一話「サキュバスってエロいよな」
女の子でもエロゲしてもいいでしょうが！！！！！
吐く息が白く見え始めた寒の午前6時、20人以上いる長蛇の列の中に私の姿はあった。
今日はずっと待ち望んでいた、新作ゲームの発売日。
発表初日から大賑わいだっただけに、それを求める人が並ぶのは目に見えていた。
しかし今の時代ネット注文すれば、並ばずに物が手に入る時代だ。
ではなぜこんなクッソ寒い思いをしてまで、長時間並び続けるのか。
全ては店舗購入限定のフィギュアを手に入れるため..!
ただしこれを手に入れられる人数には、限りがある。
そう、先着順!なんといやらしい!
だとしても、作品を愛してやまないファンとしては、なんとしてでも手に入れたい!
ここに並んでいる人も、同じ気持ちに違いない。
ちなみにこの列に並んで、かれこれ三時間以上が立つ。
防寒対策をして来たとは言え、クッソ寒い。
何度並ぶのを諦めかけたことか..しかし等々その時は訪れた。
店のシャッターが開く音と共に、列で並ぶ同氏の歓喜の声が漏れる。
「ドメステック★ラブ★フォーチュンをお求めの方、大変お待たせいたしました!只今より順番に販売いたします」
店員のその言葉と共に、列は次々に店内に向かって進み始めた。
あっという間に、ついに私の番が回って来た。
会計を素早く済ませ、店の外に出て戦利品を眺める。
ドメステック★ラブ★フォーチュン..名作中の名作..最高のエロゲだ。
主人公の男子高校生が、癖が強い攻略対象の女の子たちとラブラブするゲーム。
このゲームの最大の売りは、盛り込まれた癖の多さだ。
SMから寝取られ、〇リから熟女..正しくより取り見取り。
そしてこの作品の一番人気の子はお目当てのフィギアにもなってる子で、主人公の同級生である愛川 桃。
この子には秘密があって、実は男を食い物にするサキュバスという設定。
最初はただの食糧だと思っていた相手が、次第に気になりだして恋仲になって行く。
キュンキュンする展開とは裏腹に、選択をミスると容赦なく精を吸い取られてバットエンドになる鬼畜使用になっていて、攻略難易度はトップクラスに難しいらしい。
『早く帰って早速シk....攻略せねば!』
そう意気揚々と駆け出した瞬間、体に衝撃と痛みが襲ってきた。
数秒体が宙に浮く感覚がして、地面に叩きつけられる。
一体何が起きたのか、薄れゆく意識の中目を開けば、冷たいコンクリートの地面と自分から流れたのか赤い血が見えた。
どうやら私は、突撃してきた車に跳ねられたらしい。
幸いエロゲは手放さなかったようだ。
....いやいや!え?私死ぬのか??まだプレイしてないのに?!
オイ!神様!それはないだろ!!
あ、やっべ..意識無くなって来た..え?これガチで死ぬぅ??
分かった!もう死ぬのは分かった!!だから!!だからせめて!!
『フィ.....ギアの.....スカート....下か....ら...見るパン......ツ拝ませ.....!!』
それが..私の最後の言葉でした..
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