167話 私、降臨っ!
魔素、魔力についての設定。
何か魔素と魔力の違いがややこしいので、簡潔に説明します。
魔素
… 世界に満ちているエネルギーであり、魔力を構成している原子みたいなモノ。
レフィー達のエネルギー単位。
魔力
… 魔素で構成されるエネルギー体であり、基本的に魔法を使う際に使用される。
人間達、安息の大地におけるエネルギー単位。
違いとしては、魔力を扱うよりも魔素を扱う方が高度な技術であり。
普通は魔素の直接操作なんてできないので、魔素を体内で魔力へと変換して魔法を使う。
*そもそも身体が自身の魔素で構成されてる悪魔族は普通に魔素を操れる。
だから魔法の扱いに関して基本的には悪魔に右に出る者は存在しない。
ただし、悪魔同様、精神生命体だったり、半精神生命体は魔素で肉体を構築しているので魔素を操れる。
悪魔を……悪魔王国を討つべく集結した20万の大軍勢。
まぁ、その半分は呆気なく私の咆哮で文字通り消滅したわけだけど。
それはともかく!
私の圧倒的な力の前に無様にも撤退……敗走する残り10万人の人間共を背に、決死の覚悟で私に立ち向かう幾人かの戦士達!!
ふっ、ふふふ、ふはぁっはっは!
いいね! いいねぇ!! 何か小説とかのワンシーンみたいじゃんか!!
「ふむ」
この場に残って殿を務めるのはガスターの弟子達5人を初め、ゴツい体格の騎士に熟練の傭兵。
全員でだいたい100人ってところかな?
見たところ、全員が一兵卒とは比べモノにならない、まさしく一騎当千の実力者達。
冒険者のランクで言えば最低でもBランク上位程度の力はあるか。
まっ、確かに人間の中ではトップクラスの実力者なんだろうけど……
「それで……」
各々の剣や杖を構えて臨戦態勢を取り、固唾を飲む彼らを静かに。
しかし優雅な所作で見下ろし……
「誰から死ぬ?」
魔王覇気を放つ!
「「「「「「「「っ!!」」」」」」」」
全員が声にならない悲鳴を呻き声として漏らし。
覚悟を浮かべていた目を驚愕に見開き、恐怖と畏れを宿して全身から脂汗を流す。
降り掛かる重圧はまるで重力が増加したかのような錯覚を覚えさせ。
足の裏が地面に縫い付けられたかのように一歩も動けず、ただただ圧倒的な私の力に、私の存在に。
決して抗う事のできない絶対的な死を前に身体を震わせる。
彼らのこの場で1秒でも、一瞬でも長く、例え命を落としても時間を稼ぐと言う固い覚悟をいとも容易く。
あっさりと容赦無く、へし折る!
それが魔を司る神にして、魔を統べる王……魔神であり魔王でもある私の魔王覇気!!
ふっふっふ、一定以上の実力が無いと私の前に立つ事すら許されないのだ!
確かに彼らは一般人からしてみれば勿論、平均的な兵士達や冒険者達から見ても英雄と呼べる程の強者だ。
でも、いくら強者って言っても所詮は人間の中ではの話!
残念だけどお前達程度じゃあ私の前に立つ資格はおろか。
殺しちゃわないように、最小限の威力での魔王覇気にココロを折られてる程度じゃあ遊び相手になる資格すら無いわ。
「むぅ、もうちょっと遊びたかったのに……」
まぁ、仕方ないか。
じゃあ後は面倒……げふん、げふん! ちょっと疲れたし、後は皆んなに任せてお昼寝でも……
「くっ! ま、待てっ!!」
ん?
「そ、そうよ! 逃げる気なのかしら?」
これは……
「くそったれが! まさかこんなヤバい存在がいるなんてな……」
「間違い無く最高位……」
「うん、神災級の存在だね」
ま、まさかっ!!
「まだ、戦いは終わってないぞ。
俺はAランク冒険者アーク! 俺達、星屑の剣は決して屈しない!!」
おぉっ!!
剣を掲げて全員に精神強化のバフを掛けつつ、高らかに宣言!
やべぇ! まさかこの目で強敵を前にして覚醒する勇者っぽい光景を見ちゃった!!
まぁ、ただ私の魔王覇気を耐えただけで、別に覚醒はしてないけど。
「ふふふ、そうね、アークの言う通りよ!
ガスター先生とお師匠様……大賢者マリアナから賢者の称号を授けられたこの大魔道士ターニャが、たかが竜如きに屈してたまるもんですか!!」
「たく、お前らなぁ……流石に今回ばっかりは死ぬかもしれないぞ?」
「でも、ここであの竜を倒したら……」
「私達はガスター先生達に並ぶ……までは言わないけど、英雄の仲間入りだね」
アークやターニャ達、星屑の剣を中心に、ココロが折れていたヤツらも徐々に立ち直てるし。
こんな漫画みたいな展開が本当に起こるとは……
「1つ良いかしら?
さっきも人の言葉を喋ってたし、私達の言葉を理解してるんでしょ? 貴方は何者なの?」
汗を浮かべながらも、キッとこっちを睨んでくるターニャ。
目的は会話での時間稼ぎか……まぁ、仕方ないから乗ってあげるとしよう!
どうせその気になれば逃げてる人間達を皆殺しにするのなんて簡単だし。
けど、私が何者かか、まぁ確かにまだ名乗ってはいないけど……よし!
「と言うか、何で竜の貴方が悪魔王国の味方をしてるのよ!
悪魔がどれ程危険な存在か、貴方も知ってるハズよ!?」
「私が竜……ふっ、ふふふ、ふはっはっは!!」
ふっ、見事な笑いの3段活用!
「な、何が面白いのよ!!」
「良いだろう、私の覇気を耐えた褒美に名乗ってあげる……」
バッ! っと翼を広げて白い光を放ちながら翼に包まり……
「私こそが悪魔王国を統べる王!
始まりにして最古である原初の悪魔にして神! 魔を司る魔神だ!!」
収束した光が弾けて光の粒子が舞い散る中、空中に姿を表すは背中に純白の翼を生やしたこの私っ!!
ふふふ、決まった! これ以上なく完璧に決まった!!
これだけの距離があれば逃げてる人間達からは私の姿は見えないし、この場に残ってるヤツらはガスター同様に口止めすれば問題無し!
以前のリリィーの進化の時の演出も使いつつ、我ながら完璧な登場だわ!
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