああ、ソウジ!! ソウジッ!!」
「ミカ、イッてしまえぇぇッ!!」
「ああああああああああッ、アッアッアッアッ、あひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!」
ソウジがそのイチモツで、ミカの●ンコに痛烈な一撃を加える。瞬間、ミカが絶叫した。
そして。
ミカの●ンコが宙に舞い……
くるりくるりと二度、三度翻って
裏返しになり、机の上に落ちた。
「ああ……私の●ンコが――大事なメンコが……裏返っちゃったぁ……」
全身を貫いた快感にへたり込んだミカが呟く。しかしその胸の中にはかつて無い満足感と幸福感で満たされていた。
自らのイチモツ――メンコを手にして、ソウジが微笑みかけた。幼い頃、いつも彼女にそうしていたように。
「ミカ」
「……ソウジぃ」
「お前のメンコ、捲れちゃったな」
「あ……うん」
「だから、お前のメンコは、もう俺のものだ。わかったな」
その言葉に、ミカが蕩けたように笑う。被虐と被支配の快感に溺れた者の笑み。
「うん。私のメンコ、もうソウジだけのものだよ……」
愛おしそうに互いを見詰め合うソウジとミカを尻目に、シュウスケは自分のイチモツ――自慢の黒くて大きなメンコをズボン(のポケット)にしまいがら呆れたように呟いた。
「なんだよ、俺たちゃお前らのプレイのダシに使われたのかよ。ったく、やってられねぇぜ」
「最初からわかってたことでしょそんなの。ま、いいじゃないの。アタシたちだって楽しめたし――ね、帰ってアタシたちも二人っきりでシようよ、メンコ」
「ったく、お前もとんだスキモノじゃねーか。……おう、じゃあなソウジに委員長。また明日なー」
しかしその声も、ミカとソウジには届かない。
遠く夕日が、山の向こうに沈んでいく。シュウスケたちが出て行った後も、二人は我を忘れて激しく互い(のメンコ)を求め合い続けるのだった。
・だからKENZENだって言ったじゃん。
・別にR-15指定はいらない気もする。必要な気もする。
・登場人物のうち、ミカはドM、他はドS。主にイニシャル的な意味で。
・別に卑猥でもなんでもない単語を伏字にしてはならないと誰が決めた?
・隠されているものにこそ人はトキメキを覚え、想像力を働かせるものだ。時には無駄に。
・代名詞は偉大。異論は認めない。
・想像力は無限大。だからと言って有用とは限らない。