特別編② 雑誌記者による堂谷候補へのインタビュー
雑誌記者「堂谷さんが提案されている丁稚医師・丁稚弁護士制度なんですが、これは要するにキャリアに対するノンキャリのようなものと考えていいんですか?」
堂谷「なんだ防衛問題じゃないのか。まあいい。そうだな現場で経験を積み上げながら昇級していくという点ではそう考えてもらってもいい。ただし一般的なキャリア制度と違うのは、丁稚からでもトップに立てるということ。頭打ちなどはない。つまり丁稚から1級弁護士になった者でも弁護士会の会長にでもなれる。それと大事なことは丁稚医師・丁稚弁護士制度は何もそうした職業を目指す人だけにメリットがあるものじゃないということだ」
雑誌記者「と、言いますと?」
堂谷「例えば病気になったら所得の低い人でも医師に診察してもらえるが、何かトラブルがあった時に気軽に弁護士に相談するというわけにはいかない。これは健康保険制度のようなものが弁護士にはないからだ。低い等級の弁護士でも……といってもあまり何もわからなくては仕方がないので、まあ3級くらいからとしておこうか。彼らは法律上は弁護士として扱うので気軽に安く相談ができる。つまり低所得の庶民でも気軽に法律の相談ができるようになるということだ」
雑誌記者「なるほど」
堂谷「さらに言えば、所得が低い者が一番困っているのは所得税ではなく社会保障費だ。この制度では社会保障費がうんと安くできるんだ」
雑誌記者「社会保障費が安くなる? どうしてですか?」
堂谷「高齢者は介護保険料が負担になるが、若い人の場合は社会保障費=健康保険料だ。自治体が健康保険料を高くしなければならない理由は、それだけ医療費が高いためだ。なにせ大病を患った時や事故によって負傷した時以外の、一般診療時にも健康保険が使われる。本人が3割負担で自治体が7割だな。ではなぜ通常の診療時にも健康保険が必要なのかといえば、庶民と医師との所得が大幅に違うからだ。もちろん医師になるのは大変だし診療用具もそろえなければいけないので、報酬が高いのは当たり前だ。しかし特定の職種で他の職種とあまりにも大きい所得格差があるのは問題だ。君は床屋さんに行く時に健康保険は使えないだろ? それは必要がないからだ。なぜなら君と床屋さんの所得にはたいした違いはないだろうからな。丁稚医師制度は医師になるために大学に支払うお金が極めて安くなる。もちろん国も税金をそれほど使わなくてもいい。つまり元手があまりかかっていないので医療費を安く設定できる。要するに風邪の診療とか通常の医療にまで保険に頼らなくてもいいので、自治体は健康保険料を大幅に下げられるというわけだ」
雑誌記者「なるほど。実現の可能性はほとんどないと思いますが、がんばってください」




