130話 衝撃の事実
ま、またしても! またしても間に合わなかったっ!!
はい、すみません。
多分これからもたくさん遅れると思うので先に謝罪しておきます。
ごめんなさいっ!!
「では、こちらが皆様の冒険者証となります。
仮に紛失した際はやむを得ない場合を除き、手数料とペナルティが発生いたしますのでご注意下さい」
あの後、結構な騒ぎになってる冒険者達を放置して最初の応接室に戻って来たわけだけど……
クリスティアから宝石でも乗せてそうなトレーに乗せられた冒険者証を差し出されても全然嬉しくない。
いやまぁ、憧れの冒険者になれたわけだし、嬉しいは嬉しいけど!
とにかく! 端的に言って私は今、機嫌が悪い。
それはもう、超有名店の売れ切れ続出な激レア絶品スイーツを目の前で見せつけるように食べられたりした時よりも! 今の私はもの凄く機嫌が悪いのだっ!!
『確かに子供が拗ねてるみたいにブスっとしてるもんね。
冒険者証だってチラッと一瞥してすぐに目を逸らしたし』
誰が子供じゃ! 邪神のぼけっ!!
私は今機嫌が悪いの! 別に拗ねてるわけじゃないし。
『うんうん、そうだね』
何その適当な言い方は?
これがどれ程に由々しき事態なのかわかってんの?
最初の冒険者ギルドのテンプレから始まり、悉く私の思惑が外れてるってわかってんの!?
『いや、適当だなんて……そんな事は無いよ。
別に悪魔ちゃんの威厳を知らしめる作戦(笑)が全部失敗に終わった事なんてどうでもいいとかは思ってないしね。
そんな事より冒険者証を受け取らなくてもいいの?』
う〜! 今はこんなもん見たくも無いわ! 適当に亜空間にでも放り込んでおいてやる。
と言うか、本当にムカつくっ! もうお前黙ってろ!!
バーカ、バーカ! 邪神のバーカっ!!
「い、今のはまさか空間収納スキル……」
「いや、今のはスキルじゃ無くて魔法だな」
「魔法ですって!?」
「あぁ、ほんの一瞬、僅かだがお嬢ちゃんから魔力を感じた。
今のは間違いなくスキルじゃ無くて魔法によるものだ」
さっきまでは大した反応も無かったくせに大袈裟な。
たかが空間魔法で作った亜空間に冒険者証を収納しただけじゃん。
「2人とも大袈裟」
今更そんな驚いた演技なんてされても私の機嫌はそう簡単には直らんわっ!
私に機嫌を直して欲しければ大量のスイーツでも用意する事だな!!
「レフィーお嬢様……いえ、そうだろうとは思ってはいましたが」
「まぁ、ご主人様ですしね……」
な、何?
シルヴィアとミーシャまで何なの? 何でそんなちょっと呆れたような目でこっちを見るのっ!?
「お言葉ですが、これは全くもって大袈裟などではございません」
「クリスティアの言う通りだぞ。
空間収納のスキル持ちですら凄まじく希少なのに、空間魔法で自在に空間収納を使えるヤツ何て大陸全土でも数える程度だ」
亜空間収納を使えるヤツは大陸全土でも数える程度?
「収納できる容量に制限がある空間収納スキル持ちですら各国の王侯貴族や大商人に引っ張りだこなのです。
その空間収納スキルの上位にあたる亜空間創造となると……レフィー様、その魔法は人目に付く場所では可能な限りお使いにならない事をお勧めいたします」
いやいやいや、何をおっしゃるやら。
この程度なら我が国の人なら大抵は使えるんだけど。
それにだ!
「同じような効果を持つ魔道具は結構普通にあるのに?
別に亜空間やら空間収納スキルなんて珍しくもなんとも無いハズ」
「「……」」
あれ? おかしいな。
クリスティアもガルドも何故か固まってしまったんですけど……
『……そう言えば、悪魔ちゃんって正真正銘のお嬢様だったんだよね』
ん? どう言う事??
「レ、レフィー様。
そのような効果を持つ魔道具……アイテムボックスは途轍もなく希少な物なのです」
「どんなに小さいアイテムボックスでも金貨数百枚はするぞ?」
アイテムボックス1つが金貨数百枚……いや、それは流石に無いでしょ。
しょぼい物だと一畳分くらいの容量しか無いのに金貨数百枚って……流石にそんな冗談に騙される私じゃ無い!!
「レフィーお嬢様。
申し上げておきますが、お2人が言っている事は紛れも無い事実です」
「え?」
「一応事前にご説明はしていたのですが……眠たそうにしていらっしゃいましたし。
やっぱり覚えていらっしゃらないですよね?」
全く何も覚えてない。
と言うか本当なの? だって殺される前も普通に家に幾つかあったし。
私も持ってたんだけど……
『悪魔ちゃん……自分の身分を忘れてない?
悪魔ちゃんは大国アルタイル王国の王侯貴族の中でも大貴族である公爵家。
それも王太子の婚約者として蝶よ花よと育てられた本当に貴い身分の御令嬢だったんだよ?』
えぇ、マジですか。
アイテムボックスが超高価で希少な物だったとか、何気に衝撃の事実なんですけど……
「しかし、この実力といい、世間知らずなところといい。
本当に何者なんだ?」
「ガルドさん! それは……」
「構わない」
本当はよろしく無いかもしれないけど……私の計画が悉く失敗して未だに私の威厳を知らしめれてないんだ。
細かい事なんて知った事か!!
「でも、それを言う前に約束しろ。
ここで聞いた事は全て他言無用、もし誰かに話したら……」
「わかった、わかった!
誰にも言わねぇよ! だからそんなに睨むなって! な?」
ふむ、まぁいい。
どうせ魔法で縛るから話したくても誰にも話せないだろうし。
さぁ! 驚くがいいっ!!
「私達は悪魔王国ナイトメアの者。
そして! 私こそが、悪魔王国を統べる女王!
全ての悪魔の頂点に立つ悪魔の神にして、超越者へと至った魔神だ!!」
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