〜STORY 88 6月5日 弐〜
「お、おはよう…ございます。し…紫織さん……」
優希の後ろに立っていた紫織は優希の自分の顔を見た時の反応を見て自分を意識していると確信し優希と今日会うまで抱いていた不安が一気になくなった
そして身体の底からカーッと噴火する火山のマグマの如く滾ってくるものを感じた
「ふふ、どうしたの優希君?顔真っ赤にしてるけど私の顔に何か付いてたりするの?」
「い、いや…そ、そんなことは…ないんですけど……」
「え〜?本当に〜?(ふふ、優希君が私を思いっきり意識してる!)」
「(うぅ~しおりさんの顔が見れないよ~)」
紫織の顔を見ようとするも全く合わせられずにいる優希は会話しようとするも全く顔が見れない優希の脳裏には昨日の屋上での出来事が鮮明に蘇ってきた
屋上での紫織の色っぽい表情や数秒触れた唇の柔らかさに加え近づいてきた時の匂いや触れた時の肌の感触まで詳しく浮かび上がっていた
「…………【ニヤッ】ふふん♪」
「ちょっ!紫織さん!?んな、何してるんですか!?」
紫織はスカートをヒラリと翻して背中にピッタリくっつくと頬で背中を摩った
しかも紫織の指は優希の乳首を正確に当てるとコロコロと転がすように乳首を弄る
「ふふふ〜♪優希君の背中はおっきくて広いなぁ〜。ここならいつだってお昼寝し放題だよ〜【スリスリ】」
「まっ!ちょっ!ど、どこ触ってるんですか!!」
「ん〜?どこって優希君はどこ触られてるのかな〜♪【クリクリ】」
「や、やめてください紫織…さん……」
「【ゾクゾク】ふふ、そんな反応されたら止める気なんかうせるよね〜♪」
自分で触っても特に何も感じたりしないのに紫織に触られるとピクンと感じてしまう
抗おうと思えばいくらでも抗えるのになぜか拒みたくない自分がいた
「ちょっとお兄ちゃん?白昼堂々先輩と何如何わしいことしてるの?浮気なの?ママに報告してもいいんだよ?」
「ゆ〜ちゃん?浮気を許すのは妻の器量だけど私はまだまだ未熟な新妻だからまだ浮気に寛容にはなれないよ?わかったらその女を投げ飛ばして私のおっぱいに飛び込みなさい?」
「ちょっと待って奏音!如何わしいことって僕から紫織さんに触れてるわけじゃないよ!それと飛香は突っ込む所が多すぎてどこから突っ込めば良いのかわかんないよ!
っていうか脇腹を思いっきり殴らないで!普通は突っつくぐらいじゃないの!?」
後ろでは白い目をした奏音と飛香が邪悪なオーラを身に纏い今すぐ離れろと念仏のように唱えながら脇腹をガスガス殴ってきた
地味にを通り越して骨に響くくらいの衝撃が脇腹に走った
まるでプロボクサーが決めるリバーブローの如く
「……私は優希君と楽しくお話ししているのになんで邪魔するのかな?邪魔だからさっさとどいて欲しいんだけど?」
「あら?私はゆ〜ちゃんの幼馴染で正妻なのよ?あんたこそゆ〜ちゃんから離れなさいよこの年増女!!」
「それ言ったら飛香ちゃんも私から見たら年増女だよ?ムッツリなお兄ちゃんには若くてピッチピチな女性ががぴったりだもんね〜。特にあ・た・し!とかね〜」
優希に引っ付く飛香達を見て紫織は二人に対してゴミを見るような目で威嚇をするとそれに対抗して飛香と奏音も臨戦態勢に入った
色々言いたいことがあるのだが変に発言してまたややこしい事になっても長くなると判断し、静観を貫く事にし……
「「「優希君(ゆ〜ちゃん)(お兄ちゃん)は誰が好みなの!?」」」
したい所だったのだがどうやらダメなようだ
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