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とある離島の保健室  作者: なる。
一学期
3/29

002 霜越夏姫の相談(2)



 「え、えーと……それでマジカルプリティープリンセス姫ちーちゃん、今日はどうしたのかな……?」



 とりあえず仕切りなおし、私は改めて夏姫ちゃんに本日の来室目的を訊ねてみた。



 「鳴神先生はどんな相談にも乗ってくれるという噂を聞いたので、あたしの悩みも是非聞いて欲しいなあって思いまして。えへへ」



 今度はちゃんとした呼び方(?)だったからか、先程のように荒くれた様子を見せることなく夏姫ちゃんが答える。

 ……それにしたってキャラが違いすぎるような気もするのだけれど。

 気にしたら負けなのだろうか。



 「そ、そっかそっか。うん、私なんかで良いならいくらでも相談に乗るよ。それじゃ早速だけど、ま、マジカルプリティープリンセス姫ちーちゃんの悩みっていうのは何なのかな?」


 「あ、その前に……。何だか呼びづらそうにしてますし、フルネームじゃなくて『姫ちー』だけで呼んでも良いですよ?」


 「え、良いの? だって霜越――じゃなくて、マジカルプリティープリンセス姫ちーちゃんって変な呼び方されるの嫌なんじゃなかったの?」


 「それは霜越だとか夏姫だとかクソダサい笑っちゃうような呼称で呼ばれたときだけですよ。だから、気にしないで大丈夫です」


 「そ、そう?」



 霜越って名字も夏姫って名前も全然ダサくはないと思う……というか、私的にはマジカルプリティープリンセスのほうが遥かに恥ずかしい気がするのだけれど……。

 まあ、でもやっぱり価値観というのは人それぞれだから仕方ないね。うん、仕方ないね。


 ともあれ、略して良いのなら略させてもらおう。

 正直な話、二十三歳にもなってマジカルプリティープリンセスなどと会話の中で使うのは抵抗があったし。



 「それじゃ改めて姫ちーちゃん、その相談っていうのは何なのかな?」


 「……チッ。あ? あー、話して欲しいの? ねえ、あたしの相談聞きたいの? だったらそれ相応の誠意ってものを見せなさいよ。ねえ? ねえ!?」


 「…………」



 ……彼女の本心は言葉にではなく、態度に表れるようです。



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