とある友人に起きたこと
短編ホラーです。
これは自分の知り合いに起きたことです。
その人はとあるラウンジの経営をしている方で、もう付き合いは10年を超える友人です。
彼をMさんとしておきます。
Мさんは怖い話が大好きで、動画サイトでそういう動画を見るだけではなく、自分でも県内の心霊スポットに行って動画を撮る趣味があります。
ただ悲しいかな、Мさんには霊感が一切ありません。
逆にМさんの彼女は、代々霊感のある家系だそうです。
彼女のお母さんもお祖母さんも霊感があったらしく、お祖母さんはそういった仕事をされていたそうです。
ただ、周りは当然見えないことから、心無い言葉もたくさん言われたそうで、お母さんは周りに言うことはなかったそうです。
彼女の方は、自分から言うことはないけれど、聞かれたら正直に答える。
どう思うかは相手次第というなかなかドライな方でした。
そんなМさんですが、霊感はなくても不思議な体験はいくつかしているそうで、今回はそのお話です。
Мさんはラウンジをしていることもあり、基本は夜型人間です。
お店は店長さんに任せて周りのお店で飲み歩くのが半分仕事なんですけどね。
その日も仲の良いお客さんと飲み歩いていました。
お店が閉店の時間になり、お店で働く女の子を乗せて帰る車の中で運転するボーイさんを待っていたそうです。
その日は仲のいい近くの居酒屋の店長さんたちと飲んだそうで、とてもいい気分だったそう。
寒さの厳しい2月の夜中。
乗ってくるお店の女の子のためにエンジンをかけて半分ウトウトしながら車の中で待っていると、
『ピーーピーーピーー』
とアラームがなりました。
送迎に使っている車には車の周囲にセンサーがついていて、障害物があるとアラームがなります。
猫か何かが寄ってきたかなとその時は気にしなかったそうですが、右前、左前、左後、右後と反時計回りにアラームが反応します。
右前に戻ってくると、次は左後、左前、右後と変な所が反応しだしました。
窓を開けて下を見ても何もいない。
試しに車の右前にカバンを置いてみたら正常に反応する。
同時に右後も反応している。
故障かなと思ってエンジンを再起動させても、少ししたら今度はぐちゃぐちゃに反応する。
Мさんは半分面白がり、半分怖さで店長さん含めてボーイさん達を呼びに行ったそうです。
ホラーが好きな数人が集まって車を確認したらやはり同じことが起きていて、女の子たちは気味悪がって乗りたくないと騒ぎになったそう。
結局気にしない数人が乗って帰ったそうですけど、走り出したら反応は消えたそうです。
もちろん車の周りになにか障害物があったわけではありません。
この反応もこの一回きりだったそうです。
車を点検に出しても異常がありませんでした。
ちなみに嫌がった女の子たちはタクシーで帰ったそうです。
車を停めていた場所は普通の駐車場。
特に周りになにかがあるわけではありません。
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