おねだり、のちに夢心地 〜「人類パンティ化計画」
人類パンティ化計画(三十と一夜の短篇 第19回)
それは、ひとりの男が夢を追い、やぶれ、絶望の末にふたたび立ち上がるヒューマンドラマの普遍的要素に、パンティという強素材をぶっ込んだ問題作であります。
悲劇でもあり、喜劇でもある本作。
この主人公であるパンティ怪人を、その道のプロに描いて頂きました。と言うものの、道のりはとても険しいものでした。場所はTwitterという濁流のなか。とある方のツイートに「#RT抽選1名様に本気の絵をぶつける見た人も確定」なるタグを見いだし、私は奥面もなく名乗りをあげました。締め切りがあるので、スピードが勝負です。さいわい、この手の反射神経に異様に優れた猫は、滑り込むことが可能でした。ファインプレーです。
全力絵は無理だけれども、一時間クオリティなら。と、その方がおっしゃいます。私は描いてもらうだけでも嬉しさのあまり天に飛び立つ心地なのでまったく問題ありません。
私にはある種の予感がありました。当たる気がする。当たったら、常人には絶対に無理であろうアレをお願いしよう。むしろ、アレをお願いできるのはこの方しかいない。だってアレはアレなんだもの。
抽選とのことだったので、エントリーが終わればひたすら待つしかありません。夜は素直に布団へはいり、健やかに眠りました。朝もいつも通りに起きて職場に向かい、仕事をします。昼がすぎ、夕方が来ました。とても暑い日でした。
募集からだいたい24時間が経とうとした頃、発表されたのは待ちに待った当選者でした。厳正なるあみだくじ。自分の名前を辿ると、当たりの文字があります。嬉しくて、でもそれが間違っていたらという不安から何回も確認しました。実感と喜びが指先からじわじわと浸透していきます。まごうことなく当たりでした。
やったーーーー!!
それしか言葉が出ませんでした。
そしていくつかのやりとりのあと、その方が送ってくださったイラストに衝撃を受けました。
まさしく。まさしくパンティ怪人。これこそ純度100%のパンティ怪人。うしろにあるパンティのまろみが、黒いボディスーツである怪人とのコントラストを生み出しており、荒ぶる怪人のポージングは世の狭量に対する憤怒とまだ見ぬ至宝への渇望を感じさせます。
また頭部のパンティが非常にかわいらしく、パンティという見る人からしたら破廉恥と言われかねない素材を実にマイルドに表現してあります。彼は純粋にパンティを愛しているのであり、そこに性欲や下心はありません。卑猥にならないよう、あえてパンティを前面に出すことによって変なイヤらしさを押さえて描いてくださったそうです。白いパンティの淡い色合い、さすがとしか言えません。
明と暗。純粋と色欲。キュートとセクシー。相反するふたつのものをここまで融合させたその手腕に感動いたしました。
堺むてっぽうさん、誠にありがとうございました。ここまでパンティ怪人を描ける御仁は他にいないでしょう。
※「人類パンティ化計画」もこんな感じでアホみたいなことを淡々と、大真面目に書いています。
と、ここまで茶番全開でお送りしましたが、堺さんはふっつーに絵がうまいです。ぞくに妖怪やふんどしと呼ばれるコミカルな絵も描かれますが、対をなすような美しい絵も見事です。いやまじでありがとうございました!!
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ノベプラとかTwitterとかにもお部屋をもってらっしゃいますけど、外部サイトは自重しておきます!




