〜STORY 82 6月3日 〜
彼との出会いは今でも鮮明に覚えている
ちょうどこの時期に私はバイト帰りの暗い道を一人で歩いていた
衣替えも始まる前だがこの日は普段よりも蒸し暑くて暑がりの私には普段の制服では身嗜みがすぐ乱れてしまうと考えワイシャツにスカートは丈を短くした夏仕様でバイトへ向かった
予想通り帰りの時間帯になっても蒸し暑いままで私はコンビニで購入したアイスを食しながら帰宅した
近頃女子生徒への猥褻な行動がニュースでも取り上げられ、数日前にもこの地区で同様な出来事があった
学校の先生や親からも帰り道は1人にならないように言われてもいたしバイトの店長の涼音さんも家まで送ってやると言ってくれたのだが何を思ったのか当時の私は涼音さんの誘いを断ってしまった
ストーカーや痴漢は怖いと思いつつもその時の私はどうせ自分には起こる訳がないと根拠のない自信を持っていた
「(あっ、また都内で痴漢事件なんて起きてる。……まぁ私には関係ない話よね〜)」
そんな自信は簡単に崩れ去った
バイトの帰り道 外灯の灯だけで周りも何も見えない中、私は痴漢にあったのだ
男の体型は私よりも太く大きく私の太ももくらいの腕で私に抱きついてきた
興奮してるのだろう 男は息を荒げ、一心不乱に私の胸やお尻を触り続けた
「はぁ……はぁ……柔らかい!君はとっても温かくて柔らかいねぇ……」
痴漢男は私の頬を舌で舐めながら触り続ける
親以外の異性に今まで一度も触られたことがなかったがこんなにも嫌な気分になるとは夢にも思わなかった
抵抗しようにも自分の身体が自分の物ではないように私の身体は言うことを聞いてくれず、痴漢男にされるがまま徐々に私の意識はぼやけていった
「(あぁ……私はこのままレイプされちゃうのかなぁ……初めては大好きな人に捧げたかったなぁ……)」
私はこれからされるであろうことを想像したが不思議と吐き気さえ湧いて来なかった
恐らく少しでも自分を守るよう脳から麻痺が生じ私の精神に防衛反応を働かせたのだろう
痴漢男は触り続けていた手を止めた
ニヤァと気味の悪い笑みを浮かべると痴漢男は私の衣服を脱がせ始めた
「(もういいや……ドラマみたいにヒーローが助けなんて来るわけないし……)」
全てを諦め、私はそのまま意識を失った
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