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新しい距離

 関係性が変わるという事は俺達の距離も変わるわけで、俺はちょっと緊張しながらも里香の元へと向かった。告白をしてお昼を食べて正式にカップルになった俺達はせっかくだから一緒に帰ろうという話になったのが、荷物を置いてある部室に行ったらまだ残っていた青木に根掘り葉掘り聞かれて少し遅くなってしまった。しかも、「カップルになったっていう事は色々な事ができるってことだよ、よかったじゃん」とか言っているのだが……色々ってなんだよ。どこまでやっていいんだよ。



「遅かったね、彼女を待たせるなんて大和はひどいな」 

「悪かったって……そんなに拗ねるなよ」

「別に怒ってはいないよ、ただちょっとカップルっぽい事をいってみたかっただけさ」



 そういって里香は意地の悪い笑みを浮かべた。いつもの顏なのにくっそ可愛いなぁと思ってしまうのは惚れた弱みだろうか。ていうかさ、両想いってことはこいつのこれも照れ隠しだったりするのだろうか? などと思っていると俺は里香の顔をじっと見てしまう。すると彼女は顔を真っ赤にして逸らした。



「なんだよ、黙ってみてられているとなんか恥ずかしいじゃないか……」

「いや、里香って可愛いなって思ってさ」

「んん……大和はこんなところで何を言っているんだよ。いいからさっさと帰るぞ、ここはまだうちの生徒だっているんだから……」



 そういうと里香はさっさと早歩きでいってしまった。でも、彼女の顔が少しにやけていたのが見えて俺は安心した。だから俺はあわてて追いかける。



「里香待ってくれよ、置いてくのはひどいんじゃないか?」

「うるさい、私が照れるのがわかっていってるからむかつんだ。だいたい私がこのセリフを言ってくれるのをどれくらい待っていたかもしれないくせに……」



 ぼそぼそと言っているのが聞こえたがこれは聞こえないフリをした方がいいだろう、これ以上いじったら本気で怒られそうだしな。でも、里香は知らない。俺の方が先に惚れていたっていうことを……そして言ってやることもないだろう。だってなんか悔しいからさ。



「うーん、今日は寒いなぁ」



 しばらく歩くと里香はそんなことを言いいながら手をひらひらとさせている。だが、今は10月である。そこまで寒くはないと思うんだが……



「そうか、普通じゃないか?」

「はぁーやっぱり大和は大和だね。遠回しに手を握れっていってるんだよ」



 そういうと彼女は俺の手をかっさらうようにして握りしめて「えへへ」と笑いやがった。直接言えよぉぉぉ。てか可愛すぎない? ずるいって!! 俺は恥ずかしくなってしまい話題を探す。



「そういえば明日って暇か?」

「まあ、彼氏が構ってくれなかったら暇かな。でも、私の彼氏は私を好きすぎるから暇にはさせないんだろ?」

「里香は素直じゃないな……」

「そういうところも好きなんだろ? あんなに熱烈に告白したんだからさ」



 俺が聞くと里香は意地の悪い笑みを浮かべながらそういった。うう……里香の言うとおりだから否定はできない。かぐや様で読んだ通り告白した方がまけだなぁって思いながら明日どうしようかと思い悩む。ああ、でも青木が言ってたな、せっかくだからカップルっぽい事をしてみろよってさ。幼馴染ではできなかった事をしてみたいのだ。例えば……こんな風に手をつないでデートとか……



「そのさ……俺達もう付き合ってるんだよな、だったら恋人っぽいことがしたいんだけど……」

「え……」



 俺は顔を真っ赤にしながら里香に訪ねる。まったく、これまで二人で遊ぶなんて何回もあったのにな、関係性が変わるとふとしたこともなんか特別なことに思えてしまうんだな。

 中々返事がないので、不審になって思って里香を見ると彼女は顔を真っ赤にして口をパクパクしている。こいつどうしんたんだ?



「大和……そのまだ早くないか? 大和だって男だしそういうのに興味があるって言うのはわかるさ。いや、私だって別に嫌ってわけじゃないんだけど……ほら、私たちは告白は……されたな。手は……つないだな。キスは……したな。ああ、でもさ、そのそういうのは付き合って、もっと時間をかけてだな……」

「何言ってんだ? デートに行こうって話なんだが……里香まさか……」

「え……」



 俺の言葉に里香はこれでもかというくらい顔を真っ赤にしてしまったという表情をする。俺は昔からのくせでついつい反撃をしてしまう。



「おやおや、俺はデートに誘おうと思っているだけなんだが、何が早いのか馬鹿な俺に教えてくれないか? 頭のいい『綺羅星学園の才女』さん」

「うう……大和の言い方がわるいんだろ、デートしたいなら素直にそう言えよな!!」



 そういうと彼女は今度こそ早歩きでさっさと行ってしまう。まずいついついいじりすぎてしまった。でもさ、俺達はこのくらいお互い軽口をたたき合うくらいの方がいいのかもしれないなと思うのであった。



「おーい、里香悪かったから機嫌直してくれ」

「うるさい、ばーかばーか」


 そういって幼馴染とは同じようだけどちょっと違う距離感で俺達は一緒に帰るのであった。



初デートを書きたくなったので少しだ書く事にしました。

なんだかんだこの二人好きなんですよね。催眠術はないかもしれないですが読んでくださると嬉しいです。

更新は不定期になりますがお許しを



また、気分転換に短編を書いてみました!

読んでくださると嬉しいです。

ざまぁとか、もう遅いとかはないです。


『ツンデレ義妹に冗談で彼女ができたって言ったら「もう遅いんだ……」って走って行っちゃったんだけど…… いやいや、まだ間に合うよ!!』


https://ncode.syosetu.com/n2018gq/



また、これとは別に長編で青木君主人公で絢辻さん系ヒロインとのラブコメを今考えているので、投稿したらよんでくださると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] おや続きがありましたか。今日気が付いた。 相変わらず可愛い二人ですねえ。 短編の方も拝見してみます。
[一言] 一気読みしました。最近恋愛ものを求めてさ迷ってたのでいい感じに充電(?)出来ました。 いい作品をありがとうございます。
[一言] うん、2人が可愛い
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