115話 茶番を終わらせよう!
「発射」
少女の言葉を受けて解き放たれた一筋の青白い閃光が穏やかな海原を駆け抜ける。
ッツーーーーーー!!!
青白い光の尾を引きながら耳をつんざく落雷のような轟音を纏う閃光が圧倒的な速度で目標……アクムス王ピホッグが乗船する巨大戦艦を貫き……
ズドォォォオン!!!!
「たーまやー」
いやぁ、見事に直撃して大破したな。
約15キロ先の標的を寸分狂わず狙い撃つこの技術!
ふふん!頑張った甲斐があったわ。
「着弾及び、目標の破壊を確認。
全艦に通達、これより第二段階に移行する」
おぉ! グランがめっちゃ指揮官みたい!!
いつもはシルヴィアと双璧をなす完璧執事にして、私には過保護で結構甘々だから何か新鮮だわ。
まぁ、実際にグランは私やシルヴィア達の直属部隊以外の全悪魔王国軍を統括する総司令。
元帥の地位に就任してるわけだけども……
『しかし、あの豚……ピホッグ王も流石にちょっと哀れだね。
せっかく国民達に演説までして意気揚々と大船団を率いて出陣したのに、その途端に射程圏外からの一撃で何が起こったのかもわからずに爆散だなんて』
今完全に豚って言ったよね?
まぁいいや、今は忙しいから残念ながら邪神に構ってあげる時間はない。
『酷くないっ!?
最近の私に対する扱……』
ふぅ、やっと静かになった。
ふっ! 今の私にかかれば邪神の声をシャットダウンする事など雑作もないのだっ!!
「さてと」
アクムス王国の様子は……ふふふ、いい感じに混乱してるな。
まぁ、世界最強と称される大艦隊を国王自ら率いて出陣したと思ったらその直後に国王の乗った船が爆散すれば当然か。
「レフィーお嬢様。
ピホッグ達、あの船に乗っていた人間の魂は如何いたしますか?」
ピホッグの魂……うん、普通にいらないわ。
例え魂だとしても触りたくない。
オークエンペラーの魂と違って美味しそうでもないし。
「別に、いらない」
「かしこまりました。
では、悪魔界に存在する下級悪魔の餌にでもするといたしましょう」
悪魔界。
悪魔の原初たる私が生まれた事によって、形成された別名魔界とも呼ばれる異空間に存在する悪魔族が住む精神世界。
あそこにはまだ物質界に顕現するだけの力がない下級悪魔を始め、今や多くの悪魔が存在する。
そんな所に魂を放り込んだら……うん、まぁ考えないでおこう。
まぁ、何にせよ!
ぶっちゃけ、世界最強とか言われていても大した相手でもなかったけど……実戦訓練の代わり程度にはなったし、魔素収束砲の実践データも取れたからよしとしよう!
今日はいつもより起きるのがかなり早かったし、そろそろお昼時でお腹もすいたから、とっととこの戦い……茶番を終わらせよう!
てな訳で! 国王が乗った船が大破させられて混乱するアクムスの船団を包囲する形で転移。
宣戦布告の時に使った魔法陣を展開してっと……
『我ら悪魔王国に敵対する愚かなアクムス王国の人間共よ。
たった今お前達の王は死に、我が船団は王都を完全に射程に捉えている』
このタイミングで何の意味もない見せかけの火球で威嚇射撃。
王都上空を横断した火球を見れば、負けるはずがないと信じているヤツでも流石に理解するだろう。
『現在王城にて指揮をとっているグランツェ公爵に告げる。
既にお前達に勝機は無い、降伏せよ』
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